月報 2005年度 4月号

 

平成17年(2005年)4月1日
編集発行・横須賀市教育研究所/代表・五ノ井文男
横須賀市久里浜6-14-3 / TEL(046)836-2443(代)
(〒239-0831)  FAX(046)836-2445
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巻頭


 

 義務教育改革の年

 ◆昨年度は、風水害や地震といった自然の恐ろしさを思い知らされた年でした。教育界においては、持ち越しとなった義務教育費国庫負担制度の問題と昨年末に公表されたOECDの学習到達度調査(PISA)の結果や国際教育到達度評価学会(IEA)の国際数学・理科教育動向調査の結果が、あらためてわが国の教育課題を浮き彫りにしました。 
◆平成17年度は、義務教育改革の年になりそうです。今秋には、中央教育審議会(以下中教審)が結論を出す改革の工程表が組まれているからです。第一は、学習指導要領の改革が義務教育改革の大きな柱になります。中教審に各教科の専門部会や教育課程企画特別部会、総合的な学習の時間専門部会などが設置され、次の教育課程の改革が進められます。完全学校週5日制と総合的な学習の時間の導入で減った授業時間の復活などが大きな焦点となりそうです。第二は、教員養成改革の審議が中教審で開始され、教員の免許更新制の導入・教員養成専門職大学院の設置などについて検討されます。この二点は、今秋には結論が出され、教育界に大きな影響をもたらすことは間違いないでしょう。第三は、義務教育費国庫負担金の在り方の問題です。昨年11月、三位一体の改革の全体像が決定し、「文教」については、「義務教育制度は、その根幹を維持し、国の責任を引き続き堅持する。その方針の下、費用負担についての地方案を活かす方策を検討し、また、教育水準の維持向上を含む義務教育の在り方について幅広く検討する。」とされました。中教審の今秋の結論を待つことになっています。
◆昨年11月中山文科相が「蘇れ、日本」と題して、教育改革の方針について説明しました。その中で、子どもに対し「くじけるな、ウソをつくな、弱いものいじめをするな」、また、大人には「ほめよう、叱ろう、励まそう」と具体的に表明されました。これらは、ことさら新しいことではなく、従来から言われてきた教育の「不易」の内容であり、教育の原点に立ち返ることを提唱されているものと思われます。学校現場の改革のためには、不易を基盤に土台をしっかり固めることがたいへん重要です。
◆義務教育にかかわる諸改革は、今後の教育界を方向付ける意味合いが濃いものです。従って、学校の主体性・自律性の確立と人間性豊かな子どもの育成に向けて、確固たる理念を持って取り組んでいかなければ足下の土台が揺らぎかねないことになります。「流行」には柔軟に対処しながらも未来を見すえて、教育改革の具体的な中身を十分に吟味していくことが大切です。
◆日本科学未来館館長の毛利衛氏は、『いま聞きたいこの人の教育観』という本の中で、「教師は、子どもに真似される大人に」「逃げずに勝負してみる。その積み重ねが自信になる。」「それぞれの先生方が、自分が体験して確信していることを信じて、そこに根ざしたものに基づいて、自信を持って子どもたちに応えてあげること、それが基本です。」と述べています。学校教育の本質を見失うことなく、とにかく目の前の課題一つ一つに自信を持って、全力で取り組むことが大切です。
◆教育研究所といたしましても、各事業の取り組みを「千歳不易と一時流行」の視点で省みながら、日々子どもたちに対し真摯に取り組んでおられる学校・先生方の支援に努めてまいります。今年度も一年間よろしくお願いいたします。
(所長 五ノ井 文男)

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研修セクション 



平成17年度 教育研究所研修計画
 
 横須賀市教育研究所では、本市教職員が自主的・主体的研修活動を展開し、21世紀を生きる子どもたちの教育を支援するため、自己の生涯にわたる研修に関するビジョンを確立できるよう各種事業を推進します。


