月報 2001年度 3月号

 

平成14年(2002年)3月1日
編集発行・横須賀市教育研究所/代表・小山 雄二
E-mail: kenkyu@edu.city.yokosuka.kanagawa.jp

 

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巻頭


 

 

「自ら学ぶ」姿勢を
~研究所での教員基本研修の一年間~

 

廣瀬章教育長(当時)の講話や郷土史家の山本詔一氏の話があり、新任の職員として大きな期待を受けてのスタートとなった。平成14年1月22日(火)、23日(水)には、湘南国際村等で最後の校外研修を行った。宿泊を伴う生活の中で、実習やアイクル見学、人とのふれあい等いろいろな体験ができた。また、1年間の実践をお互いに提供しあい、課題や悩みの共有化ができ、教師としての新たな活力を生み出す機会となったようである。

 

◆横須賀市教育研究所では、子どもの教育に期待する願いに応え、21世紀を担う子どもたちの育成を期し、市内外の教育関係諸機関等とも連携を図りながら、時代を拓く先導的内容の研修講座を設定し、本市の教育関係職員に研修の機会を提供してきている。

 

◆平成13年度になり、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」(地教行法)が1部改正された。それに伴い、この4月からこれまで都道府県教委が国の補助で実施していた基本研修の権限が県から中核市に委譲されることになった。4月から横須賀市も中核市としスタートしたので、本市においても今年度から教育委員会が中心となり、教員の基本研修を行った。そこで、初めて研究所で実施した教員基本研修の1年間を振り返ってみた。

 

◆中期研修では、子どもの人権や教育公務員としての自覚・心構え・服務について、児童・生徒理解、学校教育を考える、学級・学年経営に関する問題について、レポートによるグループ討議を行った。更に11年次の社会体験研修では、ボランィアの意義と役割のテーマで講義を行った。講義者から日本赤十字社でのさまざまな体験談やエピソードがあり大変参考になった。そのうちの8名が民間企業等の事業所で2日間の社会体験研修を行った。学校以外の社会を体験し、その意義を肌で感じることができた等の感想があった。

 

◆教員基本研修は、教員の自主的・自発的な研修の意欲を基礎として、教員のライフステージに沿い、教職経験や職能に応じて、体系的・総合的な研修を行い、教育に関する専門職としての豊かな人間性と実践的指導力を獲得する等、教員の資質向上を目的としている。前期研修として、初任者・新採用教員と6年次教職経験者研修、中期研修として、11年次教職体験者研修、社会体験研修と16年次教職経験者研修、後期研修として、26年次教職経験者研修の6講座で、社会体験研修を除き、その年次の全員を対象に実施した。

 

◆後期研修は、人権・同和教育の推進について、教育の公務員としての服務等について、各自のテーマに基づいた班別研究協議会を行った。25年間の教師生活を振り返り、これから先の教師としての姿勢や生き方を考える機会となった等の声が多くあった。

 

◆現行の教員基本研修について答申は、講義形式による一斉授業が中心で、受身の教員が多い、内容や方法が画一化され、教員のニーズに応じた研修の機会が少ない等といった問題点を指摘している。教員研修の選択幅を広げる等、研究所でもより充実した研修講座を提供していきたい。また、今後も、教員自らが研修の必要性を感じ、「自ら学ぶ」姿勢で、意欲的に参加していただきたい。

 

 

(小山 雄二)

◆初任者・新採用教員研修対象者は19名であった。(校種別では、小学校教諭が14名、中学校教諭が5名)研究所を中心とした校外研修を30日行った。その第1回を平成13年4月3日(火)に「横須賀の教育」のテーマで行った。

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特集


 

今、学校では
~幼・小・中・高の職員室から~

 

カットは明浜小学校 黒岩弘明先生の作品です。

 

 

響き合いながら

 

 

もう一度原点に帰って・・・

 

諏訪幼稚園  教諭 高島 佳子

 

 

明浜小学校  教諭 小菅 哲也

 

