月報 2001年度 12月号

 

平成13年(2001年)12月1日
編集発行・横須賀市教育研究所/代表・小山 雄二
E-mail: kenkyu@edu.city.yokosuka.kanagawa.jp

 

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巻頭


 

「体験的な学習」を取り入れた

総合的な時間の充実を(1)

 

また地域のどぶ掃除も臭いに悩まされながら手伝った。これからのことは、当時、横須賀の多くの子どもたちが゛共通して体験していたことがらであろう。このようにいろいろな自然体験、社会体験を通して、自然の不思議さや美しさ、人への思いやり等を学んだのである。

 

◆しかし、時代の変化の中で、社会・地域・家庭も変わってきている。子どもたちの自然体験、社会体験は、かつて子どもたちと比べて少なくなってきている。このような状況では、子どもたちにとって、知識は抽象化し、受動的になり、ただ単に暗記するだけの学習になりやすくなる。このような状況だと、いかに我慢をするかが学習となってしまうのでは心配にもなる。更に日常生活でも、子どもたちが火をおこせない、リンゴの皮むきができない、ほうきが使えないなど、基本的な生活の技能が身についていないという指摘がもある。

 

◆今までは、学んだことを十分に生かせないこともあった。これからは、学んだことを大いに自分の人生に生かしていって欲しい。

 

◆横須賀のある小学校ではバリアフリーをテーマにした町作りや海岸掃除を、中学校でき駅前の清掃活動を、高校ではお年寄りや幼児とふれあいながらの福祉体験学習等に取り組んでいる。

 

◆子どもたちは「生きる力」を育むたには、自然や社会の実現にふれる実際の体験が必要である。これから、「体験学習」を学校での全教育活動に取り入れていそして、具体的な体験や事物とのかかわりから、感動したり、驚いたりしながら、「なぜ、どうして」と考えを深めていくであろう。このように子どもたちは、さまざまな体験を通して成長していく。体験学習の重視は、「自ら学び、自ら考える学習」「生きる力」への大きな転換になると思う。

◆平成13年も年末の12月に入った。いよいよ新しい学習指導要領に基づく小・中学校の教育課程が、平成14年4月から実施される。教育内容の約3割削減、完全週5日制、「総合的な学習の時間」の完全実施が導入されるのも目前に迫った。

 

◆これから、創設された「総合的な学習の時間」での、児童・生徒が主体となって「自ら学ぶ」授業の実践には、今まで以上に様々な形で地域の協力がなくてはならなくなる。

 

◆今後の教育改革で特に強調されたのは、問題解決学習と体験的学習の二つであろう。単なる知識を「覚え込む学習」から、「自ら学ぶ学習」への転換を可能にする方法と言い換えて良い。中でも、体験的学習の重要性が強調されている。

 

◆振り返ってみると、昭和30年代の地域では自然や人とのふれあいが豊富であった。少し思い出しただけでも、春には、野にあるつくしを『何本摘み取った』『節の数がいくつある』と競い合った。夏には、海でどんな魚をどこでどのように釣るのか考えながら魚釣りをしたり、秘密の岩場に行っていろいろな貝を採って仲良く食べた。地域の祭りや盆踊りには、多くの人とのふれあいがあった。秋には、畑に行って麦刈りを手伝ったり、アケビ採りや栗拾いをし、集めたものを仲良く平等に分け合った。健民運動会では、町ごとに協力しあい、優勝を目指して大人も子どもも一緒になって得点を競った。冬には、野外での行事があり、外に出て霜柱を足でギュッギュッと踏みつぶし、その感触を楽しんだ。

 

(小山 雄二)

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特集


 

 

総合的な学習・選択学習を考える

カットは明浜小学校 黒岩弘明先生の作品です。

 

