月報 2002年度 8月号

 

平成14年(2002年)8月1日
編集発行・横須賀市教育研究所/代表・小山 雄二
横須賀市久里浜6-14-3 / TEL(0468)36-2443(代)
(〒239-0831) / FAX(0468)36-2445  
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巻頭


 

 

求められる客観性・

信頼性のある評価の工夫

 

~問われる日常的な評価の積み重ねと

通知表・指導要録の改善~ (1)

 

 

 

 

◆ 答申においては、観点別学習状況の評価を基本とする現行の評価方法を発展させ、目標に準拠した評価を一層重視するとの基本的な考え方に立っている。

 

◆ 平成14年2月には、国立教育政策研究所の教育課程政策センターから各学校の参考資料となる「評価規準の作成、評価方法の工夫改善」が報告された。この参考資料は、教課審答申の課題にすべて答えているわけではない。例示に基づきながら各学校でより具体的な作成が求められている。
 この参考資料は、学習指導要領とのかかわりに視点を置き作成されたものである。全国共通の内容になっているので、各学校の視点も必要になる。

 

◆ 保護者から信頼されるには、子どもたちにしっかりとした「学力」をつけなければならない。「学力」は学習指導要領が示す『基礎的・基本的な内容』に『自ら学び考える力』などの「生きる力」を含めたものである。「学力」は、一人一人の到達度や個人内のよさや可能性、総合的な学習などの評価結果のトータルから評価するようにしたい。

 

◆ 通知表の評価においても、これまでの相対評価による評価からの転換を図り、絶対評価と個人評価の両面を生かす評価を充実させることが大切であろう。そして、学習の過程における評価の充実に取り組み、1学期の到達度評価の結果を、2学期以降の指導に生かす工夫をすることが重要である。

◆今後は、単元修了後、学期末、学年末ごとにそのことの共通理解を深めて、学校の評価観を確立し、客観性や信頼性のあるものに改善していくことが求められる。

 

(小山 雄二)

 

◆ 平成14年4月より新しい学習指導要領が完全実施になって4か月が過ぎようとしている。各学校では、学年末の通知表を担任の先生から子どもたちは受け取った。子どもたちは勿論、保護者にとっても今までとは違った思いで通知表を受け取ったのではないかと思う。教師にとっては、指導の改善に、子どもたちにとっては、これまでがんばった学習の成果としての充実感・達成感やこれからもっとがんばりたいといったこと、また、保護者の立場で真剣に通知表での評価を受け止めたのではないかと思っている。

 

◆ 通知表に関して横須賀市教育委員会では、小・中学校の校長会代表、教頭会代表、教員代表の方々を通知表検討委員として委託し、平成11年の7月より保護者などからアンケートをとったり、各学校で使用されている通知表の実態調査をした。そして、新教育課程の理念に基づいた通知表づくりの検討に入り、平成12年7月より、各教科・領域専門部会を立ち上げ、観点別学習状況欄の評価項目の検討を進め、「新しい通知表」について平成13年5月に報告があり、各学校で活用されている。

 

◆ 振り返ると、平成10年度に告示された新しい学習指導要領は、完全学校週5日制の下、基礎的・基本的な内容の確実な習得を図り、自ら学び自ら考えるなどの「生きる力」を育成することを基本的なねらいとしている。
 このようなねらいを実現するための児童生徒の学習の評価の在り方について、平成12年12月に、教育課程審議会から答申「児童生徒の学習と教育課程の実施状況の評価の在り方について」が出された。

 

 

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特集


 

障害児教育を考える

 

子どもの立場にたって

 

 

友達との関わりから

 

長浦小学校  教諭 鈴木 惠

 

 

野比東小学校  教諭 角井 久子

 

 言葉がない、多動、コミュニケーションがとれない、パニックをおこす。私はこんな子どもたちとたくさん出会い、共に過ごしてきました。
 言葉のない子は、行動すべてが私への語りかけ。その子の気持ちになって行動に真剣につき合います。何を伝えたいのか、何を求めているのかを理解し、願いにできるだけ答えます。私からの言葉はいつも心に響いているのだと信じ、はっきりとわかりやすく話します。不安を与えない明るい表情で接し、良いことをいっぱいみつけほめます。約束したことは必ず守ります。パニックをおこした時は私の接し方が悪かったと考え言葉かけや対応に問題がなかったかを反省します。このように子どもの立場になって丁寧に接していると必ず視線が合うようになり、コミュニケーションがとれるようになってきます。子どもと共にいることが楽しいと感じる時がすべてのスタートです。