 平成12年度より新しい幼稚園教育要領が前面実施になりました。幼稚園の教育目標として示されている『生きる力の基礎を育成する』という観点から、諏訪幼稚園では『人とのかかわり』を大切に日々の保育に取り組んでいます。
 併設している諏訪小学校・隣接している常葉中学校とのかかわりは、特色ある教育の一つです。
 小学生・中学生・先生・職員の方とのかかわりの中で「可愛いね。」「こんなに小さい。抱っこさせて。」などと、やさしく声をかけてもらったり、運動会やいろいろな行事に招待され触れ合う中で、園児・教師・保護者たちは多くの人から愛されて受容されいる事を肌で感じています。
 入園当初は、何でも自分が一番。思い通りにならないと大泣きしたり、挙を振り上げていた子どもも、いろいろな人たちとのかかわりの中で相手の気持ちを感じとる体験を積み重ねていくことができます。また、同年齢の友だちや教師と共に生活する中で、うれしさや楽しさ・悲しさや寂しさなど様々な感情を体験しながら少しずつ自分の気持ちをどうすればよいのかという事が分かってきます。
 そこで私たちは、子どもが自ら感じ・気づき・考える事のできる場面を逃さず捉え、様々な感情を共有する中で信頼感が深まっていく事を実感しています。

これからも、子ども・教師・保護者・子どもをとりまく周りの人たちと心が響き合う中で、自分を大切にできる子・友だちも周りにする人も大切にできる子どもの育成に努めていきたいと思っています。この事が今、幼稚園教育に求められている幼児期にふさわしい道徳性の涵養へとつながっていくことと思います。

 

 「つかめ!宇宙一のチームワークと史上最高の思い出と感動を」-4月の初め子どもたちと作り上げたクラス目標。卒業を目前にひかえた今、あの日のあの時の熱い出来事が頭の中を駆け巡ります。中でも、忘れることが出来ない『美と力のハーモニー』(組体操)への挑戦。校庭の広さに押しつぶされてしまうマスゲーム、何度やっても成功しないサボテン・やぐら、沈没寸前の黒船、総入れ替えの危機に立たされた明浜タワー・・・。何度も何度も訪れるピンチを、”ジャパニーズ・ドリーム”の実現をめざして、励まし合い、教え合い、支え合い、前向きにひたむきに乗り越えてくれた子どもたち。「チームワークでは絶対に負けたくない」「一人一人がもっと強くならないと・・・」「明日は何もかもが思い出に変わってしまう・・・」、一人一人の体育ノートには、当日の演技の何十倍ものドラマが綴られていました。
 新教育課程、総合的な学習、家庭や地域社会の多様化・・・今、教育を取り巻く環境は大きく変わってきています。しかし、いつの時代でも、子どもたちは、切磋琢磨しながら友達と心を一つにして挑戦する楽しさを求めているのではないでしょうか。いつの時代でも、子どもたちは、目の前に立ちはだかる大きな壁に力一杯挑み、それを乗り越える喜びを求めているのではないでしょうか。そして、いつの時代でも、子どもたちは、夢・目標に向かって突き進む爽快感を求めているのではないでしょうか。
 「時代がいかに変わろうと、教育の本質は変わらない」、流されることなく、乗り遅れることなく、今こそ、もう一度原点に帰って、子どもたちと共に歩んでいきたいと思います。

 

 

学校・教師不信を越えて

 

 

今時の、そしてこれからの高校生

 

久里中学校  教諭 中出 雅裕

 

 

商業高等学校  教諭 永田 美恵子

 

 「私は学校を信用していませんから」と、保護者の方から言われたことがありました。教師や学校が世間の批判の対象になってずいぶんたちました。「こんなに子どものことを思い、こんなに一生懸命頑張っているのに」と言葉に出したくてもぐっとこらえて日々の実践に励んでいるのが実情ではないでしょうか。
 たしかに、世間からの様々な厳しい目には、それなりの根拠と理由があり、きちんと受けとめるべきは受けとめ、しっかりと襟を正さなければいけないことは多々あると思います。「今まで許されていたから」とか「教育という仕事はちょっと特殊だから」では通用しなくなってきています。
 しかし、だからといって、教員としての志や理想、良心までもが萎縮してしまっては元も子もありません。教育に対して社会的関心が高まるのはある意味では時代の必然ではないでしょうか。
 戦後、校舎もない、机も椅子もない、教科書・ノート・チョークもない中、教職員は、日本の現状や世界に目を向けて、理想に燃えて教育活動をすすめてきました。そして、今日までさまざまな試行錯誤を繰り返して現在の教育があります。
 「いじめ」「不登校」等、課題は山積しています。だからこそ、私たちが存在する意義があるのではないでしょうか。世間の批判を私たちに対する期待の強さのあらわれととらえられないでしょうか。先日、テレビで、アフガニスタン難民がブルーシートで囲われた中で授業をやっていました。アフガニスタンの現状には目をおおうばかりですが、私たちも同じ教師として自由で責任ある主体性のもと、精一杯元気を出して教育実践に取り組んでいきたいものです。

