カテゴリ:民族資料写真
30.矢立(やたて)

 

携帯用筆記用具である。墨壺に筆を入れる管をつけて一個の用具とし、携帯の便利を図ったものである。墨壺にモグサなどを入れて墨汁をしみこませ、こぼれないように工夫してある。鎌倉時代には、“えびらの矢立”などと呼び武士がえびらに入れて持ち歩いた。江戸時代には墨壺が丸くなり、腰に差して歩くのに便利になった。真鍮製・赤銅製・陶製などがある。この写真の矢立は真鍮製で寸法が刻まれている。生活の知恵がうかがえる。
原寸: 管の長さ20cm,墨壺直径3cm

 

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公開日:2023年10月10日 18:00:00
更新日:2023年10月12日 14:22:05