No.149 ケンポナシ (H18.1.30)

撮影 H18.1.17 鎌倉市十二所
ケンポナシ(クロウメモドキ科ケンポナシ属)

 昨年の11月末、森戸川沿いを歩きました。夏緑樹はみな葉を落としてしまい、冬の装いになっていました。歩きながらふと空を仰ぐと、葉が落ちて明るくなった梢(こずえ)に、奇妙な形をしたケンポナシの果実が沢山さがっているのが目に入ってきました。注意して見ていくとかなりの株数が見つかりました。深緑の頃には気が付かないことでした。
 ケンポナシはほぼ全国に分布し、山地の斜面や沢沿いなどに生える落葉高木です。県内では箱根や丹沢山地を除いて分布しますが、三浦半島の南部では見られません。
 花期は6~7月で、枝先に集散花序を出し、淡緑色で径7ミリほどの芳香のある花を多数開きます。花弁や雄しべ、萼片は5個ずつで、花弁は旋回するようにつきます。
 花が終わると、花の柄が不規則に曲がりくねりながら伸び膨らんでいきます。そして、その先に、直径約7ミリの球形をした果実をつけます。冬に入って果実が熟す頃になると奇妙な形に太くなり肉質になった柄の部分は食べられます。甘味があって、熟れすぎたナシのような味がします。リスやウサギ等の小動物にとっては冬のよいご馳走なのでしょう。

 

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更新日:2023年10月11日 10:52:31