月報 2001年度 2月号

 

平成14年(2002年)2月1日
編集発行・横須賀市教育研究所/代表・小山 雄二
E-mail: kenkyu@edu.city.yokosuka.kanagawa.jp

 

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巻頭


新教育課程の完全実施とこれからの学校を考える

◆平成14(2002)年4月から小・中学校では新しい学習指導要領に基づく授業がいよいよ全面実施となる。完全学校週5日制が私立学校を除き、国公立全ての学校で開始される。明治5(1872)年の「学制」が「第1の教育改革」とすると、第二次大戦後の昭和22(1947)年の新学制は「第2の教育改革」であろう。そして、今回の新しい学習指導要領の開始と完全学校週5日制の実施は、まさに「第3の教育改革」であり、教育界にとっては、本年が「教育元年」の始りでもある。

 

◆現在の学校教育では、不登校、いじめ、学級崩壊などの現象に見られるように、教育の課題も少なくないが、新しい学習指導要領で学校教育が変わることの期待は大きい。

 

◆学力低下が指摘され続ける中、平成13年(2001)年12月に「生きる力」を測ろうと、経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査の結果が公表された。世界32か国の15歳を対象に行われてこの調査では、数字が参加国中1位、科学が2位だった。一昨年の末、別の国際比較調査が実施された。それは、国際教育到達度評価学会(IEA)による、数学・理科の知識・技能の定着を測る学力調査である。中学2年生を対象とした調査の結果では、数学が5位で、理科が4位であった。どちらの調査からも、日本の子どもたちの学力はおおむね良好だそうである。しかし、安心はできない。読解力では、レベルの高い子どもの割合が欧米と比べて少ない。宿題や自分の勉強を最もしていないなど課題も多くだされている。

◆新しい学習指導要領では、基本的・基礎的な学習内容の定着が重要とされる。子どもたちが授業内容を確実に身に付けることができるよう、分かりやすい授業を展開し、一人一人を大切にしたきめ細かな指導が要求される。具体的には、理解の状況や習熟の程度、興味・関心などに応じて個別指導を行ったり、グループ別に学習したり、複数の教師で授業を行う、ティームティーチングを実施するなど、個に応じた指導の充実が期待されている。

 

◆「総合的な学習の時間」では、名称も各学校で決め、ブロック制やモジュール制などを弾力的に考えた時間割を組んだり、カリキュラムを工夫したりして、自ら学び、自ら考える力の育成、学び方や調べ方を身に付けることをねらいとした授業が展開される。

 

◆いくら素晴らしい改革を進める担い手は教師である。新しい時代での、教師自身の変革が不可欠である。教師自身の変革は、自らの教育実施を通して初めて可能となる。それゆえ、教師が教科内容に関する専門知識とその指導法、さらには子どもを理解する力などに加えて、自分自身を変革していく能力が今、求められている。

(小山 雄二)

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特集


 

コンピュータを生かした授業
~コンピュータの活用~

 

カットは明浜小学校 黒岩弘明先生の作品です。

 

苦手意識のないコンピュータ学習

 

 

箱の向こう側だけでなく

 

大矢部小学校  教諭 松本 剛

 

 

小原台小学校  教諭 川合 節子

 

 昨年12月から新しいコンピュータが各小学校に配置されました。今までのノートパソコンで学習した記録に関しては、本校の5、6年生全員が個人フロッピーを所持し、学習ソフトの記録、ローマ字入力したワープロでの記述など、保存した個人データは、自分で管理することを指導してきました。
  新しいソフトの中には、1年生から使えるローマ字の練習ソフト「ケンチャコ」があります。アルファベットの書き方、発音など、ゲーム的な一面をクリアすればカードがもらえ、自分の記録をフロッピーに保存し、次回は続きから始めることができます。もう、カードを100枚ゲットする子どもも現れてきました。知らぬ間にローマ字入力での検索に抵抗がなくなったようです。
 さらに、算数のソフト「マルチアキンドウ」は学年ごとの学習ではなく、バーチャルの町でお店を訪ねアルバイトをして貯金をふやすゲーム感覚、「たこやきやはどこ?」「ケーキ屋は?」と情報交換をしながら歓声をあげていました。
 「一太郎スマイル」は学年での設定をすれば、低中高学年で習う漢字までしか変換されず、部品も豊富で、前に一太郎8で作成した文章に自分の気に入ったカットを入れ、自分らしく編集したことが、中学での「一太郎ジャンプ」に結びついてくれればと思います。