 
 

 「高校生らしい」に続く言葉は、かつて「清潔な」でしたが、今やこの相関関係は薄れていて、茶髪、化粧、ルーズソックスなどが今時の「高校生らしさ」を表す言葉になってきています。先日もスカートの下に半ジャージといった奇妙なスタイルの生徒に、「なぜそんな格好をするの。」と聞くと、「今しかできないから。」という答えでした。刹那主義とも思える生き方は、一体どこから来ているのでしょうか。
 日本が高度成長期にあった頃は、今、我慢して将来に備えるのが基本的な姿勢でした。高校生活も後半になれば、遊びを我慢して受験勉強に励みました。偏差値の少しでも高い大学に入れば、それだけ安定した生活が約束されると信じていたからです。商業高校や工業高校には、たくさん求人が来ました。まじめに努力し、よい成績を取れば、大企業にも就職でき、定年まで働くことができました。努力は目に見える形で報われていたのです。
 今では、産業構造の変化から大企業でも倒産する時代です。大卒者の企業への応募はオープンエントリー方式の拡大で、卒業大学名に以前ほどの価値が見いだせなくなっています。また、経営環境の悪化から、非正規従業員を増やす方向にあることを考えると、高卒者への求人の回復は見込めず、将来への希望が持ちにくくなっています。
 最近の高校生は学習意欲が薄れていると言われますが、上記の理由と無関係ではないでしょう。これからは、学習の動機を外に求めるのではなく、個々の生徒の内面から引き出し、本来の学ぶ意義につなげていく事が重要かと思われます。新教育課程が実施される中で、私たちにも発想の転換が迫られています。

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相談室


 

 

 

<子どもとともに>

 

-通知表をめぐって-

教育相談室

◆学級担任の対応に不満を感じて相談に訪れる保護者の多くは,その問題について教師と十分話し合うことなしに,腹を立てていたりするものです。コミュニケーションの不足が誤解を招いていることが多くあります。教師からのちょっとした声かけや気遣いがあれば,回避できるトラブルはたくさんあります。通知票をめぐる様々な問題もそのひとつです。

 

◆Aさんのお母さんが,小4の娘の通知票を手に,暗い表情で相談に訪れたのは半年前のことです。見せられた通知票の所見欄には「集団行動ができません。」「指示による視写はできますが自発的な文章表現はできません。」などのことばがありました。Aさんは発達に遅れがあり,軽度の自閉的傾向もあるので周囲の音や刺激に敏感で,こだわりも強く,周りの人とコミュニケーションをとることが苦手です。お母さんは,Aさんが同級生と同じようには勉強や運動や学級活動ができないことは十分理解しています。お母さんは,「子どものできないところをたくさん指摘されても,親はつらいばかりです。そんなことはわかっているのです。形には表れなくても,大勢のお友達の中できっとAなりにいろいろなことを勉強していると思うのです。」と訴えました。

 

◆担任の先生にお会いして話してみると,Aさんの発達段階に合った学習指導を丁寧に行い,少しずつ能力を伸ばそうとしている教育熱心な先生でした。特殊学級の担任をしている友人から自閉的な傾向のある子どもの指導について助言してもらいながら,限られた時間の中でAさんに個別指導を試みていました。通知表の所見欄の「~ができない。」という否定的ともとれる表現には,無意識に先生自身の達成すべき目標が示されていたのでしょう。私との話で,すぐに保護者の心情を理解してくれた先生は,日々のちょっとした活動の中でAさんの成長が見られた点やクラスの友達とのふれあいを,機会を見ては伝えてくれました。その結果,お母さんの気持ちが安定し,担任に大きな信頼を寄せるようになりました。

