月報 2001年度 6月号
平成13年(2001年)6月1日
編集発行・横須賀市教育研究所/代表・小山 雄二
E-mail: kenkyu@edu.city.yokosuka.kanagawa.jp
巻頭
学校教育賞から学ぶ
~子どもの立場に立った,わかる授業
の実現をめざした論文を~
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◆ 小田部教諭は,授業改善の実践事例として3学年「光をあててみよう」,6学年「ものの燃え方と空気」を取り上げている。
◆ 研究の成果として,「単元を貫く課題(テーマ)を子どもたちが考えることによって,子どもたちの活動は方向を失うことなく連続していった。現象に触れ自分なりの意見をもつという主体的で意欲的な構えがどの子にも見られた。」「子どもに学習の時間を保障し,個人差を最大限認めることで,子どもの意欲は確実に維持され,高められていくことが分かった。それは,子どもたちの学習記録の中に,感動や驚きが数多く書かれていて,まさに意欲が問いを生み,問いが意欲を生むということがとらえられた。」「生活の中の課題と学習から得た知識とを結びつける場を設定することで,学習が生活と遊離したものでなく,生活と密接につながっているというが分かり,学習意欲の向上につながった。」「子どもは『未知のものを追求する欲求』をもっている。その欲求・意欲を持続するために,『いま自分が何をしているのか』『次に何をしたいのか』というめあてを明らかにしていくことが大切であり,そのために行われる指導や支援は,子どもの学習カードや理科作文などから分析することで的確に行え,評価にも生かせることが分かった。」と述べている。
◆ 21世紀の教育改革の年になり,これからの学校教育では,変化が激しい社会で生活をしていくうえで必要な基礎的・基本的な知識や技能はもとより,新しい課題に直面して,自ら考え,課題を解決していく力,学ぶ意欲,知的好奇心,探求心などを育成することが求められている。新しい学習指導要領に基づく小・中の教育課程の実施は来年からだが,来年やろうと思っても難しい。試行錯誤でいいから,自ら学び,考える力を育てるための創意工夫を生かした授業づくりの研究に積極的に取り組むことを期待したい。
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◆ 学校教育賞は,本市の学校教育の振興をはかるために設けられたものである。
この教育賞は,市立幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特殊学校の教職員の中で,優秀な教育上の研究,また,園児・児童及び生徒の指導に関する創意工夫,その他,本市教育界の向上発展に寄与貢献したと認められる個人または団体の論文等を対象としている。
◆ 歴史もあり,当初の頃の関係資料によると,昭和24年度に,関口 恒教諭の「私の国語教育設計」,市堀 勝義教諭の「教育実践記録」,雑賀 昭二教諭の「放送教育」が受賞されている。本市教育研究所は,昭和23年9月に田浦中学校の校舎内に設立されたが,昭和24年度といえば,研究所が坂本町に移転した年である。その後,50年以上にわたって学校教育の振興に寄与し続け現在にいたっている。
◆ 最近では,平成10年度に山田 親恵教諭の「子どもの子どもによる子どものための学習の場」が学校教育賞,小川 義一教諭の「一人ひとりが自分のよさと可能性を発揮できる授業をめざして」が努力賞,平成11年度に岩松 恒治教諭の「生徒一人ひとりが自ら学び,考える力の育成を目指した指導の工夫」が努力賞を受賞している。
◆ 平成12年度では,小田部 忠仁教諭が「子どもの資質や能力,科学的な概念を育成するための指導法の工夫」~子どもが問い続けることのできる理科学習~のテーマで努力賞を受賞した。
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(小山 雄二)
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特集
教師としての一年を振り返って
カットは岩戸中学校 古谷尚先生の作品です。
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児童とともに歩んで
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子どもに気づかせられたこと
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根岸小学校 教諭 小嶋 英二 |
