No.104 ハマゴウ (H15.10.7)

撮影 H13.10.7 初声海岸
ハマゴウ (クマツヅラ科ハマゴウ属)

 本州、四国、九州に分布し、海岸の砂地に生える落葉低木です。県内では三浦半島から真鶴半島までの砂浜に点在しますが、三浦半島以外ではたいへん少ないようです。
 茎は長く、いく本にも枝分かれしながら砂の上や中をはって伸び、根をおろしていきます。城が島や三浦市の砂浜では大きく広がった群落が見られますが、元をたどるとほんの数株なのかもしれません。
 伸び広がった茎の先からは、断面が四角形の枝が30センチほど立ち上がります。そこから出る葉は対生し、裏面には灰白色の軟毛が密生しています。
 7~9月、枝の先に円錐花序をだし、青紫色の花を多数つけます。花の長さは1.5センチほどです。秋になると直径5~7ミリの球形で、淡黒色をした硬い果実が熟します。
 株全体に香気があり、茎葉を線香や染料にしたり、果実を薬用にしたそうです。和名の出所は浜香で、それがハマゴウに転化したといわれます。

 

<「植物歳時記」に戻る

 

更新日:2023年10月12日 10:13:08