月報 2002年度 7月号
平成14年(2002年)7月1日
編集発行・横須賀市教育研究所/代表・小山 雄二
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巻頭
ITを活用して
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◆ 今年の4月から実施された新学習指導要領で、小中学校での情報教育が本格的にスタートした。政府のミレニアムプロジェクト「教育の情報化」では、全ての教室からインターネットの接続ができ、全ての教科でのインターネットを利用して、わかる授業・楽しい授業を求めている。本市の学校でも、さまざまな授業や教育活動での活用が始まっている。特に技術家庭科の情報基盤の授業で使用している例が多い。慣れるにしたがって、社会科や理科、国語の教科などで使われてきている。社会科では、「ブリタニカ百科事典」のソフトを使って、歴史の資料を検索し、生徒同士が情報交換を行った。また、授業できないが、生徒会活動で資料のプリントを作成したり、学年委員会活動で旅行先を調べたり、部活動で英語のホームページ作りの学習をするなど特別活動での利用例も増えている。
◆ これから、いろいろな教科でさまざまな効果的活用方法を工夫したい。
◆各学校でITを効果的に活用することにより、子どもたちの学ぶ意欲を引き出したい。また、子どもたちの豊かな学習を実現していきたい。
(小山 雄二)
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◆ 平成11年度から始まった旧文部省と郵政省の「先進的教育ネットワークモデル事業」、平成13年から始まった総務省の「地域イントラネット基盤整備事業」により、横須賀市教育研究所と市内の小・中・高等学校などのコンピュータ教室が整備され、78校全てを100メガバイトの高速な光ファイバー網でつながったことで、本市の情報教育は最新のネットワーク環境になってきている。高速回線のメリットは、同時に多くのパソコンからネットワークに接続でき、文字や写真だけでなく、動画や自然な音声などもネットワーク上で送受信できるようになることで、このすばらしい環境を使ってどんな利活用をしていくのかが重要となる。新しいIT(情報技術)は新しいことをやるためだけでなく、むしろ、今までやってきたことをより効果的、効率的に行うためのものでもある。どの場面でどのようにITを使えばよりよい教育ができるかが、これからの情報教育の課題である。
◆ 例えば、総合的な学習などでの調べ学習で、インターネット上にある最新の情報から必要な情報を得て、それを整理したり、自分の考えを加えて自らが情報の発信者になり、他からの考えをもらったり、あるいは、あるテーマについて遠くの地方との協働遠隔学習をしたり、電子メールを利用し、他地域・外国の児童生徒との交流をしたりとさまざまな活動が考えられる。また、障害のある児童生徒もネットワークを介して社会との交流が容易にできるようになる。インターネットで学習をする場合は、有害情報から児童生徒を保護する「フィルタリング」が必要であるが、教育研究所のサーバの中で有害情報の対応をしている。
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特集
評 価 を 考 え る |
「その時の評価」
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「心の迷路」
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森崎小学校 教諭 西田 邦彦
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神明中学校 教諭 永易 美和子
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総合的な学習の時間で,A子は個人の研究活動に取り組んでいました。「食」という大きなテーマに対して彼女が設定した課題は,「身の回りの細菌」について調べることでした。
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中間テストが近づいたある日、自称『本を読むことと漢字を覚えることが世界一嫌い』なA君が、廊下ですれ違いざま、私に「先生、今度のテストはすごいよ。四十点は確実に取れるから期待しててよ」と、自信に満ちた顔で言いました。その後も彼が休み時間に机に向かう姿を幾度か見かけ、私も「努力はきっと報われるよ。」などと励ましの言葉をかけ続けました。
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教育相談セクション
「スペースゆうゆう」の今
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◆ 5月14日に,適応指導教室「スペースゆうゆう」に通う子どもたちが,衣笠病院のご厚意で,受付案内のボランティアをさせていただきました。生徒たちは,病院職員の方から丁寧な説明を受けた後,おそろいのエプロンをつけて玄関に立ち,来院してきた方に挨拶をして,案内のお手伝いをしました。初対面の人に自分から進んで「お早うございます。」と挨拶をすることだけでも,最初は緊張して,なかなか声にはならなかったようです。お年寄りや体の不自由な方に「何かお手伝いしましょうか。」と声をかけて,お手伝いした後に感謝のことばをかけられたりと,緊張しながらも充実した楽しい時間を過ごしたようです。
◆病院のボランティア体験に参加した子どもたちの感想の一部です。
◆ 「ゆうゆう」担任の落合賢一先生は,「病院でボランティア体験をさせてもらえるかも知れませんよ。」と今回の話を知人から紹介されました。 |