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津久井小学校 教諭 牧野 めぐみ |
私が小学校の教員を希望するきっかけを与えてくれたのは、小学校の時の先生の影響が大きかったです。教わった先生方は、「とても優しく、そして厳しい先生」という印象があります。そんな先生の後ろ姿を見て、「僕も小学校の先生になってみたい」と思い始めました。
昨年度、横須賀市に採用が決まり、小学校から抱いてきた「夢」と「希望」を胸に今、目の前にいる児童と接しています。
私が1年間学級を経営していく上で大切にしてきたのが、「挨拶」と「掃除」です。
「挨拶」では、朝、教室で児童の来るのを待ち、一人ひとりに挨拶をしてきました。初めはあまり声が出ませんでしたが、子供たちは1年間で自分から進んで挨拶できるようになりました。
いろいろと問題が起こる「掃除」では、身支度から入りました。三角巾を自らつけ、進んで雑巾がけをすることで、児童の意識が変わりました。問題もまだまだ起こりますが、「協働」を学びつつあります。これからもこの点を児童とともに取り組んでいきたいと考えています。
1年間を通じて、児童とともにいろいろな経験を積んできました。それは児童の成長だけでなく、私自身の成長でもありました。一人では何も生まれないことまでも、児童同士、児童と教師がお互いに助け合い、高めていくことで生まれるものも大きいと実感しました。今年度も「児童とともに」様々な事に挑戦し、経験していきたいと思います。
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教師になってから、あっという間に一年がたちました。初めてのことだらけの毎日の中で、気づかせられたことはたくさんあります。
初めて子どもの発想に驚かされたのは、まだ始まって間もない、算数の時間のことでした。クラスの子の誕生日を調べて表を作っていました。月ごとに色のついたおはじきをならべ、人数を確認していました。おはじきをならべ終わり(表ができあがったな)と思っていると、ある子どもがこんなことを言いました。
「先生、4月は桜が咲くから、ピンクっぽい感じがするから、ピンクに近い赤色のおはじきにしたほうがいいよ。6月は雨が多いから、青のおはじきがいい。秋は落ち葉が黄色いから、黄色のおはじきがいいよ。」
また、こんなこともありました。国語の時間に「ふきのとう」の音読の練習をグループでしていました。それぞれ役割を決めて読み合いをしていると、「先生、席を立ってもいい?」というグループがでてきました。何をするのかなあと思って様子を見ていると、雪の下にうまっているふきのとうを表現するため、いすを使って、いすの下にもぐったり、いすの上に寝転がったりしてそれぞれの役になりきって練習をしだしたのです。子どもたちの中に、私たちが考えていた以上に「ふきのとう」の世界があったのだということを気づかされました。
子どもたちは、大人が考えもしないことを次から次へと考え出します。それに一喜一憂しながら子どもたちを見守っていける教師になりたいと思います。
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子どもたちから教わったこと
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英語の面白さを伝えたい
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池上中学校 教諭 杉本 美紀子
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常盤中学校 教諭 大和 真理子
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教師になりたいという20年来の夢がようやく叶い、喜びと共に教壇に立って早1年が過ぎました。
教師としてすべきことはたくさんあるのでしょうが、この1年間は主に授業に力を入れてきたつもりです。子どもたちから教わったことは数えきれない程ありますが、特に次のようなことを痛感させられました。
ハーフパンツ製作の取り組みで、1学期から2学期半ばまで、なかなか作業に手がつかない生徒がいました。いつも地道に声をかけ、なるべく具体的な内容と方法をまめに指導していったつもりですが、なかなか気持ちがのってこない様子でした。ある時、別の件で生徒指導においてその生徒と1対1でゆっくり話をする機会がありました。友だちのこと、授業のこと、いろいろと話をしました。その日以来、その生徒は少しずつ意欲的に作業に取り組み始め、いつの間にかクラスで1番の進度となりました。そして、そのことが自信となり、頑張ろうという気持ちにつながっていったようです。その生徒から、一人ひとりに応じた指導の必要性と、1対1のコミュニケーションの大切さを教えられました。