日常的な取り組みを

「環境教育」を身近なものに

池上小学校 新倉 邦子

池上中学校  教諭 石崎 浩一

 ごみ収集が4分別になった際の私の家庭でのことです。その複雑な方法に誰よりも早く順応したのは、子どもたちでした。これは、学校や家庭での広い意味での早期環境教育の成果だと思います。次に慣れていったのが、意外なことに祖父母でした。環境教育などとは無縁と思われますが、普段から土に親しみ、自然を大切にしようとする気持ちが十分に耕されていたからかと思います。
 さて、環境教育に取り組む際に私が常に念頭においていることをキーワード的に取り出してみると『(1)早期に (2)身近なことを (3)日常化しながら』ということです。環境教育というと、まず地球規模的なことに視点をおかれがちですが、もとを辿ればどれもほんの身近な問題。昨年の〈総合〉の活動中、Hさんがふと漏らした「先生、平作川の汚れは、やっぱり一人ひとりの問題だよね。」という呟きを大切にしたいと思います。子どもは教師の目配りでいくらでも身近な環境問題に目を向けていき日常化しうるということを実感しました。「自分でできることを続ける。無理をすればマイナスの環境教育になる。」昨年教えていただいた環境ボランティアのMさんの忘れられない言葉です。教室の中で、無理のない実践を続けていたから、先日の日光修学旅行での楽しい夕食の時にすら「おーい、残すなよ。残す前に友だちにあげろよなー。」という言葉が子どもたちから自然に出てきたのだと思うのです。
 そして今後も、時と場合、教科や立場の違いによる例外をつくらないこと。さらに、常に一貫した考え方が根底に流れる日常的な取り組みにすること。この二点を心掛けながら、子どもたちと共に環境教育を進めていきたいと考えています。
 今まで「環境教育」というと、「社会科」や「理科」で行うものと思われていました。新教育課程の完全実施を来年度に控え「環境教育」は、「総合的な学習の時間」・「選択授業」の中でどのように取り組んでいったらよいか注目されてきています。ここでは、昨年度2年生の「選択理科」で「環境教育」を意識して行った授業について書きます。最初に、一般的に言われている環境問題について扱い、その後身近な「教室の環境」について扱いました。前半では、調べてみたい「環境問題」を上げて、その中で実際に実験して調べられる内容として「酸性雨」を取り上げました。実際に降り始めの雨を数回採取して、フイルムケースに密閉保存しました。(個人採取)これを、試料として、BTB・pHメータを使いその酸性度を調べ、また身近な食品との比較(炭酸水・食酢)を行いました。その結果、身近な食品と比較することにより、かなりの酸性度であることがわかりました。次に教室内の環境調査(ほこり・CO2 )を行いました。時期的に寒い季節だった事もあり、環境はかなり悪かったです。調査後、その対策を話し合った結果「換気」・「黒板クリーナー」の分解清掃を行いました。換気については5分間の実施で、CO2 濃度はあきらかに下がり、黒板クリーナーはスイッチを入れてもまったく粉が出なくなりました。「自分で体験しながら環境の大切さがわかりました。」との感想が多かったです。

 

みじかな環境を守ろう

環境教育を考える

野比小学校  教諭 小泉 雅洋

市立横須賀高等学校  教諭 川村 栄一

 本校では、2年前より『総合的な学習』に取り組んでいます。いろいろなテーマがある中で、本校は、『環境』『福祉』を中心に総合的な学習をしています。
 3年生は、生活科から総合的な学習へ移行した学年です。そこで担任2人で検討した結果、今までの積み重ねを参考に、今年度の児童の実態をふまえて、子どもたちの考えを大切にして進めてきました。
 初めに、子どもたちに環境と福祉について何をしたら良いか尋ねました。本校では、この時間を『のびっ子タイム』としています。
 すると、子どもたちから
 ・ゴミ拾い
 ・こまっている人に親切にする
 ・自然を大切にする
の3点の取り組みが出来ました。
 その中で取り掛かりとして、ゴミ拾いをすることになりました。
 1.いつ行くか・・・
    これは担任が考え決定する
 2.どこへ行くか・・・
    野比海岸・公園に決定
 3.どうやるか・・・
    用意する物、やり方を考える
このようにゴミ拾いの手順をみんなで考えて行きました。
 9月29日(土)に野比海岸・長沢公園にゴミ拾いに行きました。海岸、公園にたくさんのゴミを持って学校に戻ってきました。子どもたちの表情は満足そうな顔でした。計画をしてやり遂げたことは、身近な環境を保てた優しさではないでしょうか。この子どもたちの笑顔を大切にしていきたいと思います。