 一見難解に見えるような問題も、視点を変え工夫することで、それが興味の対象となってくることを子どもたちは経験しています。卒業まであとわずか、中学生になっても、メディアミックスの一つであるコンピュータを道具として活用し、自分の世界を広げていってもらいたいと思います。

   「こんなに桜が咲いているんだ。暖かそうだね。」1月3学期が始まったばかり。沖縄から送られてきたメールの写真に「テレビのニュースでも見たよ。」といいながら前の日に写したという数枚の写真に歓声を上げた子どもたち。ストーブをつけた教室で子どもたちが見ているのは、薄着で公園を散歩している沖縄の人たちの写真。そして、1月の沖縄の人たちの生活についてのコメントも付いていました。
 「箱の向こうに人がいる」そう聞いて、「おもしろそうだな。」と始めたコンピュータ。でもそのころは、必要な情報を持っている人に出会うにはとても時間がかかり、一生懸命捜して、やっと出会えて得た貴重な情報でした。それが、5年前のこと。でも、そのときの子どもたちの様子が、私を「もっとコンピュータでいろいろなことができないだろうか」とかきたてた要因のような気がします。
 その後、学校のパソコンにふれる機会もふえてきて、担任がいろいろな手順を説明しなくても、子ども同士で教え合い、先生役をしてくれる子も何人かでてきてくれました。「おもしろいのできたね。それはどうやったらできるの?」「こんなことはできないのかな」「試してみたらこうなったよ」等々、箱のこちら側にも今までにない子どもたちの交流がたくさんできていました。
コンピュータという箱だけがネットでつながるのではなく、人と人がつながるからコンピュータはおもしろい。子どもたちだけでなく自分自身にもそれがいえることに、今さらながら気づき、その良さを伝えていけたらと思っています。

 

『原始家族インターネットと出会う』

 

 

「北風」の指導・「太陽」の支援

 

池上中学校  教諭 栗原 裕

 

 

大楠中学校  教諭 森野 和昌

 

 ここ2年間、家庭にコンピュータが普及している実態を生徒のアンケートから探っています。PCの保有64%(うちインターネットへの接続可能58%)、TVゲーム機の保有95%、家族の携帯電話保有94%(本人所有26%)、メールの送受信体験39%でした。インターネットを使ってやりたいことの上位は、ホームページを見る・チャット・電子メール・ショッピングを挙げ、意外に低いのがホームページの公開でした。学区により多少の差はあると思いますが、子どもたちを取り巻く環境はこのように進んでいます。
 そこで大切にしたい学習を次のように取り組みました。まずホームページの閲覧は「情報検索」で使われますが、見過ごしがちな落とし穴を説明しました。電子メールはPC教室での疑似体験を通して全員に履修させ、ネチケットやマナーを学習しました。また著作権情報センター作成ビデオ「悟空の著作権入門」を見せ、消費者教育支援センターのホームページを活用しました。
 まとめとして教育研究所作成CD「原始家族インターネットと出会う」(ホームページでも見ることができます)を使い、インターネット全般と「情報モラル」について十分に教え込みました。これは子どもたちがインターネットを活用する際に気をつけなければならないことが要約されているとても良い資料です。
 情報社会に生きる現代の子どもたち、短い時間の中で展開された内容に充分理解できなかった者もいたようでしたが、繰り返しいろいろな場面で体験させることが大切ではないかと思います。今後も小・中・高の連携を取りつつ、情報に飲み込まれない子どもを育てていきたいと思います。

 

 