この先、生徒と共に過ごす時間を大切にし、一人ひとりの子どもとのコミュニケーションを基盤にして信頼し合える人間関係を築いていきたいと思います。そして生徒が自分の幹を太くし、枝葉をつけていくための手助けが少しでも出来るように、土を耕し、様々な角度から陽を照らし、子どもたちの成長のための環境づくりに全身全霊、力を注いでいきたいと思います。子どもたちのたくましい自生力を信じしっかりと見守りながら・・・。
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「英語の面白さを伝えたい。」この思いを胸に教壇に立ったものの、教わる立場から教える立場への転換は想像以上に難しいものでした。生徒との接し方。授業の構成。試験作成。全てが初めての事で右往左往する日々を過ごしてきましたが、今改めてこの1年を振り返ると、自分の信念によって自分自身が支えられていたように思います。
まず「信頼関係の上にこそ授業は成り立つ」という思いから、授業以外の場でも出来るだけ生徒と向き合うようにし、一人ひとりの声に耳を傾けるようにしました。始めは授業に参加する姿勢さえ見せなかった生徒が挙手するようになるにはかなり時間がかかりましたが、こちらが諦めなければ実現する、と確信出来ました。また、リスニング力をつけるために、普段の授業の中でもリスニング・ディクテーションを行なってきましたが、初期の頃と比べると今はかなりの正答率になっています。「最初は出来なくても、繰り返していると必ず出来るようになる。」この事は私よりも生徒自身が強く実感している事でしょう。そして、最終目標として「英語の面白さを伝える」事。これは英語教師として永遠の課題とも言えるでしょう。いかに分かりやすく、楽しく教え、学ぶ喜びを感じさせる事ができるか。先輩教諭の授業を参観するたびに、いま一度自分の授業を見直し反省する、良いきっかけとなっています。
国際化時代の今日、道具として必要とされている英語をいかに生徒の身につけさせるかは今後の私の最大の課題です。他にも大小と課題は山のようにありますが、「課題は乗り越えるべき目標」という考えのもと“NEVER GIVE UP”精神、そして初心を忘れる事なく、日々学び成長していきたいです。 |
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相談室
<子どもとともに>
-「不登校」について再考する-
教育相談室
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◆ ここ数年,日本の不登校児童生徒は毎年10万人を越し,増加傾向が続いています。横須賀市においても不登校児童生徒数自体は,微増しています。しかし,児童生徒の全体数は減少していますから,出現率は年々高くなっており,全国の平均値を上回っています。
◆ 文部省(現文部科学省)は不登校について「どの子どもにも起こりうる」と定義し,不登校の内容についていくつかの分類を行いました。それから約10年が経ち,学校・社会において不登校が十分認識されたと思われますが,減らずに増え続けています。
◆ 先日,7年程前に相談学級の担任として関わった生徒の保護者と会う機会がありました。本人の現在の様子等の話の後に,保護者から「今の不登校の子どもの保護者は,以前のように悩まなくなったと聞いたことがあるんですが……最初から学校に行かないことを問題として考えていないのでしょうか?」と聞かれました。
◆ 多くの不登校の子どもの保護者は,我が子が学校に行かないことを悩み,心の葛藤を抱えながら子どもに接していると思います。
◆ しかし,なかには「どの子どもにも起こりうる」のだから登校刺激を与えず,待ち続けるのみという考えの保護者もいるのかもしれません。また,保護者自身に様々な理由から子どものことを顧みる心の余裕がなく,そのままにしている場合もあるのではないでしょうか。
◆ 数年前に関わった不登校児童のケースでは,保護者が仕事が忙しく,朝,起きることができず,子どもを学校へ送り出すことができないということがありました。その結果,登校渋りから不登校という形になってしまいました。保護者との面談で,朝起こして朝食を一緒にとって送りだして下さいと話しましたが,なかなか実行してはもらえませんでした。また,保護者が早朝に仕事に行ってしまい,子どもだけで起きて朝食をとり,支度をして登校するという家庭においても,不登校となってしまったケースがありました。
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これらのケースにおいては,保護者個人の力だけではどうしようもないということも理解しながら,保護者と子どもを支えていくことが大切だと思います。