 環境教育の難しさは、「風が吹けば桶屋がもうかる」の例えのように、個人のとった行動が後の環境にどのような影響を与えるのかという因果関係が見えにくい点にあると思います。
 そこで、環境教育として過去や現在の環境破壊の事例を伝え、歴史の教訓から望ましい行動を考えさせる事や、統計数値や科学的な根拠から「未来の荒廃した地球」の姿を伝えて、不安感や恐怖感から望ましい行動を考えさせる事などが必要となってきます。これらは、環境教育として欠かせない事ですが、環境に配慮した行動から「達成感」や「満足感」が得られなければ学習成果を実生活に生かすことは大変難しくなることでしょう。
 豊かな消費文化の因恵を受けて快適な生活環境に育つ子どもたちに、将来の環境に優しい行動を選ぶ力を培うためには、幼い頃のしつけから「我慢が美徳となること」を教え、「人は、一人では生きられない」という当たり前の事実から、「自然や社会の因恵」への感謝の心を育むように大人が意識的に子どもと接していく事を忘れてはならないと思います。
 そのような意味では、4月から始まった市のゴミの5分別への移行は、ゴミ処理という環境課題について、身近な大人が子どもと一緒になり取り組める点や、今後も継続的に取り組みの成果として「達成感」や「満足感」を即座に子どもに与え続けることができるという点で、環境保護を考える良いトレーニングになったと感じています。
 環境教育において行動改革を迫られるべきは、まず大人であり、子どもたちに社会への批判や暗い未来を示して落胆させるより前に、大人が行うべき課題が山積しているように思われます。

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相談室


 

 

<子どもとともに>

 

-配慮を必要とする子どもへの支援を考える-

教育相談室

 

 

◆教室内で配慮が必要な子どもが増えているような気がします。不登校になってしまいそうな子ども,落ち着きのない子ども,自分の気持ちを抑えられない子ども,学習の理解に波がある子ども…。様々なタイプの子どもが教室内で学校生活を過ごしています。今年度,このような子どもに関する相談室への相談が,小学生を中心に増えてきています。

 

◆ここ数年,マスコミ等を通してLD,ADHDの情報が伝わる機会が多くなり,先生方もそういった情報や様々な研修から知識を得ていると思います。そういった先生方の「学び」によって,子どもへの関わり方も「その子どもに応じた適したもの」になってきているものと思います。

 

◆10月上旬の新聞の読者投稿欄にADHDの子どもを持つ保護者の文章が2つ掲載されているのを読みました。一つは担任,学校の他の先生方の理解と支援のもと,周りの子どもや保護者にも理解され有意義な小学校生活を終えそうであるという感謝の文章でした。逆にもう一つは,学校に理解してもらえず,子育てについて責められ,保護者も悩み,苦しんでいるという内容のものでした。

 

◆目の前の子どもへの関わり方で悩むのは,先生方も保護者も同じだと思います。しかし,前段の新聞記事の後者の場合,学校での悩みの責任を保護者に求め,保護者の家庭での躾や養育態度にのみ目がいった結果,生じてしまったものと思われます。逆に前者の場合は,研修等によって知識を得た学校が,保護者の悩みに共感し,目の前の子どもへの支援を前向きに行った結果得られたものだと思います。

 

◆子どもの行動の背後にあるものを理解することの大切さは,以前から言われていることです。心理的なもの,環境的なもの,持って生まれたもの等の多くの情報を基に,既得の知識をベースに仮説を立てて関わっていくことが大切です。現在の学校教育においては,前述したように,ADHDのような医学用語(LDは教育用語と言われていますが…)に関する知識も求められています。

◆10月上旬に開催された日本LD学会第10回大会に参加した際に,小学校の通常学級の担任の先生から報告されたLD児及び周辺の子どもへの支援について,参考になることがたくさんあったのでご紹介したいと思います。