 「顔を上げなさい」と言うまえに、自然と顔が上がるような教材を用意したか、「おしゃべりが止まらない」と嘆くまえに、誰もが集中できるような学習環境が整っているか、わたしたち教師が授業を始めるまえに、意識しなければならないことは、まず、そのことではないでしょうか。
 つまらなくても、わからなくても、「顔を上げて先生の話を聞きなさい」という指導も時には必要かもしれません。しかし、子どもたちにとってそれは苦痛以外の何ものでもありません。
 知的探求心を持たない子どもは誰もいません。「新学習指導要領」でも認知面だけでなく、情意面も大切な学力であるといわれています。
 学習内容に興味・関心を持ち、主体的に取り組もうとする態度を育てるには子どもたちにそういった気持ちを起こさせる動機付けが必要です。自分は数学科の教師ですが、数学は本来、抽象的な概念を扱う学問です。それを数式化したり、図表化するなどの、具体的でわかりやすいものに変換することが要求されます。そのためには、その操作が手軽に、しかも正確にできる道具としてコンピュータは必要不可欠なものであると思います。学習課題を効率的にわかりやすく提示するための演示用具として、また個を大切にした主体的な学能力の育成のためにもコンピュータの活用が期待されます。
 コンピュータは子どもたちにとって面白い道具です。確かに冷たい機械かもしれませんが、その活用法さえ誤らなければ、「わかりたい」という子どもの願望を確実に叶えてくれる「太陽」の暖かさを持った「支援者」に他なりません。

 

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相談室


 

 

 

<子どもとともに>

 

-今年度の相談を振り返って-

教育相談室

◆21世紀の最初の年度も残すところ2ケ月となりました。全国的な子どもに関わる事項を振り返ってみると,今年度は大阪池田小学校の児童殺傷事件から学校の安全が問われました。また,大学生の学力の問題から日本の子どもの学力が問われることもありました。児童虐待については昨年度に引き続きその問題の深さが取り上げられ,不登校の子どもの人数も13万人に達したことが報道されました。

 

◆21世紀の最初の年度も残すところ2ケ月となりました。全国的な子どもに関わる事項を振り返ってみると,今年度は大阪池田小学校の児童殺傷事件から学校の安全が問われました。また,大学生の学力の問題から日本の子どもの学力が問われることもありました。児童虐待については昨年度に引き続きその問題の深さが取り上げられ,不登校の子どもの人数も13万人に達したことが報道されました。

 

◆そういった中で今年度の相談を振り返ってみて,相談内容の多様性を感じました。今年度の私の相談では小学生,中学生の不登校の相談が占める割合が例年通り多かったのですが,その内容が学校生活や子ども自身に直接関係しているだけではなく,その根本にまで目を向けると,学校教育の範疇を越えたところ,つまり家庭の置かれている社会環境等に突き当たるのを感じました。
 また,小学校からの相談で多かったのが学級内での多動や乱暴な行動,そして教科学習が理解できないといった学力面に関するものでした。これについては,マスコミ等でLDやADHDの情報が得られるようになったことから,そういった傾向にある子どもととられがちなのですが,子どもの育っている環境からくる情緒面の不安定さや,教師の思いこみ,学級経営力,教科指導力にも影響されていると感じました。

 

◆さらに今年度は教育研究所での来所相談ではなく,学校に訪問して担任や保護者の相談を聴くという形の相談が例年になく多くありました。これはそれだけ学校内で相談したいケースが多くなったことによるものだと思いますし,教育研究所まで来所する時間を先生方や保護者がとれないということの現れだとも思います。

◆相談を受けるにあたってその基本にあるものは,相談をする者と相談を受ける者との間に生ずる「信頼感」を大切にするということだと思います。「子どもや保護者との信頼関係を築くことが問題解決の糸口になる。」ということはよく聞かれることですが,この「信頼感」がここ10年来変わってきているように思われます。

 

◆北海道大学大学院教授の山岸俊男氏(社会心理学)の人間に対する信頼の背後に何が必要かを考える研究(「信頼研究」)によると,「民主主義や自由経済という現代社会のシステムは他人への信頼感を前提に成り立っている。信頼が崩れてしまうと社会不安を招きかねない。」と述べられています。
 そして,日米の他人への信頼度の比較として,「たいていの人は信頼できる」という問いに対して,「はい」と答えた人の割合がアメリカ人が47%に対して日本人は26%だったそうです。(統計数理研究所調べ)。
 自己中心的に物事を考え,振る舞う人間が増えることによって社会全体の信頼感は薄れてしまうわけです。