 この子らの無限の可能性を信じて興味をもっていることから自立にむけての課題をみつけます。本人がやりたいという気持ちになるよう楽しみながらできる教材、教具を工夫します。結果はすぐには求めず、取り組む過程をだいじにします。小さな小さなステップですが、変化が見られたその時は喜びをいっぱい表現し満足感を与えます

 日々の生活の中で悩んだり落ち込んだりすることはたくさんあります。でも私の目をのぞきこんで訴えるあのまっすぐな美しい目と、私の心をひきこむあの笑顔にあいたくてがんばっている気がします。私はこの子らからたくさんのパワーとゆっくりとした心を受け取っています。これからも生命の大切さ、自然の美しさ、共に生きる喜びを語り続けていきたいと思います。

 

 

 初めての障害児学級の担任で、しかも、子どものことは、何一つ分からないままの対面なのでドキドキでした。入学式が始まり、一年担任の発表で子どもたちの前へ出た時、1年2組の子どもたちの席にお母さんと一緒に座って一生懸命話を聞いている子どもが目に入りました。Aさんとの最初の出会いでした。
 式が終わって、私はAさんのそばに行き「一緒に教室に行こっ。」と言ってみると、Aさんは頷くようにしてついて来ました。何だか、心が通じたようで、少し嬉しくなりました。
 子どもの心を早くつかみ、信頼関係・人間関係を築いていくことが重要だと思いました。
 Aさんは毎朝おばあちゃんと一緒に来ます。私は靴箱の所で待ち、必ずその日の様子を聞くように心がけました。
 教室に入るとカバンから道具を出し、棚にカバンと帽子を置きに行くことからAさんの一日が始まります。勿論これは生活習慣を身につける学習で、私の指導の第一歩ということですが、実は、まわりの友達が親切に教えてくれることでもあるのです。Aさんは皆のまねをしながらすぐにやるようになりました。
 こうした事は他にもあり、最初の頃、教室の中を走り回ったり寝ころんだりしていたAさんでしたが、「Aさん、席に座るんだよ。」と友達が声をかけると、座るようになったこともその一つです。
 Aさんは絵が好きで豊かに表現できますが、まわりの子どもたちもとても感心し、良い影響を受けているようです。子ども同士の関係の中にお互いに育て合う力があることを、改めて感じさせられました。

 

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教育相談セクション


 

 

好かれる先生ア・ラ・カルト

 

   

 学校教育は,教師と子どもの信頼関係の上に成立すると言われる。

どのような子どもであろうと「好きになる」ということが信頼の第一歩になると考えるならば,「好かれる先生」になることが,子どもの信頼を得るひとつの条件になるのではなかと思われる。
 しかし、その場を何とか治めるために,気安く子どもに迎合したり,すり寄っても,子どもは本能的にそれを見分ける力を持っていると思う。
 たとえ一時的によく見えたとしても,中,長期的にわたっては,敬愛の念は生まれてこないであろう。
 最終的には,オーバーヒートでは困るが,理屈抜きで,目配り,気配りを心がけた上での,教師の愛情,やる気,気概,情熱等に尽きるのではないだろうか。
 子どもに好かれる先生の要件は,これだと限定することは難しく,数多くの事柄があろうと思うが,ここでは10項目にしぼって掲げてみた。
 勿論,これら以外にも好かれる項目は,まだまだあると思うが……。

 

〔1〕明朗でさっぱりとしており,

   こせこせしない先生。
〔2〕親しみやすく,

   親切でユーモアのセンスのある先生。 
〔3〕さわやかで,

   きびきびしている先生。

 

 

〔4〕落ち着いていて,
   感情を神経質にあらわさない先生。
〔5〕担当する教科の実力があり,また,
   専門外でも教養をもち,
   常識をわきまえた先生。
〔6〕わかるように教え,
   よく説明してくれる指導の上手な先生。
〔7〕子どもをよく理解し,

