No.143 ハマナタマメ (H17.10.5)

撮影 H17.9.29 毘沙門海岸
ハマナタマメ(マメ科ナタマメ属)

 本州中南部から四国、九州、沖縄の海岸に生育する、つる性の多年草です。県内では三浦市の毘沙門海岸にだけ自生し、「神奈川RDB」では絶滅危惧種とされています。
 乾燥に強く、茎は海岸の砂地や岩上をはって、枝分かれしながら広がります。茎の基部は木質化しています。遠目にはクズの群落のようにみえますが、葉には毛がなく光沢があり、質も厚いので区別がつきます。
 花期は6~9月で、葉の付け根から総状花序を出し、紅紫色の蝶形花をつけます。花は大型で長さ2.5~3センチです。一般的なマメ科の花と比べると上下が異なり、旗弁が下に広がり、舟弁が上についているのもハマナタマメの特徴です。写真では、翼弁や舟弁が散って雄しべと雌しべが現われているものも並んでいるので、それがわかります。
 豆果はソラマメに似て厚みがあり、長さは10センチ前後です。中には楕円形で長さ1.5センチほどの種子が2~5個入っています。
 熱帯アジア原産で、若い実を福神漬の材料などの食用とするために栽培されているナタマメと同属です。和名は、実を幅広の刃物の鉈(なた)に見立ててつけられたようです

 

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更新日:2023年10月11日 11:16:44