◆初任者研修

(1) 4月19日(火) 開講式・オリエンテーション 教育研究所
(2) 5月10日(火) 学級経営 教育研究所
(3) 5月24日(火) 道徳教育 市内小・中学校
(4) 6月  7日(火) 生徒指導 教育研究所
(5) 6月21日(火) 教科指導1 市内小・中学校
(6) 7月  5日(火) 教育相談 ヴェルクよこすか
(7) 8月  2日(火) 総合的な学習の時間 教育研究所
(8) 8月  9日(火) 服務 教育研究所
(9) 8月23日(火) 宿泊研修(野外体験活動・協議) 湘南国際村センター
(10)   24日(水)
(11) 9月13日(火) 教科指導2(小学校) 教育研究所
9月27日(火) 教科指導2(中学校) 教育研究所
(12) 10月25日(火) 校外授業研究(中学校授業) 市内中学校
(13) 11月15日(火) 校外授業研究(小学校授業) 市内小学校
(14) 12月26日(月) 国際教育 教育研究所
(15) 1月24日(火) 人権・同和教育 教育研究所
(16) 2月14日(火) 実践報告会・閉講式 教育研究所
夏季休業中に設定 社会体験研修(2日) 各会場
夏季休業中に設定 校外課題研修(3日) 各会場
各学校で日程を設定  異校種研修(2日) 市内各学校
同校種研修(1日) 市内各学校
各学校で選択 研究発表校参加(1日) 市内小・中研究委託校

 

◆2年次教職経験者研修 開始時刻:15:30

(1) 4月27日(水) オリエンテーション 教育研究所
(2) 6月10日(金) 教員に求められる資質 教育研究所
(3) 2月8日(水) 実践交流 教育研究所

 

◆6年次教職経験者研修 開始時刻:(1)(2)(4)は15:30 (3)各校企画

(1) 5月~翌年1月 児童生徒理解に関する研修(教育相談研修より選択) 総合福祉会館他
(2) 9月28日(水) 教科指導に関する研修 教育研究所
(3) 9月~12月 教科指導に関する研修 各勤務校
(4) 10月19日(水) 人権・同和教育、在日外国人に関する研修 教育研究所

 

◆11年次教職経験者研修 開始時刻:(1)15:00 (3)(4)(5)(8)9:30

(1) 4月27日(水) オリエンテーション・講話(0.5日) 教育研究所
(2) 夏季休業中 社会体験研修(5.5日) 市内各事業所
(3) 7月27日(水) 授業指導等に関する研修(1日) 教育研究所
(4) 8月8日(月) 生徒指導等に関する研修(1日) 教育研究所
(5) 8月22日(月) マネジメントに関する研修(1日) 教育研究所
(6) 夏季休業中 夏季研修等からの選択研修 教育研究所等
(7) 研修期間の課業中 教科指導に関する研修 (研究委託校研究会) 市内小・中研究委託校
(8) 1月5日(木) 社会から見た学校教育に関する研修(1日)    教育研究所

 

◆21年次教職経験者研修 開始時刻:(1)(2)(6)15:30 (4)(5)(7)9:30

(1) 4月26日(火) オリエンテーション 教育研究所
(2) 6月  8日(水) 生徒指導 久里浜行政センター3F
(3) 人権・同和教育に関する講座より1講座を選択 各会場
(4) 8月 3日(水) 教育課題 久里浜行政センター3F
(5) 8月19日(金) 特色ある学校づくり 久里浜行政センター3F
(6) 10月14日(金) 学校運営 教育研究所
(7)  1月 5日(木) 実践交流 教育研究所

 

◆管理職研修 開始時刻(1)(3)15:30 (2)9:30~(全日) 会場は教育研究所

校長 (1) 5月11日(水) これからの学校教育のあり方 帝京大学助教授 佐藤晴雄
(2) 8月8日(月) 教員の資質向上と人材育成 台東区立御徒町台東中学校長 関本惠一
(3)11月25日(金) 教育改革期に求められる校長のリーダーシップ 元神奈川県教育委員会教育長 齋藤莊之助
教頭 (1)5月25日(水) 現代に求められる管理職像 湘三教育事務所長 佐藤賢一
(2)8月18日(木) 不登校に対する分析とアプローチ 横浜国立大学助教授 芳川玲子
(3)11月30日(水) 危機管理と学校経営 神元中学校長 堀越和宣

 

◆英語教員集中研修 開始時刻  9:00~(全日) 会場は教育研究所

(1) 8月 1日(月) 開講式、オリエンテーション
英語スキルアップ研修1
所長、清泉女子大学教授 大杉 正明、英語専門学校講師、指導主事
(2) 8月 2日(火) 英語スキルアップ研修2・3 英語専門学校講師、指導主事
(3) 8月 3日(水) 英語スキルアップ研修4・5 英語専門学校講師、指導主事
(4) 8月 4日(木) 英語スキルアップ研修6
英語運用力テスト(TOEIC)
英語専門学校講師、外部講師、指導主事
(5) 8月 9日(火) 英語指導法改善1・2 昭和女子大学教授 緑川日出子、指導主事
(6) 8月10日(水) 英語指導法改善3・4 昭和女子大学教授 緑川日出子、指導主事
(7) 8月11日(木) 英語指導法改善5・6 昭和女子大学教授 緑川日出子、指導主事
(8) 8月12日(金) 英語指導法改善7・8、閉講式 昭和女子大学教授 緑川日出子、指導主事