 

*学級担任として心がけたいこと
(1)子どもの見方や指導方法について,今までの経 験や考え方にとらわれない。
(2)認知の違いによる多様な学習スタイル,関わり方が必要なことを認識する。
(3)いろいろな学習活動を,教師自身も子どもと楽しむようにする。
(4)子どもたちはクラスの中で,担任をモデルにし て課題をもつ子どもたちへの関わり方を学んでいくので,教師自身がよきモデルになる。
(5)子どもたちがお互いの「よさ」を認め合えるクラス作りをする。
(6)子ども自身が,自分の「よさ」や「がんばり」に気づくような声がけを心がける。
(7)「ほめる」ことは,子どもの自信と自尊感情を高めることになる。
(8)いいろな人たちの助言を生かしながら子どもたちと向き合う。

 

*保護者との関わり
☆ 子どもに一番近い存在の保護者,担任がよき理解者になること。
☆ 子どもの課題に対して,共通理解を持つこと。
☆ 子どもの成長について,お互いに伝え合うようにすること。
☆ 学校,家庭が守備範囲の違いを生かし,お互いを尊重しあうこと。

 

◆この他にも支援や工夫についての話を聞くことができました。情報を得たい方,相談したい方はE-メールで相談内容を教えていただけると助かります。教育相談室のE-メールアドレスは,
k-soudan@edu.city.yokosuka.kanagawa.jpです。

(教育相談室直通電話…34-9308 北村耕一)

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図書室・資料室


図書の紹介

-新しい教育課程・総合的な学習-

・総合的学習の発想力,構想力 寺尾 慎一    明治図書
・中学校 総合的な学習と社会科 高山 博之    日本文教出版
・カリキュラムと教育評価の探求 天野 正輝     文化書房博文社
・総合的な学習 ヒット教材集(中学・高校編) 東山 明    明治図書
・中学校選択教科の運営課題と対策 長瀬 荘一    明治図書
・生きる力を育てる評価 佐野 金吾    ぎょうせい
・用語教諭のためのパソコン活用法 澤 栄美    大修館書店


-教育論-

・教科書のない小学校 小松 恒夫    新潮社
・教師の現職教育と職能開発 OECD    ミネルヴァ書房
・新世紀の学力づくり 奈須 正裕    明治図書
・子どもに学ぶ「生きる力」 高旗 正人    黎明社
・新 ありの本 村井 実    東洋館出版

 

*お願い
 戦後横須賀の教育史を編纂するため、昭和20年代の資料を探しています。当時の資料についお心当たりのある方はお知らせ下さい。

 

(図書・資料研究室直通電話・・・TEL36-2418・一栁 直行)

 

  理科・環境教育


昨年の白川英樹教授に続き,今年も野依良治教授がノーベル化学賞を受賞されました。理科好きな子どもたちにとって,また一つ大きな夢を与えてくれました。野依教授曰く,「理科は自然や宇宙の仕組みに興味を持ち,それを知ることで,人間が幸せに生きていくために学ぶもの。」  おめでとうございます
今年度の日本学生科学賞神奈川県作品展において,不入斗中学校の4人の生徒さんによる共同研究「完全密閉式ビオトープによる生態系維持に関する研究」が,横浜商工会議所会頭賞を受賞されました。生徒のみなさんはじめ,指導された先生方,本当におめでとうございました。

 

現在「不要薬品有無の調査」を行っております。理科室における安全管理のためにも,不要な薬品を保管しておくことは好ましいことではありません。ぜひこの機会に,もう一度薬品庫の中を整理してみてください。なお,今回の調査結果をもとに,回収計画を立て,実際には平成15年度になって回収させていただくことになっております。その際に,先に調査させていただきました不要液浸標本につきましても同時に回収させていただく予定でおりますので,ご承知おき下さい。

 

 

