はじめに
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は じ め に
横須賀市教育研究所では理科教育を推進しており、子どもに携わる事業として、年8回開催される土曜科学教室や、夏休みに開催されるサイエンスサマーというイベントを実施しています。毎回、多くの応募があり、参加する子どもたちは目を輝かせて実験や観察に取り組み、たくさんの発見をしています。
この研究集録は、小学生・中学生が取り組んだ自由研究の中から、学校代表として選出された作品を集めたもので、本集録で第63集となりました。
自由研究とは、「不思議だな」、「やってみたいな」という思いをもとに、「もっと調べたい」、「もっとやってみたい」、「実現したい」 ことについてテーマを決め、じっくり取り組むことです。自由研究では、予想や仮説を立て、調べる方法を考えるなど解決への見通しをもち、 実際に観察・実験をし、結果を記録します。そして、結果をもとに考察し、結論を導いていきます。この一連の過程は、社会において求められる問題解決の力を身に付けることにつながります。
日本には多くの研究者がおり、様々な分野での研究が進められています。その中の研究には、「海底の調査に関する研究」があります。日本は四方を海に囲まれており、海底には未知の世界が広がっています。海の生き物、海流や潮の流れ、海底火山や地殻変動など多くの謎に包まれており、日々多くの研究者が解明に向けて研究調査を行っています。
“令和6年(2024年)10月、世界の海底地形名を定める国際会議において、日本提案の海底地形名10件が承認・登録されました。その中の1つ「仲海山(Naka Seamount)」は、JAMSTECに在籍した研究者である故・仲二郎氏に因んだものです。JAMSTECに在籍した役職員の名前に因んだ海底地形名は、堀田海山、小林海盆・海嶺地形区、デシャン海山、服部海山、井村海山群に次いで6例目となります。仲氏はJAMSTEC在籍中、主に有人潜水調査船「しんかい2000」を用いた海底火山調査に従事し、伊豆・小笠原弧、沖縄トラフ、ハワイ海域の海底火山の火山特性の解明に貢献しました。”(海洋研究開発機構JAMSTECホームページより一部抜粋)
海底火山を調べることによって、噴出物から潮の流れが分かります。また、火山付近で生息する生物を調査すると生命の誕生を知るきっかけになります。さらに、新たな島ができれば植物や動物の新たな生態系の成り立ちを調査することができます。
このように海底火山1つをとっても、多くの研究分野があります。しかし、調査研究の結果はすぐに分かるのではなく、1つの結果から新たな仮説が生まれます。研究成果を発表するまでには多くの年月と努力が必要です。研究で最も大切なことは「あきらめない」ことです。
小さな研究の積み重ねと新たな疑問や発見、解決に向けた観察や実験を繰り返すことで、謎が解き明かされていきます。また、自分一人では困難でも、さまざまな人との関わりの中で分かることや明らかになることがあります。今年、研究集録に取り組んだみなさんが、これから困難に出合ってもあきらめず取り組み続けることを願っています。
最後になりましたが、本研究集録の作成にご協力いただいた各校の先生方に感謝を申し上げますとともに、熱心に研究に取り組んだ多くの児童生徒のみなさんの努力に敬意を表します。
横須賀市教育研究所長 梅谷 尚子
更新日:2024年12月24日 09:00:00