その時は,正直なところ「残念ながらうちの子たちには無理だろう。」と思ったそうです。教室に集まって元気に活動している笑顔いっぱいの子どもたちですが,かつては悩みや不安から学校に行けずに家に引きこもっていた時期が,どの子にもありました。大勢の人の前に立って声を出したり,自分から人に手を差し伸べることができるのだろうか,落合先生は不安でしたが,充実した教室の活動の中で,たくましくなってきた子どもたちの力を試してみるいい機会だと思い,子どもたちにボランティアの話をしてみました。「やってみよう。」と決断したのは,子どもたちです。
◆ 「ゆうゆう」では,不登校の子どもの自信や意欲の向上を目指して,日常の活動の中に,様々な体験学習を取り入れています。スポーツ,朗読,グループワークトレーニング,調理,フラワーアレンジメント,職場体験,ボランティアなどです。それぞれの体験学習の講師として,職種や年齢も様々な大勢の方に関わっていただいています。心身ともに閉じこもりがちな不登校の子どもたちにとって,教室のスタッフ以外の大人たちといろいろな形で触れ合うことは,いい刺激になっています。体験学習を通して,子どもたちは自分自身や友達の良さを再認識して,学校に行けなくなったことで失った対人関係の自信を,少しずつ回復しています。
◆ 他の生徒が帰った後の「ゆうゆう」に,S君の姿がありました。S君は毎日通室し,教室の中心になって色々な体験学習に取り組んでいる生徒のひとりです。その日は午前中に学校でテストを受けてから「ゆうゆう」へ来て,落合先生に勉強をみてもらっていました。毎日の授業を受けに学校に行くことはまだできませんが,S君にとっては大きな前進です。「ゆうゆう」での活動が学校復帰へのエネルギーにつながっていることは確かです。今年の春も何人かの子どもが学校に復帰していきました。
(教育相談セクション 下川紀子)
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研修セクション
七月の研修案内 |
基本研修
☆ 初任者研修 2日(火)ふれあい合同研修 9:20~16:00 県立総合教育センター ・開講式,オリエンテーション ・県立総合教育センター所長講話 「神奈川の教育」
22日(月)~8月20日(火) ふれあい合同研修(体験活動I) 1日実施
22日(月)~8月2日(金) 夏季研修より2日間4講座選択
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その他の研修
☆ 教育課題研修講座 10日(火) 15:30~17:00 教育研究所 ・講義「評価・評定・通知表を考える」 文教大学 学長 石田 恒好 先生
☆ 教育相談研修講座 3日(水) 15:30~17:00 教育研究所 ・講義「不登校の子どもへの関わり方」 横須賀共済病院小児科心理相談室 田中 真樹子 先生
☆ 情報教育研修講座 初めてコース(夏季) 9:00~10:30 11:00~12:30 13:30~15:00 教育研究所
☆ 理科研修講座 理科基礎技術講座(申込制) 3日(水) 15:30~17:00 教育研究所 24日(水) 9:30~12:00 走水小学校 横浜国立大学 鈴木 博 先生 夏季研修講座(申込制) 29日(月) 9:30~12:00 教育研究所 ・「ものづくりにチャレンジ」 大津小学校 内田 千春 先生
30日(火) 13:30~16:00 教育研究所
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★ 夏季研修講座の申込みについて
既に各学校に届いている「夏季研修要項」をお読みいただき,参加する研修が決まりましたら,各学校ごとに担当者がとりまとめ,Eメール(k-kenshu@kenkyu.yknet.ed.jp)で教育研究所研修セクションまでお申し込み下さい。
申込み方法に関して,不明の点がありましたら,教育研究所・藤本(36-2443)までお問い合わせ下さい。
言 葉 抄 |
6月4日に行われた初任者研修(環境教育)で行われた自然観察とそれをもとにした授業案づくりについての感想をご紹介します。
「教材は絵や写真を多用したものが多く作られているが,そのもとの意図は実物を見せるためだと思う。その意味で自然観察は本物を目にし,触ることができ,疑問を持ち,学ぶという学習の本来の意欲をわかせるよい学習だと思った。ただそれをもとにした授業案作りは,理科,社会に偏りがちで自分の教科に引き寄せるのはまだまだ技術や工夫が必要だと感じた。」
夏季学校休業中に多くの研修が設けられています。教師自らの「学ぶ」意欲を高め,今後の子どもとの関わりの中で学ばれたことを活かしていただきたいと思います。
(研修セクション TEL34-9308 : 中山・木屋・北村)
教育情報セクション
コンピュータの更新のため,7月中旬まで情報教育研修室での研修はお休みです。夏季研修期間中は,大勢の方に申込を頂いた「はじめてコース」の講座回数・時間帯を変更し,各8回の研修を全37回実施します。 |
○ 様々な研修
○ 「はじめてコース」の受講日・受講回の確認
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一人一台での研修を前提としたため,希望日通りにはならない場合もありますがご理解下さい。
・各研修日共通
6月中に各学校宛に受講日と受講回を連絡しましたので,ご自身の予定を確認して下さい。
○ お詫びと訂正
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(教育情報セクション
小谷 直通TEL37-1338・坂庭 直通TEL36-6104・一栁 直通TEL36-2418)
こくばん
研究委員会だより 人権・同和研究員会
~学校におけるこれからの人権教育~
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■ 6月4日 初任者研修(環境教育) ~天神島自然教育園~
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更新日:2023年10月31日 21:24:48