長い歴史に幕をおろした
植物観察会

 昭和49年度から先生方の自主参加・自主運営を基本として,毎月1~2回,勤務時間外に行う研究所学習会としてスタートした学習会植物観察会。「三浦半島の植物を語る会」「三浦半島の植物について話し合う会」「理科教材を話し合う会」「サイエンスコース」とその名称は変化してきましたが,内容は一貫して“植物観察を通して三浦半島の自然認識を深める”ことを目的にしてきました。三浦半島のいろいろな場所において,四季折々の植物を観察することは,理科指導に当たる教師にとってとても有意義な時間だったと感じています。また,植物観察を通して講師の先生から伺う様々な話も,大変意味深いものでした
 ところが,会への参加人数も年々減少し,来年度からは学校五日制のために土曜日が休みになることも加え,28年間続いてきたこの観察会も,10月20日をもちまして幕を閉じました。

 さて,小学校部会別自然観察会も昨年度で終了しており,教員が実際に野外観察を通していろいろなことを学ぶ機会がほとんどなくなってきています。ますます教員の自然体験不足や,教室の中だけの理科授業が横行することが危惧されます。子どもたちを取り巻く自然環境についての認識を深め,学習活動に自然体験を積極的に取り入れる努力を,私たち教師はしていくべきだということを忘れないでください。

 

H13.10.20 塚山公園の植物観察会より

 

(理科教育研究室直通電話…TEL 36-6104 小田部 英仁)

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情報教育


 

 昨年度から準備してきた「三浦半島教育ネットワーク」も12月から運用を開始しました。
 三浦半島地区(横須賀市・三浦市・葉山町)でイントラネットを構築し、広域での共同学習が可能になります。

 

▼積極的な利用を▼

 

 PC、コンピュータ室(小学校)、コラボレーションツール(グループウエア)、ネットワーク等、新しいものが多く入りました。すぐに活用をしていくというのは、難しいことです。
 今年度中は操作の仕方に慣れていること、改善点を見つけることに重点を置いています。どんどん利用して、操作方法に慣れ、効果的な利用方法や改善点を見つけていきたいと考えています。
 こういう使い方ができる、ここはこういうふうにした方が効果的である等、ご意見がありましたら、どしどしお寄せください。
 その意見より、できるカスタマイズをして、来年度から本格的な運用を目指しています。ご協力をお願いします。

▼メール(WEBメール)の活用を▼

 

 教職員用グループウエアは、メール機能を持っています。WEBメールといって、インターネットを見るのと、同じ画面でメールのやりとりが行えます。一人一人にアカウント(使用者権限)がありますので、PCにメールの設定をしなくても利用できます。

 

▼情報の蓄積、共有化▼

 

 教育用データベースを用意しました。データベースは情報が集まらなければ「ただの箱」になってしまいます。指導案データベース、教材データベース、教育情報データベース等、を考えています。
また、こういう情報もほしいというのも増やしていく予定です。どんどん情報を蓄積し、「使えるデータベース」を目指しています。

 

(情報教育研究室直通電話・・・TEL37-1338・小谷 孝夫)

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研修案内


十二月の研修案内

 

■ 基本研修 

● 6年次研修(含む養教6年次)

7日(金)

人権・同和教育
在日外国人に関する研修

15:00~17:00
ヴェルク・ホール

10/30 初任者研修(大楠中)
講義 「在日外国人の教育に関わる問題について」
川崎ふれあい館  朴 栄子 先生

 


■ 管理職研修講座 (15:00~・教育研究所)
 

●校長研修
14日(金) 「横須賀の歴史を楽しむ」 横須賀市文化振興審議会委員 山本 詔一 先生

 

●教頭研修

11日(火)

「精神科医から見た気になる子どもたち」
横浜市大付属病院小児精神神経科部長

竹内 直樹 先生

11/1 初任者授業(豊島小)

 

■ 学校教育相談研修講座

5日(水)15:00~ 教育研究所
「事例研究会(2)」
池上中学校養護教諭  渡邊 美佳子 先生

 

■ 情報教育研修講座 (15:00~ 教育研究所)
● 担当者コース 4日(火) 7日(金) 12日(水)
 

 

言葉抄

6年次研修

10月9日 「児童・生徒理解に関する研修」~いじめ,不登校への教育相談~
前国立教育会館・いじめ問題対策情報センター職員 鈴木 貞夫 先生講演の感想から

 

