月報 2002年度 2月号
平成15年(2003年)2月1日
編集発行・横須賀市教育研究所/代表・小山 雄二
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巻頭
今後の特別支援
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しかし、最近ではこうした兆候には中枢神経系の障害に基づくものがあり「学習障害(LD:全体的な知的発達の遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す状態)」や「注意欠陥多動性障害(ADHD:不注意、多動性、衝動性という三つの行動を特徴とする障害)」「高機能自閉症(HFA:知的な発達の遅れを伴わない自閉症)」等と呼ばれる新たな障害分野が確立され、教育分野でもその適切な対応が求められてきている。
◆ 文部科学省が初めて実施した「LD」「ADHD」に関する全国調査では、「学習が困難」とされた児童生徒が4.5%、「行動が困難」とされた児童生徒が2.9%、「学習、行動のいずれかが困難」とされた児童が6.3%という結果がでた。男子に高い傾向が見られたそうである。
◆ 横須賀市の心身障害児の教育については、対策委員会を条例で設置している。また、特殊学校、及び特殊学級への入学についても、就学指導の基準があり、医学、心理学、教育学等や児童生徒の状況から教育的措置において総合的な判断をしている。しかし、国の教育措置基準の一部緩和に伴う変化もあり、通常学級を希望するケースが増えていくことが予想される。また、通常学級での「LD」「ADHD」等についても「誰が・いつ・どこで・何をもって」障害と認定するのか、どのようにして保護者に理解してもらうか等課題も多い。
◆ 学校では、児童生徒の一人一人のニーズに合った支援教育体制の整備を進めたい。また、久里浜にある国立特殊教育総合研究所、国立久里浜養護学校等外部専門研究機関の助言や支援もお願いして行きたい。
(教育研究所 小山 雄二) |
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◆ 文部科学省(当時は文部省)は、平成12年6月6日に、特殊教育の専門家による「21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議」を立ち上げた。
◆ 調査研究協力者会議は、平成14年10月21日、盲・聾・養護学校や小中学校での特別支援教育の在り方等について中間まとめを策定した。これは、特殊学級や盲・聾・養護学校で長年続けられてきた障害児を対象にした特別支援教育の再編、転換をともなう内容となっている。
◆ 障害児教育は、今、大きな変化にさらされている。まず特殊学級や聾・養護学校等への在籍する児童生徒は平成12年以降、それまでの減少傾向から増加傾向に転じている。義務教育段階の在籍生徒との比率は平成8年度、1.067%だったものが、13年度には1.385%にまで年々増加している。
◆ この中で特徴として挙げられるのは、肢体不自由児などの重度の障害児が増えている傾向とともに障害が質的に複雑、多様化してきていることである。具体的には、学校で「コミュニケーションには何ら問題はなく、知識もあるのになぜか漢字の書き取りだけが極端にできない」「授業中いつもそわそわして、続けて座っていられない」といった児童生徒も障害児として認定されつつある。こうした児童生徒はかつて「漢字の苦手な子」「落ち着きがない子」等としてとらえられていた。
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特集
国際化と学校教育 |
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コンピューターを活かした授業
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公郷小学校 大貫 万里子
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久里浜中学校 沖山 利香
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小学校にもネットワークパソコンが配備されて以来,様々な教科で利用を試みました。その中で学習計画を立てるにあたって大切なことや企画をする手順が少しずつ見えてきました。最も大切だと思ったのは,授業者がどんな「ねらい」をもってコンピューターのどんな「特性」を利用していくのかということです。
a)個別の課題を自由に追求すること。
b)新鮮なデジタル教材を求めること。
c)情報機器やソフトに慣れ親しむこと。 |
「英語の授業にコンピューターを活用することはできないか?」漠然とは考える事ががあっても、具体的に何を・・・ということはあまり考えた事がありませんでした。しかし今年度から私は情報教育研究会の一員となり、4月からコンピューターを活かした授業を意識せざるを得なくなった。普段の自分自身とコンピューターの関わりと言えば、必要最低限のおつき合いで決してコンピューターが得意、トラブルに対処できるレベルでは決してない。そのような状況の中、正直言って授業で・・・ということになると大変躊躇してしまうというか漠然とした不安を持っていました。
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相談セクション
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研修セクション
二月の研修案内 |
<基 本 研 修>
初任者研修 ☆4日(火)9:30~ 教育研究所 ・「服務に関して」 ☆18日(火)~19日(水)
養護教諭新採用研修
学校栄養職員新採用研修
特殊学級新担任者研修
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<そ の 他 の 研 修>
理科研修講座 ☆5日(水)15:30~ 教育研究所
人権・同和教育担当者研修講座 ☆12日(水)15:30~ 教育研究所
☆12日(水)15:30~ ウェルシティー
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初任者研修 |
1学期と比べた、自身の成長点を振り返ってもらいました。
○ | 1学期はガミガミと怒ってばかりでしたが、2学期にはゆとりを持って、まず聞くことを心がけて指導にあたりました。そのことで、子どもたちは、自分たちで考えてから行動できるようになっきたと思います。 |
○ | 「教室が汚れている」等、今までは自分のクラスしか見えていなかったが、他のクラスも見られるようになり、新たな発見ができるようになった。 |
○ | 生徒(特に女子)との信頼関係が良い方向へ向かっている。これは先輩たちからの助言のおかげである。この信頼を失わないようにしていく。もし裏切られても信じる心を忘れない。 |
○ | 仕事にも慣れ、子どもたちとの関係も築けてきたので、少しは自分にゆとりを持てるようになりました。体力的にも余裕が出てきたので、休み時間は子どもたちとドッジボールをして関係を深めることができました。また、日頃の指導教官による指導や研究授業のおかげで、子どもたちの実態にあった授業を工夫できるようになってきました。 |
○ | 教科のプリント作りが速くなった。学級通信を週1枚以上で出すようにした。 |
(研修セクション:TEL 834-9308 中山・木屋・北村)
教育情報セクション
○ 各校の通知表を閲覧
○ スクールネット更新
○ 新規ビデオテープ教材
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・「ふれあいを大切に」ビデオシリーズ(「目が不自由な人と点字体験」「手と目で話そう」「この小さな手さえあれば」「ガンに侵されたロックミュージシャン」「車いすで街に出てみたら」「命の授業900日」「盲導犬ものがたり」)
○ 「理科が好き」に応えるために
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(教育情報セクション
小谷 直通TEL37-1338・坂庭 直通TEL36-6104・一栁 直通TEL36-2418)
こくばん
研究員会だより 中学校 評価・評定研究員会
中学校 評価・評定研究員会
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各小中学校では、今年度の反省とそれに基づいた来年度の教育課程づくりが始まっている頃と思います。 「授業が変わる」、「先生が変わる」、「評価が変わる」、「子どもたちが変わる」、「そして学校が変わる」と宣言して、新しい教育の動きが4月にスタートしました。 新教育課程の1年目はどうだったのか、率直な意見交換を経て、更に良いものを目指し、どう変われば良いのかを、これからも考えていくことが求められます。 教育研究所も今年度から教育情報、研修、相談の3のセクション制にしましたが、これまでを総括し、更に新しいニーズに対応した機関として学校教育を支援していきたいと思います。 |
更新日:2023年10月31日 21:10:37