◆ この2つのケースでは,学校が子どもを支えてくれました。遅刻をして登校しても,本人をあたたかく迎え,すぐに教室に入れないようであれば別室で職員が関わり,その後,学級担任につなげてくれました。その結果,すぐに他の子どもと同じようには登校することはできませんでしたが,少しずつ学校に来るようになりました。
◆ 不登校の原因・理由は,それぞれの場合によって異なります。子ども・保護者・学校・生活(社会)環境等に原因や理由がある場合,子ども自身が原因・理由もわからない場合もあります。原因・理由を解明することによって解決する場合もあれば,原因・理由を知ることよりも今後の生活について考えていくことによって改善することもあります。
◆ いずれにしても子どもが「学校生活において,学びや同年代の子どもとの関わりから得る楽しさ」を体験することが不登校を予防する上で重要なことです。また,視覚的には理解しにくい,子どもの「心」や「配慮が必要な特性等」についての知識や理解が必要です。
◆ こういった事柄に対して,常に前向きに取り組んでいく姿勢でいることが,不登校の子ども・保護者を支えることにつながると思います。
(教育相談室直通電話…34-9308・北村耕一)
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★ 表.不登校児童生徒の出現率(%) |
年度 |
9年度 |
10年度 |
11年度 |
12年度 |
校種 |
出現率 |
出現率 |
出現率 |
出現率 |
小学校 |
横須賀 |
0.27% |
0.47% |
0.39% |
0.45% |
全 国 |
0.26% |
0.34% |
0.35% |
…… |
中学校 |
横須賀 |
2.99% |
3.70% |
3.83% |
4.06% |
全 国 |
1.89% |
2.32% |
2.54% |
…… |
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図書室・資料室
○ 教育史資料の発掘
図書・資料室では,教育に関する様々な資料提供の一方で,横須賀市内を中心とした教育関係の資料収集も行っています。例えば,机・椅子などの教具,研究会の記録,各学校の記念誌など,将来横須賀の教育史を振り返る上で必要な資料を収集しています。各学校で独自に研究し,現在はすべての職員が所有しているものでも,年が経過すると散逸してしまい,確認ができなくなってしまいます。横須賀の教育史の一角を形成する資料として記録・保管も考えて下さい。
また,学校にある資料を求めて担当が学校に伺うことも考えています。
○ 教科書展示会
(来年は小・中同時採択です)
6月22日(金)より7月5日(木)の期間中,3階第1研修室を会場に教科書展示会を行います。平成14年度に使用する教科書に触れる機会ですので,是非ご利用下さい。なお,会期中は土日も展示しています。(展示会場以外は閉館です。)
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○ 研究紀要
平成11・12年度の各研究所研究員会の成果をまとめた,研究紀要を各学校に配布しました。2年に渡る研究員会の成果を是非ご活用下さい。
各学校には2部ずつしか配布していませんが,研究所のホームページ上からも利用できるように準備しています。配布は次のものです。
・「国語科年間指導計画の参考」
・「小・中の連携にもとづく
新教育課程のカリキュラム(社会)」
・「新教育課程に向けての算数・
数学科指導のあり方」
・「新教育課程における理科指導のあり方」
・「総合的な学習を視野に入れた同和・
人権教育」
・「学校不適応に関する一考察
~学校生活の中でキレる子どもたち~」
・「小中学校の連携を考える
~新学習指導要領の趣旨を踏まえて~
(保健・体育)」
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(図書・資料研究室直通電話・・・TEL 36-2418
一柳 直行)
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理科・環境教育
理科関連の講座がスタートして2ヶ月が過ぎました。どの講座にも先生方が積極的に参加し,毎回熱心に研修されています。これからの講座にも,多くの先生方が参加してくださることを期待しています。 |
4.25 小学校教材研究講座より
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☆ リアルタイムで気象データを!!