 

◆教育課程担当者研修

(1) 6月14日(火) オリエンテーション、教育課程の編成と展開1 (財)教育調査研究所研究部長 小島宏
(2) 8月22日(月) 教育課程の運営~ミドルリーダーとしての役割~ 筑波大学教授 小島弘道
(3) 11月 2日(水) 教育課程の編成と展開2 早稲田大学教授 藤井千春

 

◆初任者研修拠点校指導教員研修 開始時刻 (1)9:30、他9:30~(全日) 会場は教育研究所

(1) 4月 8日(金) 所長講話、初任者研修の概要、服務 所長、指導主事
(2) 4月12日(火) 情報交換、研究協議 指導主事
(3) 5月17日(火) 実践報告、研究協議、講義「教育課程」 指導主事
(4) 6月14日(火) 講義・演習「カウンセリングマインド」、研究協議 横浜国立大学助教授 芳川玲子、 指導主事
(5) 7月12日(火) 実践報告、研究協議 指導主事
(6) 9月20日(火) 実践報告、研究協議 指導主事
(7) 11月29日(火) 講義・演習「教育相談」、研究協議 横浜国立大学助教授 芳川玲子、 指導主事
(8) 12月20日(火) 実践報告、研究協議 指導主事
(9) 2月14日(火) 実践報告、研究協議、報告書の作成 指導主事
(10) 3月14日(火) 所長講話、まとめ 所長、指導主事

 

◆司書教諭研修 開始時刻  15:30 会場は教育研究所

(1) 5月18日(水) 司書教諭の役割 外部講師、実践教諭、指導主事
(2) 2月3日(金) 図書館利用の教育課程への位置付け 外部講師、実践教諭、指導主事

 

◆情報教育担当者研修 開始時刻  (1)15:30、(2)9:00~16:00 会場は未定

(1) 日程未定 オリエンテーション 指導主事
(2) 8月17日(水)~19日(金) ネットワークの理解とセキュリティ等 外部講師、指導主事

 

◆登校支援担当者研修 開催時刻 15:30 会場は総合福祉会館4F会議室

(1) 4月20日(水) わが校の不登校対策他 公郷中学校教諭 川端久詩、 電話相談員、 指導主事
(2) 10月26日(水) 不登校事例研究 訪問相談員、 登校支援担当、 指導主事
(3) 1月25日(水) カウンセラーとの効果的な連携について 教育相談コーディネーター 仁村典子、 訪問相談員
登校支援担当、 指導主事

 

◆夏季研修

 夏季休業期間中に、教科・領域等(51講座)にわたり開講します。
 詳細は、6月中旬以降に各学校に配布する予定の「夏季研修講座案内」および「教育研究所ホームページ」をご覧ください。

 

◆理科研修講座
(1) 理科基礎技術講座   
 開始時刻 (1)(2)(3)15:30、(4)9:30、(5)10:00、(6)13:30、(7)16:00 

(1) 4月26日(火) 観察・実験基礎技術4~校庭の草花~ 指導主事 教育研究所
(2) 5月25日(水) 自然観察会~春の植物~ 植物研究家 八田羽榮一 観音崎公園
(3) 6月 8日(水) 観察・実験基礎技術5~安全指導と薬品管理~ 指導主事 教育研究所
(4) 7月21日(木) 身近な自然の教材化 五感教育研究所 高橋良寿 教育研究所
(5) 8月 8日(月) 自然観察会~海の生き物~ 千葉県立中央博物館学芸員 朝倉彰 走水海岸
(6) 8月12日(金) 環境学習と理科 横浜国立大学助教授 加藤圭司 教育研究所
(7) 10月26日(水) 観察・実験基礎技術6~身近な生物の観察法~ 指導主事 教育研究所

 

(2)小学校・中学校理科教材研究講座
 
開始時刻 (1)(2)(3)9:30、(4)15:30 会場は教育研究所

(1) 7月22日(金) 学校にビオトープを作ろう(全校種) 市博物館主任学芸員 大場信義
(2) 8月22日(月) 星や月(小4) 鷹取小学校教諭 礒口弘樹
(3) 8月26日(金) 水よう液の性質(小6) 小原台小学校教諭 長島智仁
(4) 11月 2日(水) webコンテンツを使った理科授業(全校種) (未定)

 

