月報 2003年度 4月号

 

平成15年(2003年)4月1日
編集発行・横須賀市教育研究所/代表・五ノ井文男
〒239-0831 横須賀市久里浜6-14-3
TEL(046)836-2443(代) FAX(046)836-2445

巻頭 研修セクション 相談セクション こくばん
「研究所月報バックナンバー」へ戻る

 

 

巻頭


教育改革における教育研究所の役割

◆今年は未(ひつじ)の年です。羊は、古来からめでたくおだやかな動物として世界中の人々に親しまれてきました。また羊の多くが群れをつくって生きていることから、一致和合の象徴とされているそうそうです。4月からの一年間、羊にあやかり、子どもの健やかな成長を願いつつ、教育に関わるすべての者が一致協力しあって、この教育改革を進めて行きたいと思います。

 

◆毎週土曜日を休みとする完全学校週5日制が、幼稚園、小学校、高等学校、盲学校、ろう学校および養護学校において実施され、新しい教育課程も2年目を迎えます。

 

◆文部科学省は平成15年2月3日、「平成14年度公立小・中学校教育課程編成状況等調査」の結果を発表しました。習熟度別授業の実施率は小学校63.1%、中学校64.7%と、急速に高まり、特に算数・数学の教科が多くなっています。また、6割の小・中学校で、朝の読書や、漢字、計算の学習、補修など、授業時間以外に特定の時間を設定し、計画的に行なっています。

 

◆本市においては、「わかる授業・楽しい学校」の実現を目指し、また学校選択自由化や2学期制モデル事業などさまざまな教育改革を進めています。

 

◆横須賀市教育研究所でも、これからの教育のあり方を考えつつ、教育改心のための情報提供発信を進めてきています。

 

◆研究調査の事業では、新たに「環境教育」、「学校図書館活用」、「支援教育」、「不登校問題」、「スクールマネージメント」の研究員会を発足し、従来のものと合わせて15研究員会で研究調査を行って行きます。

◆教員研修の事業では、従来の基本研修、専門研修、夏季研修、課題研修等を実施しますが、ITを活用した教員研修へ取り組み、教育の改革期に対応した研修講座の増設及び内容の充実を目指し、特に初任者研修の新方式への移行をふまえた見直し、更に11年次教職経験者研修の内容を変更して行います。また今年から、フォローアップ研修、ALT研修、学校図書館司書教論研修等を新たに実施します。

 

◆従来の教育に関することの問い合わせや図書・資料・ビデオテープの貸し出しも行っていますのでご利用下さい。また、今年度も長期研修員を1名受け入れ、情報教育の分野で実施します。

 

◆子どもに関する教育相談事業につきましても、昨年度より横須賀市総合福祉会館4階の青少年相談センター内に教育相談室を移転し、2年目を迎えました。面接・訪問相談、電話相談、Eメール相談も従来同様に行っています。また、新たに不登校の児童・生徒へより一層きめ細やかな支援を行うためスクーリング・サポート・センターを整備します。

 

◆よこすか教育ネットワークセンター関係の事業では、インターネット等ネットワークを効果的に活用した学習が求められています。ネットワークの保守・管理、業務の効率化・迅速化のためのネットワーク利用の研究・、推進、学習素材(デジタルコンテンツ)の開発・提供や新たにel-Net(教育情報衛星通信ネットワーク)の整備などをします。また、今年度も引き続き学校ITアドバイザー事業を実施しますので、コンピュータ講習会や授業の補助など、活用をお願いします。

 

◆変化の激しい時代です。研究所も新しい教育の創造に向け、大きく変わろうとしています。今後も研修・教育情報・教育相談を中心に、学校との連携を一層進めたいと思いますので、ご理解、ご協力をよろしくお願いします。

(小山 雄二)

 