これまで教育研究所では,長年にわたって久里浜の気象データをとってきました。しかし,なかなか学校で活用していただくのは難しい状況でした。そこで,この4月から,教育研究所のホームページ上に「久里浜の気象」をアップし,久里浜における気温・湿度・気圧データをリアルタイムで学校から引き出せるようにしました。6月中には,風速・風向・雨量データも加える予定でいます。ぜひご活用してみて下さい。 |
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☆ こどもエコクラブをご存じですか
「こどもエコクラブ」は,ふだん自分たちが暮らしている地域の中で,環境に関して活動しようという全国の小・中学生がグループで参加して,1995年6月にスタートしたクラブです。環境庁の呼びかけにこたえて,これまで全国で約4,000クラブ・70,000人(平成10年度)の仲間が参加し,さまざまな活動をしています。環境教育の取り組みとして子どもたちに紹介してみると,活動が広がることでしょう。 |
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理科授業の充実と教科書 |
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今年度は,小・中学校において平成14年度から使用される教科書の採択の年でもあります。厳選によって学習内容が減っていることや,子どもたちが必ず身につけるべき最低限の内容に押さえられたことが,今回の特徴の一つです。それにともない様々な声が聞かれますが,先日某新聞の記事として,次のようなことが書かれていました。「優れた先生は,従来,教科書に頼らず,独自の教材を開発し,子どもたちの興味を引き出す授業を展開してきた。こういう先生なら,教科書の内容が薄っぺらになっても問題はない。しかし,そんな先生に当たることはまれだ。教科書に出ていることしか教えない先生に出くわした子どもは従来の7割しか教わらないことになる。その意味では明らかに『学力低下』を招く。特に小学校では,理科を苦手とする先生が多く,その懸念は大きい。」 |
さて,この記事を読まれて,どのような感想を持たれるでしょうか。私は以前に,「教科書を教えるならば誰でもできる。教科書で,より豊かな学習を創り出すのが教師だ。」と教えられたことがあります。まさに今,教科書に書かれていることだけを,そのまま型どおりに教え込むだけの授業が問われてきているのです。学習内容の削減や総合的な学習の導入による『学力低下』を危惧する声に対し,より豊かな学びを生み出す授業を創り,子どもたちの様々な力を伸ばしていく実践で応えていくことが,教育のプロとしての私たち教師の責務なのではないでしょうか。 子どもたちがいろいろな場面で開く教科書を、一教材として実際の授業をイメージしながら見てみることが大事なことでもあります。 |
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(理科教育研究室直通電話・・・TEL 36-6104 小田部 英仁)
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情報教育
中学校では全校がインターネットを利用できるようになったことに伴い,授業でのコンピュータ利用,ネットワーク利用が増えています。昨年度の調査によると,65%の先生方がコンピュータを利用した授業を行いました。
調べ学習でインターネットを利用することは,さまざまな最新の情報を得られ,有効な手段なのですが,ただ漠然と「調べてみよう」では,必要な情報にたどり着くことはできません。きちんと事前準備をして,はじめて有効な道具になります。
コンピュータやネットワークを授業の有効な手段・道具としての活用を図っていきましょう。
連合生徒会活動でIT活用
連合生徒会活動では,数年前から「情報」を取り上げ,さまざまな可能性を追求してきました。中学校全校のネットワーク化を受け,本年度からIT(情報通信技術)を活用することを試みます。日常的な情報交換,原案づくりの会議などをネットワークの掲示板機能やテレビ会議システムなどを使い行う予定です。時間と距離の壁を越え,交流を行う中でお互いを高めあうシステムになることを期待しています。各校でのご協力をお願いします。
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★活用ガイド配布★
平成13年度版の「教育情報センター活用ガイドを各校2部ずつ配布しました。
コンピュータやネットワークを利用する上での様々なルール,小学校のノートPCの利用方法,中学校のコンピュータ室・ノートPCの利用方法,研究所の所有しているビデオテープのリスト等,多くの情報が載っています。
新たにビデオ検索のマニュアルを載せました。活用してください。
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(情報教育研究室直通電話・・・TEL 37-1338・小谷 孝夫)
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研修案内
■ 基本研修
初任者研修
12日(火) 教育相談 9:30~16:00
教育研究所
・班別協議
・講義「教育相談の視点を生かした学級づくり」
岡田守弘先生(横浜国立大学)
26日(火) ふれあい合同研修I
9:20~16:00 県立教育センター
・オリエンテーション
・講話「神奈川の教育」ほか
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4/11 6年次研修
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社会体験研修講座 (11年次研修の方の中から)
13日(水) オリエンテーション 14:00~17:00 教育研究所