(3)科学教養講座
 開始時刻 (1)(2)13:30 (3)9:30 会場は教育研究所

(1) 7月22日(金) 日本のバイオスフィア「ミニ地球(閉鎖型生態系実験施設)」 (財)環境科学技術研究所
(2) 7月25日(月) プラズマエレクトロニクスへの招待 防衛大学校教授 中野俊樹
(3) 7月27日(水) おもしろ実験ゼミナール 中村理科工業スタッフ


(4)夏季研修講座 開始時刻 9:30

(1) 7月26日(火) 宇宙と生命(仮題) 宇宙航空研究開発機構助教授 黒谷明美 ヴェルクよこすか
(2) 7月28日(木) ゾウの時間、ネズミの時間(仮題) 東京工業大学教授 本川達雄 教育研究所

 

◆教育課題研修 開始時刻 15:30 会場は教育研究所

(1) 5月31日(火) 子どもがいきいきと学ぶ授業 国立教育政策研究所総括研究官 五島政一
(2) 6月28日(火) 横須賀の中1不登校について~小・中追跡調査をもとに~ 「不登校問題」研究員会 研究員
(3) 10月28日(金) 授業に生かす学校図書館 指導主事
(4) 11月29日(火) 小・中・高を見通したキャリア教育の推進 (仮称)青梅地区総合学科高校副校長 大池公紀
(5) 1月27日(金) 児童虐待とPTSD(心的外傷後ストレス障害) めだかメンタルクリニック院長 上村順子

 

◆教育相談研修 開始時刻 (4)14:00、他15:30 会場は総合福祉会館4F会議室

(1) 5月11日(水) 実践校に学ぶ不登校対策 *不登校対策(1) 武山中、衣笠中登校支援担当  
(2) 6月 8日(水) 学童期の子どもの神経症について 湘南病院副委員長精神科医 大滝紀宏
(3) 7月 1日(金) 楽しい学校生活・豊かな人間関係づくりを目指して 県立総合教育センター指導主事 米山成二
(4) 8月24日(水) 小学校低学年からの不登校予防*不登校対策(2) 国際学院埼玉短期大学教授 金子保
(5) 10月21日(金) 自閉的な傾向のある子への理解と対応~こだわり・パニックとの上手な付き合い方~ 国立特殊教育総合研究所 佐藤克敏
(6) 11月 9日(水) 不登校の子にグッと近づける、教師のためのカウンセリング講座  *不登校対策(3) 横浜国立大学助教授 芳川玲子
(7) 12月 2日(金) 自傷行為への対応~精神科医からのアドバイス~ 国立精神神経センター精神科医 松本俊彦
(8) 1月18日(水) 事例研究会「保健室で関わった気になる子ども」 横須賀市立学校養護教諭

 

◆情報教育研修 
開始時刻 16:00 (夏季休業中は9:30)、 管理職対象コースは10:00  会場は教育研究所

実務コース Windows基礎 5月10日(火)
イントラの活用とメール 基礎 5月17日(火) 応用 7月25日(月)     
ワード 基礎 5月20日(金)  5月24日(火)
エクセル 基礎 5月27日(金)  5月31日(火)  応用 7月27日(水)
パワーポイント 基礎 6月3日(金)   応用 7月28日(木)
ホームページ作成 基礎 6月7日(火) 応用 7月29日(金)   
授業活用コース 8月1日(月)  8月2日(火)
ホームページ管理コース 10月4日(火)  10月7日(金)  10月14日(金)  10月18日(火)  10月21日(金)
管理職対象コース 5月12日(木)  5月16日(月)  5月18日(水)  

講演会:「学校におけるITの活用」(仮題) 月日、講師未定 15:30~17:00

 

◆生徒理解研修 開始時刻 15:30 会場は坂本中学校体育館

5月20日(金) 不登校生徒・保護者に対する学級担任の接し方 山形県立上山高等養護学校長 花輪敏男

 

◆出前研修

学校の要請に応じて、学校訪問をして研修を行います。校内研修の企画の相談も受けます。

(指導主事:木屋・椿本・北原・吉川)

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相談セクション


教育相談

 

 

 