 

◆今年度の私の受けた相談を振り返ってみて,その内容の多様性と共にこの「信頼感」がキーワードになっていると感じました。大人社会の信頼感の希薄化が,学校をはじめとする子ども社会にも影響を及ぼしていると思います。子どもは大人の背中を見て育ちます。自己中心的な考えの子どもや他者との関係を上手に持てない子どもが増えているのは,そういった大人が増えているということだとも言えると思います。

 

◆子どもの「信頼感」を育むことが,現代の学校教育で生じている多様な問題を解決する一つの手だてになると思います。悩みを持った子どもや保護者が相談することによって自己の悩みを解決できた時に「信頼感」が生まれると思います。そういった意味で「学校教育相談」の重要性を振り返って考える一年でもありました。

(教育相談室直通電話…34-9308 北村耕一)

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図書室


 

教育史資料室


【写真に見る横須賀の教育の歩み 2】
マンモス学校時代

 

 子どもの数が減ってきて、教室が余っている現在からは、およそ想像できないことではあるが、横須賀市では、戦前・戦後にかけて慢性的な教室不足が続き、多くの小学校で二部授業が行われていた。
 また、昭和30年(1955)頃、中学校では不入斗中・坂本中・田浦中などが、3,000人からの生徒を抱える”マンモス校”の苦悩が続いていた。
 なぜ横須賀市では巨大化した中学校ができてしまったのか。
 初代教育研究所長で、この当時は教育次長であった鈴木政平は、『随想 新教育十年の行政』と題した一文を「南神新聞」(注:当時、市内で発行されていた日刊紙)に寄せた。(昭和35年9月)

 

 幸いに旧兵舎をもらった不入斗・坂本・田浦が、比較的ボウ大な建物をもつことができたので、増加して行く生徒を収容するに事欠けなかった。それでふくれあがって、現在のような巨大なものになってしまった。今や遥かに限界を超えつつある。
 ・・・・・今年(注:昭和30年)、不入斗中が2,943人、田浦中が2,616人、坂本中が2,472人。市内12中学校の生徒数が、14,442人だったから、この3校だけで、全市中学生の半数を超えていた(注:55.6%)。その一方で、300人に満たない学校も2校(注:鴨居中、武山中)あった。

 

 この3校の分割は緊急の課題であった。さらに、馬堀中の1,560人、池上中の1,470人を加えると、この5校で全市の77.5%、4分の3以上の生徒を占めていたのである。

 

□ 生徒数が3,000人を超えていた昭和31年(1956)の不入斗中学校体育祭での全校体操。

 

 不入斗中の30周年記念誌に、同校教諭石渡義則は「1学年が24組まであり、社会見学や修学旅行の乗り換えの手配、集団の指導は大変な苦労があった。生徒同士、生徒と教師、お互いに同じ学校の人間であることもわからなくなった。学区内の補導で”どこのおじさんだよ?”と、自分の学校の生徒から凄まれた先生の例もある」と記している。
 同じ記念誌に、三浦明鋹(のち田浦中・武山中校長)は「2年生が三保の松原へバス遠足をした。出発時、先頭のバスが(本校の)正門前。最後のバスは鶴久保小のところに止まっていた。目的地に着いて、1組が弁当を食べ終わっても、19組はまだ学級写真の順番を待っていた」と”マンモス移動”の大変さを語っている。
 市の財政状況の苦しさと、急激な児童・生徒の増加が背景にあった。さらに、昭和20年代に相次いだ学校火災の影響も大きかったといえる。
 中学校では、特定校がマンモス化し、小学校では二部授業が続いていった。(学校火災と二部授業については、縞を改めたい)。

 