   子どもとともに考え,
   話し合おうとする先生。   
〔8〕えこひいきをしないで,
   子どもを公平に取り扱う先生。
〔9〕いつも自分を高めていこうと努め,
   研究心旺盛で指導に熱心な先生。
〔10〕子どもの言い分をよく聞いてくれる先生,
   またやさしい反面,
   しつけや生活指導に厳しく,
   自らも約束やきまりをきちんと守る先生。

 

 以上挙げた項目をすべてクリアーする教師がいたとしたら,まさにスーパー教師と言っていいだろう。
 一方,明朗でなく……。親しみやすくなく……。さわやかでなく……。というように前記の文を否定形に直してみれば「好かれる先生」とは逆な像が浮かび上がってくる。
 子どもや保護者に信頼される教師であるためにも,時には冷静に日頃の教育活動を肯定的に捉えたり,否定的に捉えたりして自己分析し,明日の教育につなげていきたい。
 教育基本法にもあるとおり,教育の目的は,人格の完成を目指すことにある。教師はその仕事にたずさわっていることを自覚し,認識する必要があるのではないかと思う。

 

(学校学級経営相談室 小田切武夫)

 

 

教育研究所図書室に以下のような図書が新刊コーナーにございます。
この夏休みにいかがでしょうか?

 

・「信頼される先生 敬遠される先生」 飯田 稔  学陽書房
・「子どもに嫌われる先生 新しい授業、これからの教師像」 荒木 肇  並木書房
・「エンカウンターとは何か 教師が学校で生かすために」 國分 康孝他  図書文化
・「子どもを見る目を鍛える」 無藤 隆、澤本 和子、寺崎 千秋  ぎょうせい
・「教師 生きるヒント 教師生活を充実させるための20章」 関根 正明  学事出版
・「小学生がつける 先生の通信簿」 中央大学政策科学研究室  アミューズブックス
・「教師のためのからだとことば考」 竹内 敏晴  筑摩書房

 

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研修セクション


 

 八月の研修案内

 

 

基本研修

 

☆ 初任者研修

 6日(火)保健安全教育 9:00~17:00 横須賀アリーナ

 ・実習 心肺蘇生 市内消防署職員

 ・「学校における安全教育」

 学校保健課 黒岩 一隆 指導主事

 鴨居中学校 松原 幸吉 教諭

 

 8日(木)学級経営と授業づくりII(中) 9:30~17:00 教育研究所

 ・「中学校教育における学習活動の進め方と教材の価値を考える」

 追浜中学校 石綿 勇 校長

 ・「中学校における道徳教育のあり方」

 上の台中学校 佐藤 昌俊 教諭

 

 9日(金)学級経営と授業づくりII(小) 9:30~17:00 教育研究所

 ・「小学校教育における学習活動の進め方と教材の価値を考える」

 鴨居小学校 青木 良紀 校長

 ・「小学校における道徳教育のあり方」

 馬堀小学校 西田 隆信 教頭

 

 1日(木)~20日(火)

 ふれあい合同研修(II)、体験活動(1日間)

 

 21日(水)~24日(土)

 ふれあい合同研修(III) 9:30 本厚木集合

 愛川ふれあいの村(宿泊)

 ・自然体験,奉仕活動,協議 他

 

 28日(水)児童・生徒指導 9:30~17:00 教育研究所

 ・「児童・生徒指導の基本的なおさえ」

 神明中学校 松永 和夫 校長

 ・「教職員の服務に関して」     
 教職員課 本間 健一 指導主事

 

☆ 6年次研修

 23日(金)情報教育に関する研修 9:30~17:00 教育研究所

 ・「情報モラルについて」

 横浜国立大学 大島 聡 助教授

 

☆ 養護教諭6年次研修

 6日(火)専門分野研修 9:20~16:00 総合教育センター(宿泊)

 ・「学校保健の現状と課題」

 ・「健康教育の進め方」

 

 7日(水)専門分野研修 9:20~16:00 総合教育センター

 ・「心の健康事例研究」

 ・「養護教諭が行う救急処置等の実際」

 

 29日(木)専門分野研修 9:20~16:00 総合教育センター

 ・「学校保健における情報化について」
 ・「健康教育の進め方」

 

☆ 社会体験研修
 事業所訪問(1日間)、事業所体験研修(3~5日間)
 22日(木)実践交流 13:30~17:00 教育研究所

 