-16年度の相談統計まとめと特徴-
 

 平成16年度の相談実績は昨年度よりも大幅に増加しました。来所面接相談回数は308回増加して
1682回でした。少子化が進み、児童生徒数は減少していますが、子育ての悩みは逆に増えている現状がうかがえます。
 相談内容では、不登校に関する相談が101件882回と多く、相談件数全体の49%を占めています。16年度の特徴としては、軽度発達障害に関する相談が例年になく多かったこと、小学生に関する相談が多かったことがあげられます。
 学習能力に偏りがあったり、クラスの他の子どもとの関係がうまくいかない、落ち着きがなく暴力的な言動が目につくといった相談が多く寄せられました。
 こうした相談や個々の子どもへの支援は、学校との連携が不可欠です。相談機関と学校とが、共通理解をもって保護者や児童生徒に支援できるような連携ネットワークを構築することが大切です。また、直接指導、支援する立場の教員が、軽度発達障害に関する基礎的な知識や基本的な対応を更に習得していく必要もあります。 

 16年度の電話相談の受理件数は450件で、昨年度より104件減少しました。昨年度に引き続き電話相談受理件数は減少傾向が見られました。
 中学校全校にスクール・カウンセラーが配置されたことや小学校21校にふれあい相談員が配置されたことなど、身近に相談できる場所が増え、市全体の相談機能が充実し分散化が図られた結果であると考えられます。
 相談を内容別に見ると、家庭教育に関する相談が97件(21.6%)と一番多く、次いで身体・神経に関する相談94件(20.9%)となっています。電話相談では例年比率の高かった不登校に関する相談が減少しています。不登校の相談に電話だけで対応するのには限界があることから、相談者も相談形態を考慮した上で選んでいることがうかがえます。
 学校学級経営相談、Eメール相談、15年度から始まった訪問相談の状況については、「教育研究所・所報」をご覧ください。

 

(指導主事 下川 紀子)

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こくばん


 

  不登校を考える
教育研究所が取り組む不登校対策  

不登校対策を市の教育施策の最重点課題として取り組み初めてから1年が経過しました。年々増加し続けていた中学校の「病欠等を除く月7日以上の欠席者数」が、昨年9月よりわずかながら前年度を下回るようになり、各学校での取り組み成果が表れ始めています。しかし、何より大きいのは数値ではなく、先生方が日常の学校生活の中で、常にこの問題を意識してくださっていることが見えていることです。学年会や職員会議の中で、あるいは担当者研修や年次研修の折に、いろいろな形で話題にされ、より良い方法を模索されている様子に明るさが見えてきます。
 逆に、小学校において、わずかながら増加傾向が見えることについては課題を感じています。
 ここでは、今年度、横須賀市教育研究所として前年度より拡充したり新規に取り組む対策についてご紹介します。
 

◆訪問相談の活用
<訪問相談員の増員と勤務日数の倍増>
 中学校への訪問相談員を3名増員し、8名体制で訪問相談にあたります。また、月8日の勤務を16日に増やします。この結果、週に4日は訪問相談員を活用することができるようになります。
<校内での不登校生徒の居場所づくり>
 訪問相談員が勤務時間の前半や家庭訪問の予約のない時間を使い、校内で不登校の生徒に対応できるようにします。

◆校内での取り組みの推進
<生徒理解研修の実施>
 担任として、目の前にいる不登校の生徒への具体的な対処の仕方について研修できる場を設定します。  
<不登校の事例研修会(校内研修会)の推進>
 具体的な生徒の状況に応じた研修を推進します。そのため、必要に応じて校内研修会へ講師を派遣したり、指導主事が関わるなど、各学校のニーズに応えるような支援を工夫します。
<不登校対策指導資料の発行>
 「不登校対応事例集」を発行し、取り組 みの参考になるような資料を提示します。


◆保護者への支援
<ハートフルフォーラム充実>
 保護者向けの支援策として、年間2回講演会を実施し、その後の個別相談につなげるようにします。  
 
 教育研究所として取り組める不登校対策、支援については、日々、ご意見を伺いながら検討を加え、学校、児童生徒、保護者に提示していきたいと考えております。今年度も「月報」のこの場を通して、様々な情報を提供していきますので、ご活用いただきたいと思います。

 

(中山 俊史)

 

こくばん

 

◆たくさんの出会いを

 新しい学年、学級、学習のスタート、子ども達は新しい出会いに胸を膨らませているはずです。「ある人との出会い」をはじめとして、「ある言葉との出会い」「ある本との出会い」「ある場面との出会い」そして、「ある体験との出会い」…。そのことがきっかけとなって、自分の行動や考え方、人生観が大きく変わり、自分をいっそう伸ばすことができたり、新しい自分を発見することもあるでしょう。いろいろな出会いの場面を意図的に仕組んでいくのが教育活動ともいえます。子どもたちに、たくさんの出会いと交わりの場をつくっていきたいものです。

 

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更新日:2023年11月01日 21:42:16