2学期の通知票には,Aさんの伸びたところが明確に記され,更に努力してほしい点が書き添えられていました。

 

◆不登校のBさんは,中学生になってほとんど学校へ登校していません。特に2年生になってからは,担任の先生からの電話にも出られず,訪問を受けても,部屋にこもって玄関に出ることはありませんでした。担任の先生はBさんの顔を一度も見たことがなければ話をしたこともありません。1学期の通知票の評定はオール1,所見欄は空欄でした。評定はともかく,所見欄に何か一言書き添えてあげられないものか,と考えさせられます。子どもが大人になるまで通知票を大切に保存している家庭は多いものです。教師にとっては,大勢の児童・生徒に手渡す通知票の中の一枚でも,本人にとっては人生の節目の大切な記録であるはずです。

 

◆不登校の子どもの通知票の受け渡しには,苦労している先生が多いと思います。子どもの代わりに保護者が学校へ来て,スムーズに受け渡しができる場合はいいのですが,中には1学期末に届けた通知票がずっと家庭にあって,2学期の終わりに慌てて取りに行くといった話をよく聞きます。
本来通知票は学校で手渡されるものですが,子どもが不登校になって長くなると,保護者の気持ちも学校から疎遠になるようです。時々は家庭訪問をしたり,保護者に学校へ来てもらって,日頃から意思の疎通を図っておくべきだと思います。

 

◆評価をめぐっては,子どもや保護者の立場になり,よくわかる具体的なことばを選び,次もがんばろうというやる気や励みになる表現を工夫してほしいと思います。一人ひとりの子どもの力をどう捉えているのか,どのような力を身につけさせたいのか,子どものどこが伸びたのか,何をどのように評価したからそうなったのか,学級担任として子どもや保護者にきちんと説明できるようでなければいけません。また,通知票の取り扱いにも十分注意してほしいところです。

(教育相談室直通電話…34-9308 下川 紀子)

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図書室・資料室


 

図書の紹介
-新しい教育課程-
-教育相談・教育論-

 

・ 小学校第1~6学年の絶対評価規準

小島 宏雄 明治図書

 

・ 小学校改訂指導要録の解説と記入例
・ 中学校改訂指導要録の解説と記入例
・ 高校改訂指導要録の解説と記入例
工藤 文三 明治図書

 

・ 教科書単元別 到達目標と評価規準
日本標準教育研究所 日本標準
平成14年度用使用予定教科書毎に、小学校国語・社会・算数・理科を所蔵しています。

 

・ 中学校新数学科の授業モデル(1)~(4)
長崎 栄三 明治図書

 

・ 情報活用の教育
柄山 正樹 清水書院

 

 

・ イギリスのいい子 日本のいい子
佐藤 淑子 中央公論新社

 

・ 階層化日本と教育危機
苅谷 剛彦 有信社

 

・ 保健室はなぜ居心地がいいのか
金子 由美子 学事出版

 

・ 学校に行かなければ死なずにすんだ子ども
石坂 啓 幻冬舎

 

・ 学校事件
下村 哲夫 ぎょうせい

 

学校における子どものメンタルヘルス対策マニュアル
  日本小児精神医学研究会 ひとなる書房

 

・ VLFによる思いやり育成プログラム
渡辺 弥生  図書文化

 

(図書・資料研究室直通電話…TEL36-2418・一栁 直行)

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  理科・環境教育


 

 

 3月になりました。各学校では卒業式に向けた準備等で,あわただしい毎日をお過ごしのことでしょう。さて,先月の3日に文部科学省が,土・日曜日の子どもたちの体験活動の場の提供などについて,学習塾側に協力を要請する初の協議会を都内で開いたというニュースが流れました。その中で,「過度な塾通いは問題」としながらも,「自然体験,理科実験充実への協力」や「学力向上への助言」を求めたということでした。最近では科学実験を取り入れた授業に取り組む塾も増えてきているとのことです。学校教育における理科授業のあり方を,今一度考えてみることが必要ですね。

 