☆ 16年次研修
 5日(月)社会理解に関する研修 9:30~17:00 教育研究所

 ・講義「社会から学校を見る」

 元横須賀青年会議所理事長 高地 晃宏 氏
 

☆ 養護教諭16年次研修
 5日(月)社会理解に関する研修 9:30~17:00 教育研究所

 ・講義「社会から学校を見る」
 

 7日(水)専門分野研修 9:20~16:00 総合教育センター(宿泊)
 ・「学校保健の現状と課題」
 ・「養護教諭が行う救急処置等の実際」

 

 8日(木)専門分野研修 9:20~16:00 総合教育センター
 ・「心の健康事例研究」
 ・「地域社会との連携をめざす 健康教育の推進」

 

 29日(木)専門分野研修 9:20~16:00 総合教育センター
 ・「学校保健における情報化について」

 

☆26年次研修
 21日(水)各自のテーマに基づいた研修 9:30~17:00 教育研究所
 ・講義「これからの学校のあり方」 横浜国立大学 高橋 勝 教授

 

 

 

その他の研修

 

☆ 教育相談研修講座

 7日(水)9:30~11:30 教育研究所
 ・講義「子どもを育てるカウンセリング」
 川崎市教育委員会 高橋 あつ子 指導主事

 

 7日(水)13:00~15:00 教育研究所
 ・講義「子ども同士の支え合う力を伸ばす」
 横浜市立保土ヶ谷中学校 檜垣 明宏 教諭

 

 19日・20日 9:30~16:30 教育研究所
 ・講習「WISC検査の実技講習」
 教育研究所 北村 耕一 指導主事

 

☆ 理科研修講座 科学教養講座 (申込制)
 29日(木)9:30~12:00 海洋科学技術センター
 ・「海底の魅力を探る」 海洋科学技術センタースタッフ

 

☆ 情報教育研修講座 初めてコース
 ワープロソフト利用コース 1日・2日
 表計算ソフト利用コース 5日・6日
 プレゼンテーションコース 22日・23日
 ホームページ作成コース 26日・27日

 

 

(研修セクション TEL34-9308 : 中山・木屋・北村)

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教育情報セクション


 

「はじめてコース」の各2日・8回ずつの研修と,情報教育担当者養成研修で,今月の情報教育研修室は連日の研修となります。また,新たな試みとして「経験者コース」の参加申込をネットワーク上で受け付けます。

 

 

■ 情報教育研修室の環境が新しくなりました
 研究所3階研修室のコンピュータが更新されました。新しい環境では研修機が20台に拡張され,ソフトも小・中学校それぞれのコンピュータ教室とほぼ同じ環境になりました。
また,OSと各端末を管理するソフトも,小学校と同じMeとwinbird,中学校の98SEとPcsemiと,研修室全体が小・中学校のコンピュータ教室と同様の環境になりましたので,単独のソフトの研修だけでなく,コンピュータ教室のネットワークを活用した実践研修も可能となりました。

 

■ 情報教育担当者研修講座
 各学校の情報化のリーダーを養成するため,「情報教育担当者研修講座」を行っています。6月には「教育の情報化」の流れや目的,横須賀の取り組み等を確認し,具体的に各学校で行ってほしいこと,注意してほしいこと等をお話ししました。8月にはファイルサーバの管理方法,グループウエアの操作方法等実践的な内容の研修を行います。
 今ある環境をより有効に活用していけるよう,各学校での積極的な利用を推進していってください。

 

■ 研修のオンライン申し込み
 9月から始まる「経験者コース」の申し込みをネットワーク上からできるようにしました。
横須賀市教育情報センターのトップページにあるボタンで,「教育研究所セミナー参加申込みページ」を開くことができます。
 参加の申し込みは,希望のセミナー名の募集要項ごとにある「セミナー申込みフォーム」に名前・学校名・取消キーを記入し,申込みボタンをクリックして申し込みます。
・名前:氏名を正確に入力してください。
・学校名:学校種まで入力してください。
・取消キー:自身の申込みを取り消すときに必 要になりますので,忘れないで下さい。
・コメント:担当者にメッセージが有る場合に はここに記入して下さい。たとえば,同一内 容が2日間あるときなどは希望日を指定してください。

 

 