○中学校にも,生徒一人一人に対応できる時間と心のゆとりが欲しいと思いました。
○子どもと関わるためには,「~しなければならない」と思うことも大切なのかと思いました。「~しなければならない」という気持ちがたまったら,ちょっと関わりを持っている状態ですが,子どもとはなぜかつながっているような気がします。
○不登校の問題について自分はどう動いたらいいのか,何ができるのか日々頭を悩ませています。その子が学校に来るとホッとするのですがそれは自分の都合であって,本人にとってはどうかなと考えさせられました。今回の研修を機に,もう一度この問題についてどう向かうべきか,じっくり考えていきたいです。
○最後の意見交換の中で,具体的な方法論を聞かせていただき,大変参考になりました。現在は不登校の生徒はいませんが(クラスに)抱えたときには,カウンセリングマインドを忘れずに,ゆっくりと時間をかけて関わっていきたいと思います。

 

(基本研修担当 中山・木屋)

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こくばん


 

学校・学級経営相談

 

あなたに,逆転の発想あります?

 

NHKテレビ
~「課外授業ようこそ先輩」より

 

 9月16日,NHKテレビの「課外授業ようこそ先輩」を視聴した。毎回とはいかないが,用事のない時はできるだけ見ている。
 今回は,声帯模写(物真似)で売り出し,その後,テレビ,映画,舞台,ボクシングトレーナー等で活躍。まさにマルチタレントとして呼ぶにふさわしい「片岡鶴太郎さん」の登場であった。
 彼は,40歳を過ぎてから絵を描き始め,やがて,いくつかの展覧会にも入選し,個展を何度も開催するまでにもなった。
 その彼が母校を訪れての「図工」の授業は,大変興味をそそられ,大胆かつユニークな発想には教えられることが多く,次第に引き込まれていく自分がいた。
 もし,今自分が学校現場にいたならば,すぐにでも実践に移したいと思ったことも数多く,久しぶりに心をゆさぶられたひとときであった。
 彼は今回の授業では,子どもに対して,何かに興味を持つことによって,ものや世界の見方が変わり,好きという思いが生きるためのエネルギーになることを伝えたいと言った。
 そして,子どもたちに最初に発した言葉は,「自分の利き手でなく,反対の手で描いてごらん」であった。

 

この逆転の発想には,度肝を抜かされたが,結果,子どもたちは大胆に,かつ伸び伸びと,実に生き生きとした顔で絵筆を走らせているのが印象的であった。
 次なる発問は,「自分の身の回りで私を描いて欲しいと言っているものが必ずあるから,それをさがしてごらん」というものであった。そして,なぜそのものが描かれたがってると思ったかを話し合わせる方法を取っていた。
私にはとても考えの及ばないことである。
 いずれも,考え方に独創性があり,その根底には,描きたいものを描くという基本的な姿勢が貫かれている。
 教師はどうしても,目標・計画・評価の流れにこだわり,このパターンでないと気がすまないところが多々見られる。
 鶴太郎さんの大胆さとダイナミックな取り組みが,子どもたちの心をつかみ,引き出させ,楽しさを与える原動力になっいるのが,分かったような気がする。
 このことは,学級経営や学校経営の在り方にも,大いに学ぶべきものがあるのではないかと私は思った。

 

(学校学級経営相談室 小田切 武夫)

 

研究所12月の予定

 

◆ 第10回「教育相談研修講座」のお知らせ

日時 12月5日(水)午後3時から
場所 研究所3階第2研修室
内容 〈事例研究〉―気になる子どもに関すること―
講師 池上中学校 飯島 美佳子 先生

 

*「誰にも言わないで…」保健室では、こう言われながら相談を受けることがあります。こんな時、養護教諭はどう対応したら良いのでしょう。ある事例を基に考えてみたいと思います。
*子どもの問題行動の低年齢化が言われています。中学生の問題行動は小学校でも起こりうる可能性があります。関わり方で参考になることが多々あると思います。

 

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更新日:2023年10月31日 20:43:35