★ 各学校における地学領域の学習に有効活用していただけるようにと,現在理科研究室では 『三浦半島の地層・地質』について研究所のホームページでの情報提供に向け,準備中です。「ここに露頭が見られる。」など,学区等の中で地質・地層に関する情報がございましたら,理科研究室・山岸までお知らせ下さい。
 理科室・実験器具の整備と点検をしていただくことを,毎年この時期にお願いしております。薬品の補充や破損器具の修理等について春休み中に済ませるなど,新年度の授業が円滑にスタートできるようにしておきたいも
のです。また,学校周辺の自然環境についても調査しておくことが大切でしょう。

 

 

わかる,楽しい理科授業をめざして
 いよいよ来月から新教育課程が完全実施となります。今回の改訂では従来よりも内容が3割削減されたことが注目されています。理科においても,これまで扱っていた内容を扱わなくないる授業時数については3割も削減されていません。これは,1単元にこれまでよりも時間をかけ,子ども主体の問題解決的・体験的な学習を保障しながら,学習内容をどの子どもたちにも確実に定着させる,わかる,楽しい授業を展開するためです。これまで,教科書に書かれている内容をどのように教えるか,いかに効率よく教えるかに主眼をおいた授業研究を行ってきた傾向はなかったでしょうか。その結果,単なる知識の伝達者になってはいなかったでしょうか。私たちは,授業で子どもたちに身につけさせるものは何か(ねらい)を明確にした上で授業を考えなければならないはずです。  ところで,総合的な学習への取り組みが始まってから,「子どもたちが自分で課題を見つけられない。」と嘆く先生方の声を聞きます。ちょっと待ってください。では教科指導の中ではどうだったのでしょうか。子ども自らが課題を持って取り組む授業は,総合的な学習に始まったことではありません。これまでの教科指導でも求められてきたことです。教科や単元のねらいを明確にした上で,子ども主体の問題解決の授業を展開することを私たち教師が本気で考えなければいけないときです。ある程度の学歴を持っている人であれば誰でもできる知識の伝達者ではなく,教師として子ども自らが確実な力を身につけるためのわかる,楽しい授業を追求することが大事です。教育研究所における理科研修を今後も有効に活用していただき,子どもたちがわかった,楽しいと実感できる理科授業を展開してあげてください。

(理科教育研究室直通電話…TEL 36-6104 小田部英仁)

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情報教育


 

 

 小学校ではPC室が整備されてから,コンピュータを利用した授業が増えてきました。コンピュータに慣れる授業から,インターネットを利用した調べ学習も始まっているようです。
 ここで,なぜコンピュータを利用して授業を行うのか,何のためにインターネット等を利用するのか,もう一度考えてみたいと思います。

 

 「コンピュータなんて使わなくたって授業はできる。」という声を聞きます。
 その通りです。コンピュータを使わなくてはできない授業はないと思います。
 それでは,なぜコンピュータを使って授業をするのでしょう。それはわかりにくい内容をわかりやすくできるからです。例えば,星座の動きを時間を変え,場所を変えて映像で見ることができます。また,覚えにくいことも覚えやすくできるからです。例えば,ゲーム形式で繰り返し楽しく学習することができます。そして,子どもたちの学習の成果をまとめ発表し,さらに学習内容を深められる可能性があるからです。
 発展的には,今まで難しかった他校の子どもたち,他地域の人々との交流が,テレビ会議システムや電子メール等を利用して,比較的容易に日常的にできる可能性があるからです。
 授業には目標(目的)があります。その目標を効率的に,効果的に達成させるツール(道具)として,コンピュータはあります。
授業の目標(目的)を明確に把握して,よりよい授業を創り上げていくために,コンピュータやネットワークを積極的に活用していきましょう。
 子どもたちのパソコンに向かう楽しそうな表情,真剣なまなざしが,多くの授業で実践されていくことを期待しています。

(情報教育研究室直通電話・・・TEL37-1338・小谷 孝夫)

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研修案内


 

基本研修
平成14年度の方向性

 

● 初任者研修
 大学の教職課程で取得した理論と実践をつなぐ初任者研修は,本市の場合,趣旨が十分に理解され,円滑に実施されています。次年度の校外研修は,参加型,体験型,課題研究・討論等の研修内容を更に充実させ,校内研修との有機的な連携を一層保つよう計画します。
 なお校内研修の記録(初任者自身の記録と指導教員の記録)は,5年間保存されますから,近隣の学校どうし情報交換をすることも可能です。