 昭和35年(1960)、常葉台中学校と桜台中学校が開校し、不入斗中と坂本中の学区は分割された。また、田浦中は同じ年に分校ができ、翌年追浜中学校として開校したため、懸案の3校のマンモス時代は、とりあえずヤマを越した。とはいえ、不入斗中はその後も生徒数2,000人を超える大規模校であり、新たに池上中が2,500人を越すマンモス校となって、学区の分割が迫られてくる。

 

□ 左の写真と同じ年の職員写真。70人が写っているが、当時の名簿には82人の名前があり、職員室もマンモスであった。

 

 

(佐藤 設夫)
(図書・資料研究室直通電話・・・TEL36-2418)

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  理科・環境教育


 

 

 早いもので,今年度も残すところあと二ヶ月となってしまいました。いよいよ4月からは新教育課程が完全実施されます。この二年間の移行措置期間で十分にその体制づくりはできましたでしょうか。
 もう一度今年度中に精選された指導内容と教材・教具等の確認をしていただきたいと思います。また,今年度の年間カリキュラムを点検・評価し,次年度のカリキュラムづくりに生かす準備をしていただくことをお願いいたします。

 

 

平成13年度 理科関連講座参加状況

理科基礎技術講座 6講座 147名
小学校理科教材研究講座 4講座 70名
理科夏季研修講座 3講座 93名
科学教養講座 2講座 45名

 

今年度の理科関連講座も全て終了いたしました。
おかげさまで,今年も多くの先生方に参加していただきました。ご協力ありがとうございました。

来年度の講座内容につきましては,各学校からのアンケートをもとにさらに充実させていきたいと考えておりますので,また来年度も多くの先生方が参加してくださることを願っております。

 

 来年度使用する種ジャガイモ・サツマイモ苗・カイコ卵の斡旋希望を受け付けております。すでに各校に送付しました申し込み票に必要事項を記入し,申し込んでください。希望なしの場合にも申し込み票は提出するようお願いしてありますので,よろしくお願いいたします。

(理科教育研究室直通電話…TEL 36-6104 小田部英仁)

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情報教育


 

 

 今年度は横須賀の情報教育にとって,大きく飛躍した年でした。すべての学校を光ファイバーで接続し,小学校のコンピュータ室を整備し21台の端末をいれ,小,中,ろう・養護学校にインターネット閲覧用として6台のノートPCを整備しました。
 また,ネットワークを利用したツール(道具)として,児童生徒用グループウエア,教職員用グループウエア,教育情報データベースを導入しました。それに伴い,すべての教職員がメールを利用できるように,アカウント(利用者権限)を発行しました。
 来年度から完全実施される「新教育課程」では,児童生徒の学習活動に効果的にコンピュータやネットワークを利用することが求められています。

 どう利用することが効果的なのか,どういう場面で利用することが,より学習内容をわかりやすくするのか,がこれからの大きな課題です。
 今あるツールを利用して,より効果的な学習活動を構築したり,情報の共有化によってより効率的な学校運営を模索したり,情報の公開によってより開かれた学校づくりを目指していきましょう。
 来年度の横須賀の教育に,ITが活用されていくことを期待しています。

(情報教育研究室直通電話・・・TEL37-1338・小谷 孝夫)

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研修案内


 

基本研修
13年度の年次研修

 

 平成13年4月1日の中核市移行にともない,年次研修(教職経験に応じた研修)も一部を除いて本市が実施することとなりました。教育研究所では,

 

 教職員のライフステージに沿った総合的・体系的な研修を実施することにより、本市の教職員の資質と指導力の向上を図る。

 

という目的のもと,年次研修として

■前期研修 初任者研修講座
  6年次教職経験者研修講座
■中期研修 11年次教職経験者研修講座
  社会体験研修講座
  16年次教職経験者研修講座
■後期研修 26年次教職経験者研修講座

を実施し,本月報にて,様々な研修風景や研修後の先生方の感想を掲載してきました。まだ,解決すべき課題はありますが,有意義な研修を実施できたと判断しています。

 

 

市が研修講座を主催する主なメリットと課題

 

●情報の共有化
 特にグループ協議等を行うとき,地域的な格差を感じることが少なくなり,情報や研修者個々の想いを共有化しやすかったのではないかと思われます。ただし,研修対象者の少ない年次では,交流の狭さ,つまり,様々な先生方の考えを聞くことができないことや,論議が深まる前に結論が出てしまうといった弊害も考えられます。

