No.179 ハナイカダ (H19.9.3)

撮影 H19.8.28 金沢自然公園シダの谷
(ミズキ科ハナイカダ属

残暑の日ざしを避けて、金沢自然公園のシダの谷の樹林下を歩いているとハナイカダの果実が熟しているのに出会いました。
 高さ1~2メートルの落葉低木で、ほぼ全国に分布し、山地の樹林下の湿った場所に育ちます。県内でも広く分布しますが、三浦半島南部では見られません。
 ハナイカダは葉の中央に花を咲かせ、果実を実らせるという変わった植物で、その様子を目にすると強く印象に残ります。
 花期は5月。雌雄異株で、雄株では葉の中央に淡緑色で径4~5ミリの雄花を数個付けますが、雌株では雌花は通常1個です。花や実までの主脈が太いので、花柄が葉に合着したのではないかと考えられます。
 果実の直径は7~9ミリの球形で黒く熟します。甘味があり、小鳥が好みます。
 和名は花筏(はないかだ)で、葉を筏に、葉の上に乗る花を筏を操る人に見立てたものでしょう。

 

<「植物歳時記」に戻る

 

更新日:2023年10月10日 13:44:25