■ 課題研修
※課題研修は,全て15:00~17:00の時間帯で,教育研究所で実施いたします。
教育課程開発講座
8日(金) ・「子どもから始まる総合的な学習の時間」
後藤裕史先生(草加市立高砂小学校)
現代教育課題研修講座
19日(火)・「今,危機に直面する子どものからだと心」
正木健雄先生(日本体育大学)
情報教育研修講座 |
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はじめてコース |
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1日(金)・ 5日(火) |
・ワープロソフト利用コース |
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8日(金)・12日(火) |
・表計算ソフト利用コース |
15日(金)・19日(火) |
・インターネット利用コース |
26日(金)・26日(火) |
・電子メール利用コース |
管理職対象コース
7日(木)・14日(木)
教育相談研修講座
13日(水)・「学習障害,多動の子どもへの対応」
原仁先生(特殊教育総合研究所)
■ 教科領域等研修
理科研修講座
13日(水)・「星・月・太陽(4,5,6年)」
田中正利先生(光洋小学校)
■ 研究所学習会
※研究所学習会は,全て18:00~20:00の時間帯で,教育研究所で実施いたします。
8日(金) 情報教育学習会
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言葉抄
去る4月11日,「教育公務員としての自覚,心構え,服務について」,「これからの学校のあるべき姿」という内容で実施いたしました6年次研修のアンケートから,先生方の感想を抜粋しました。
・服務についての話は,改めてきちんと聞くことができました。
・自分の立場が分かりました。
・法,条例,規則で,知らない部分の理解を深めたいと思います。
・自分が普段どういう意識でいなければならないかを考えさせられました。
・普段は目の前の子どもたちのことで目一杯になってしまいますが,このようなことも学んでいきたいと思います。
・5年の間に振り返ってみる間もなく通り過ぎたことを,ここで立ち止まって考えるいい機会になりました。
・初心を忘れないようにしたい。
(基本研修担当 中山 俊史・木屋 哲人)
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こくばん
学校・学級経営相談
それぞれの持ち味・よさを見い出す経営を!! |
ちょっと前になりますが、横浜高島屋のギャラリーで開かれていた、『幻の童謡詩人金子みすゞの世界展』を見る機会を得ました。
会場は、短くも美しい26年の生涯と心打つみずみずしい童謡詩に満ち溢れ、出口に近くなるにつれ、どうしようもなく目頭が熱くなってしまいました。
みすゞの詩には、どれも人間中心の自分の目の位置をひっくり返される、深い、優しい、鮮烈さであることに驚かされます。
作品は、「大漁」「つもった雪」「土」「こころ」等、大変な数でしたが、その中では何といっても、数社の教科書に複数の学年にわたって載せられている「私と小鳥と鈴」が、ポピュラーでしょう。
ご承知の通りこの詩は、自分と小鳥と鈴、それぞれの特徴をうたって、「みんなちがってみんないい」と、相違ということに染み透るようなまなざしを送り続けた「みすゞ」という人間性がここにあります。
純粋に素直に真正面から鑑賞しなければいけないと分かっていながら、私はつい職業柄か、教育に、子供に、この思いを置き換えてしまいます。 |
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今の学校教育に求められているのは、言うまでもなく実に変化の激しい現在の世の中に対応することができる子供、また、自らが学ぶ意欲を忘れず、常に主体的に考えたり、行動に移せたりする子供、更に心が豊かでたくましく生きる子供を育てることにあります。
なんとも欲張りなような気がしますが、とにかく自分さがしの旅に出発する子供たちを支援することに間違いはありません。
そのためには、生涯学習の基礎を培うという観点に立って、子供たち一人一人の個性を十分に生かし、人として必要な知識・基本的な内容を身につけさせることが大切となります。
みすゞの言う「みんながちがってみんないい」は、まさにこの個性の重視であり、それぞれの持ち味・よさを大切にすることでしょう。
「そんなこと十分分かっているよ」とお思いでしょうが、教室の中での子供たち、外で飛び回っている子供たちを、金子みすゞになったつもりで、もう一度立ち止まって見て下さい。きっと違った、新しい一面の子供の発見ができるかも知れません。
これは、学校経営にしても然りです。 |
(学校・学級経営相談室 小田切武夫)
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研究所6月の予定
◆ 教育課程開発講座 |
日時 |
8日(金)15時~17時 |
場所 |
第1研修室 |
内容 |
「子どもから始まる総合的な学習の時間」 |
講師 |
後藤 裕史 先生(草加市立高砂小) |
※子どもの声からスタートする総合的学習の取り組みを行っている先進校の実践から研修します。環境教育の視点からも参考になります。 |
◆ 研究所学習会・情報教育コース(第2回) |
日時 |
8日(金)18時~20時 |
内容 |
学習会・情報教育コースは、昼間の研修に出られない方やコンピュータは初めてという方を対象に“インターネットの利用”や“授業での利用”が出来るように初歩から一つひとつ確認しながら学習します。
また、メールの利用方法とその活用も学習します。 |
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更新日:2023年10月31日 20:56:14