 

●授業確保
研修実施場所が,教育研究所および市内施設になりました。県立教育センターまで出張する旅費や所要時間を考えると,授業の振り替えを最小限度におさえることができます。児童・生徒と過ごす時間も従前より多く確保できたと思います。市内出張ということで安心することなく,開始時刻の厳守をお願いいたします。

 

●実践交流
 同期採用の先生方同士が再会する機会は決して多くはありません。旧交を温めるとともに,それぞれの先生方の各校での実践交流や,教員としてのお互いの成長を確認し合うことができたと思います。

 

●様々な教育課題への対応
 社会状況の変化の速さにともない,学校を取り巻く状況も刻々と変化しています。また,次年度からの新学習指導要領導入を鑑み,各校で様々な試行がなされてきました。このような中で発生する,先生方の様々な課題や疑問に対し,個別に対応しやすくなりました。

 

●多様な研修講座の設置
 年次研修に関して,教育職員養成審議会(第3次)答申では,「講義形式の一斉研修が中心となりがち」「内容・方法の画一化により各教員のニーズに応じていない」「精選・見直しが十分でなく教員の負担になっている」などの問題点が指摘されています。市独自の研修講座を設置する利点を生かし,教員のライフステージに応じて求められる資質能力をさらに分析し,次年度の年次研修を計画していきたいと考えています。

 

(基本研修担当 中山・木屋)

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こくばん


 

 

学校・学級経営相談

 

駅弁的学級経営の再検討?

 

 「校長が変わると学校が変わる」と言われるが,さらに直接的であるのは,「担任が変わると学級が変わる」という事実である。
 校長や教頭がいかに逆立ちをしても,学級担任が果たすべき責任領域に直接踏み込むことのできないことが現実としてある。
 そこで真に教育を変えようとするならば,まず,「教師を変える」「教師が変わる」ことが学校経営上の基本的な課題となる。
 ところで各学校の学級の実態はどうであろうか。各学校はそれぞれご自慢の学級をいくつか持っているかも知れないが,それがいくつかの学級にとどまっていたのでは不十分である。
 子どもたちのことを考えれば,すべての学級が「すばらしい学級」であって欲しいし,また,そうでなければならないはずだが,これがなかなか思うようにならないわけである。 最近の学級経営を厳しい目でとらえるならば,疑問に思われるタイプが見られる。
   それは,「気力の乏しい管理的な状況」である。学校経営の方針をそれとなく受け止めているが,その指導に工夫や情熱が乏しく,いわゆる「事なかれ主義」の平均的な横並び・一斉型や没個性型,そして独創性にやや欠ける学級が少なからずあるように思う。これが俗に駅弁大学ならぬ「駅弁的学級経営」と呼ばれることもある。
 いくつかの学級が,それぞれに個性を持ちながら,如何なく持ち味を発揮し,しかも全校的な教育活動の一環として,子どもたちを意図的・継続的に指導するような学級を生み出すことが学校経営の基本的課題となってくる。 
 それはただ単に,「学級を管理する」という発想でなく,校内のネットワークの拠点の一つとして,全体の調和を支える営みであると考えたい。
 このような観点から,今日的な学校の実態をふまえ,「駅弁的学級経営」が行われているとしたら,再検討する必要があるのではないかと考えるが…。

    

(学校学級経営相談室 小田切 武夫)

 

14年1月からの研究所事業について

 

○ 教育情報デジタル化事業

 教育研究所や学校が刊行している刊行物や教育資料などを閲覧しやすいようにデジタルデータに変換し,教育研究所と学校をネットワークで結ぶ「教育情報通信ネットワーク」を介して情報の共有化を図ります。

○ 教育資料データベース化事業

 教育研究所や学校に保管している文書・写真などの資料を利用しやすくするためにデータベース化し,地域学習など各学校での活用ができるようにします。


 両事業とも,3年計画で行う予定です。

 

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更新日:2023年10月31日 20:40:26