▲TOPに戻る

研修セクション


平成15年度 教育研究所研修計画
 
 横須賀市教育研究所では、21世紀を生きる子どもたちの教育を支援するため、本市教職員が自主的主体的研修活動を展開し、自己の生涯にわたる研修に関するビジョンを確立できるよう、各種事業を推進します。


◆初任者研修

4月 2日(水) 横須賀の教育 教育研究所
4月22日(火) 学級経営I 教育研究所
5月 6日(火) 情報教育 教育研究所
5月20日(火) 教科指導I (小)付属鎌倉小学校
(中)付属横浜中学校
6月 3日(火) 道徳教育 教育研究所
6月17日(火) 障害児教育 市立養護学校・ろう学校
7月23日(水) 児童・生徒指導 教育研究所
8月 5日(火) 保健安全教育 市役所正庁(予定)
◎ 社会体験研修  2日間 各会場
◎ 校外課題研修  1日間 各会場
8/21~8/23 宿泊研修 三浦ふれあいの村
9月 9日(火) 学級経営II 教育研究所
9月16日(火) 教科指導II(小学校) 教育研究所
9月30日(火) 教科指導II(中学校) 教育研究所
9月~11月(4日間) 他校種間交流 各会場
10月28日(火) 校外授業研究会 市内中学校
11月25日(火) 校外授業研究会 市内小学校
12月25日(木) 国際理解教育 実践報告
1月20日(火) 人権・同和教育 教育研究所
2月 3日(火) 実践報告 教育研究所


◆フォローアップ研修

オリエンテーション 4月15日(火) 教育研究所
現代教育課題に関する研修 5月27日(火) 教育研究所
実践交流(中学校) 11月12日(水) 教育研究所
  実践交流(小学校) 11月19日(水)     教育研究所

 

◆6年次研修

オリエンテーション 5月 2日(金) 教育研究所
教科教育に関する研修 5月~7月 各勤務校
情報教育に関する研修 6月27日(金) 教育研究所
学級経営に関する研修 8月20日(水) 教育研究所
専門分野研修 9月~12月 各勤務校
人権・同和に関する教育 10月 8日(水) ヴェルク

 

◆11年次研修

オリエンテーション  4月 2日(水) 教育研究所
校内研修 課業期間中 各勤務校
事業所体験 訪問1日・体験3日~5日 各事業所
教科指導に関する研修 7月25日(金) 教育研究所
児童・生徒指導等に関する研修     8月11日(月) 教育研究所
夏季研修等から選択 夏季休業中5日~10日間 各会場
社会から見た学校教育 1月 6日(火) 教育研究所

 

◆16年次研修

オリエンテーション 4月25日(金) 教育研究所
社会理解に関する研修 8月18日(月)     教育研究所
選択研修(教育課題) 教育課題研修講座から一講座選択
選択研修(人権・同和) 人権・同和担当者研修講座から一講座選択

 

◆26年次研修

オリエンテーション 5月 9日(金) 教育研究所
学校教育のあり方に関する研修 8月21日(水) 教育研究所
選択研修(教育課題) 教育課題研修講座から一講座選択
選択研修(人権・同和) 人権・同和担当者研修講座から一講座選択

 

▲TOPに戻る

教育相談セクション 


 平成14年度の相談件数は、昨年度とほぼ同数の201件でした。児童・生徒数は減少していますが、子どものいろいろな問題に悩む保護者等が増えていることがうかがえます。

 

 受理相談件数201件のうち、95件が非社会性(不登校)の相談で、相談件数全体の約47.3%を占めています。不登校の相談は、圧倒的に中学生とその保護者が多く、小学生の33件に対し、中学生は61件ありました。原因・きっかけでは、学校生活に起因するものと不安など情報混乱に起因するものが多くありました。不登校はますます多様化し、個々のケースによってまったく違う対応を必要としているために、支援の方法が難しくなっていることを実感した1年でした。
 また、近年の傾向として、教科によって学力に大きな偏りがあったり、落ち着きがなく授業に集中することが難しい児童の相談が増加しています。