 

● 6年次研修
 教科・領域の実践的な指導に関することを主軸に,各学校の協力を得て2回の授業研究を実施しました。また,社会人としての自覚,人権・同和に関する講座等,幅広い内容でした。次年度は更に,情報機器の活用という視点からも講座を考えています。

 

● 11年次研修
 新採用から10年経過した11年次研修は,特に充実したい研修です。今年度は,人権や服務に関する講話,討議を中心に実施しました。また,社会体験研修には,8人の先生が2日間の事業所体験を実施し,多くの成果を得ました。
 総合的な学習の時間等で学校外部講師を招いたり,子どもが職場体験を実施することの多い昨今です。学校を開くという学校運営上の効果や対人関係能力の向上,意欲の向上,指導力の向上,視野の拡大をめざし,次年度の研修は,社会体験を主眼とする方向で考えています。

 

● 16年次研修
 今年度は服務,社会理解,児童・生徒理解,児童・生徒指導という幅広い分野の研修を実施しました。次年度は,中堅職員としての自覚,および新学習指導要領実施に際して自らの課題やニーズにあった研修が実施できるよう,講座の選択も含めて見直していきたいと考えます。

 

● 26年次研修
 人権・同和教育を軸に実施いたしました。また,実践交流という点でも,充実した研修ができました。次年度も同じ方向性で考えていきますが,さらに,今日的課題への対応という視点も含めた研修を計画します。

 

(基本研修担当 中山・木屋)

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こくばん


 

教育相談
-多動な子どもたちへのアプローチの研究-

研究会では,昨年度より上記のテーマに基づいて調査研究を行ってきました。昨年度は本調査のためにプレアンケートを実施しました。その調査結果より考察し,プレアンケート内容に修正を加えて本アンケートを作成しました。今年度の本アンケートでは担任だけに回答をお願いしました。
 アンケートの対象の子どもは公立幼稚園,小学校,中学校の通常学級に在籍する34,101人で,合計432人についての回答をいただきました。
 アンケートの結果から,(1)学年により共通の傾向が見られること(2)男女の数が大きく違うこと(3)幼稚園児からすでに集団生活の悩みを持っていること,などの特徴が見られました。今年度まとめた紀要の内容は次のようになりました。


1 調査の経過とねらい
2 調査の方法
3 結果と考察


1プレアンケートの結果を考察して
2アンケートの結果を考察して

〔1〕幼稚園児について
〔2〕小中学生について


 ・「多動」「衝動」「不注意」「その他」の項目について
 ・各項目をクロスして
 ・要因と思われる特別な出来事との関係
 ・教師の考える原因
 ・出欠席の状況との関係
 ・効果があったこと,教師の悩み
 ・特色ある項目
 ・中学女子の傾向と情緒


4 多動な子ども達へのアプローチについて
5 まとめと今後の課題


現在,担任が抱えている気になる子どもの課題が浮き彫りにされていると思います。詳細については新年度に配布される紀要をお読みいただきたいと思います。アンケート調査へのご協力,ありがとうございました。

後藤 郁子(鶴久保小),加藤 浩(野比小) 関本 富美子(長井中),池永 直之(大津中)
(学校学級経営相談室 小田切 武夫)

 


教育研究所教育相談室移転のお知らせ
 

 4月1日より,教育相談をより充実させるために,教育相談室の機能を横須賀市立総合福祉会館4階の横須賀市青少年相談センター内に移転することになりました。
 このことにより,学童・青少年に関する相談サービスを総合的に市民の皆様に提供できるようになります。

移転に伴い「子どもの問題電話相談」も青少年相談センターの「ヤングテレホン横須賀」と同一の電話(26-1177)で相談を受けることになりました。
 なお,学校学級経営相談室も青少年相談センター内に移転します。電話番号は未定です。
 今後も子ども・保護者・教職員の皆様の教育相談をお受けし,一緒に考えていきたいと思います。

 

 

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更新日:2023年10月31日 20:39:20