 

 いじめが内容に含まれている相談は、16件ありました。いじめの行為そのものは学校内の指導で解決しても、心の傷から不登校になっているケースも何件かありました。

 

 累計相談回数は、1449回で、昨年度より219回減少しました。問題解決までに時間がかかる不登校の受理相談件数が減ったことなどが、その理由として考えられます。

 

 平成14年度の、電話相談の相談件数は763件で、昨年度より138回も増加しました。これは今年度から青少年相談センターの「ヤングテレホン横須賀」と1本化した影響によるものです。


 相談を内容別に見ると、家庭教育に関する相談が221件(29.0%)と一番多く、次いで非社会性140件(18.3%)、身体・神経106件(13.9%)、交友関係105件(13.8%)、学業・知能81件(10.6%)、進路適性33件(4.3%)反社会性21件(2.8%)の順となっています。相談対象者としては、大人、特に母親からの相談が大部分を占めていますが、子ども本人からの相談も増えました。

 

 学校・学級経営相談にも昨年を上回る教職員からの相談が寄せられました。事業開始から2年目のEメール相談には、年間63件の相談がありました。

 

(教育相談セクション:TEL 824-1200)

 

▲TOPに戻る

こくばん


研究委員会だより
理科研究員会
「理科実験の手引き」の全面改訂について

 平成5年に作成された本冊子は長年にわたって、「実験・観察を安全に行うための指針」として用いられてきました。今年度の新教育課程の実施に伴い、本冊子を改訂する必要性が出てきました。

 

 本研究員会は、小中学校各2名で構成され、この冊子の改訂を1年間で行うことを目的として、以下のような段取りで改訂作業にあたりました。

 

(1)    改訂冊子の構想の検討及び確定
(2)    参照・参考資料の調査
(3)    アンケート及び聞き取り調査
(4)    執筆分担及び執筆
(5)    原稿読み合わせ

 

 本冊子の改訂にあたり、前の冊子の版が残っていない事から、体裁を含め全面改訂することとしました。

 

 冊子の構成については、使用しやすさを考えて、「I.理科室の環境」、II.薬品の保管と取り扱い」、「III.ガラス器具の取り扱い方」、「IV.一般的な事故対策と応急処置について」は、従来通りとしました。

 

 しかし、「V.実験上の危険防止について」は現在小中学校で使用している教科書の学年・単元ごとの構成に変更しました。また、「中学校選択理科」、「小学校科学クラブ」については実地調査の上、代表的な事例を上げました。

 

 また、「総合的な学習の時間」の完全実施にあたって関わりの出てくる「野外観察時の注意」については、実際に三浦半島内にフィールドワークに出かけるという想定にたち、横須賀市自然人文博物館の学芸員の先生の協力を全面的に受けました。

 

 さらにアルコールランプの使い方・ガスバーナーの使い方については、授業でそのまま使える形の資料を載せました。本冊子を最大限利用して、安全に「実験・観察」が行えることを願っています。

 

平野 邦好  (馬堀小学校)
内田のぞみ  (田浦小学校)
小山 要治 (不入斗中学校)
石崎 浩一  (池上中学校)

 

◆上で書かれている「理科実験の手引き」は、理科研究員会の紀要として、4月初旬に各学校2部ずつ送付される予定です。

 

 紀要は一括保管されることも多いのですが、活用されて初めて研究の価値が評価されるものです。この研究紀要は理科担当の先生方の手元に置いていただき、理科授業の安全のために役立てていただくと共に、不備な点につきましては学校教育課や教育研究所までご連絡下さい。

 

◆3月号4ページの、新設する研修のうち、「教育課程(高等学校)研修」は「教育課題(高等学校)研修」の誤りでした。申し訳ありませんでした。ここにお詫びと訂正をさせていただきます。

▲TOPに戻る

更新日:2023年10月31日 23:59:56