※確認 申込者一覧で申込者の状況を確認することができますので,ご検討の上で申込みをして下さい。
 参加が決定した方には,担当より受講決定の連絡を学校長宛にeメールで連絡します。
 市の規模でははじめての試みです。学校のITを推進するためにも積極的な利用をお願いします。

 

■ 理科実験室から
 研究所のカイコはすべて繭になりました。
 正確には,「もう幼虫の状態のカイコガはいません。」と言うべきでしょう。繭になることができずに死んでしまったカイコガの幼虫もいたからです。
研究所で卵からかえった1令幼虫の数は全部で441匹,うち4令までに死んだもの2匹,5令(最終令)で死んだもの12匹,全体の約3%が幼虫のうちに死んでしまいました。
 驚いたのは,もう繭を作る大きさまで十分成長した5令幼虫が,糸を吐きながらも形にできず,うろうろとしながらどんどん小さくなり,死んでしまうことでした。
さらには,球形に糸を吐き出したものの,繭として完成させることなく,自分自身もさなぎになることができず,動かなくなってしまうものが7匹もいました。
十分に注意して育てたものの,さなぎにまで変態できなかったものが,全体の約5%もありました。
途中で死ぬ原因はわかりませんが,おそらく体内に備えた成長の遺伝子プログラムをほんの一つ踏み外した(もしくは欠損していた)ことで,もう生命のレールを走ることができなくなっているような気がします。
 自然の中では,さらにさまざまな原因があり,成虫になれるのは数%です。
 先月,小学校の授業を見る機会がありました。児童ひとりひとりに1匹のカイコガの幼虫を飼育させて,その成長に気づかせる授業でした。

 個体の成長はさまざまでしたが,中には子ども達のせいではなく,成長を止めてしまうものもいることを知っておくと良いでしょう。

 

 

(教育情報セクション 
   小谷 直通TEL37-1338・坂庭 直通TEL36-6104・一栁 直通TEL36-2418)

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こくばん


 

研究委員会だより 

 障害児教育研究員会

 

『障害児教育の新しい方向性にむけての研究』
~交流教育を通して~

 

 本研究会では、『21世紀の特殊教育の在り方について(最終報告)』をふまえ、障害児教育の新しい方向性について、交流教育を通して研究を進めることにしました。
研究一年目の昨年度は、研究員の各学校における交流教育の実態について話し合い、意見交換する中から、次のような研究の柱立てを設定しました。

 

 (1)どのような交流が可能か。
 *具体的の交流の手だてを考えていく。
 (2)交流教育の意味・成果をどう表現するか。
 (3)教職員の意識をどのように高めていくか。
 *校内体制の確立・校内研修のあり方 等
 (4)通常学級の子どもたちの意識をどう高めていくか。
 (5)本人・保護者の思いや願いをどのように交流教育に反映していくか。

 

 上記の柱立てにそって研究員の各学校における交流教育について現状分析してみると、次のような課題と方向性が明らかになってきました。

 

 【A】創生期の交流(特殊学級新設校では)
 ・子どもたちへの対応など、具体的な関わり方に関する共通理解と学校体制の確立
 【B】交流の再構築(以前交流が盛んだった学校では)
 ・交流教育再開にむけての具体的取り組み

 

 【C】学校体制として位置づけられている交流
 ・学校生活全体を含めた交流の発展
 ・「交流教育」と「総合的な学習の時間」との関連…これまでの交流の成果をどのように教育課程に位置づけていくか。
 【D】養護学校における交流
 ・児童生徒の居住地交流(小学部、中学部)
 ・理学療法士(PT)、作業療法士(OT)に関連する交流

 

 研究二年目の今年度は、交流教育に関する実態を全市的に捉えるためにアンケート調査を実施し、その結果を分析していきたいと考えております。
 さらに、研究三年目の来年度には、この分析結果を基に「交流教育における今後の課題と方向性について」、研究成果として発表していきたいと考えております。

 


青山一江 (市立養護学校)
小川瑞江  (桜台中学校)
荻野量一  (武山中学校)
川名裕子  (望洋小学校)
荒川正敏  (明浜小学校)

 

 

 

■ 夏季休業を前に

 

 学校5日制の完全実施で放課後がますます忙しくなり、研修や出張にも出にくい、教材研究の時間も十分とれない、という先生方の声も聞かれます。
 一方で、観点別評価や評定の問題と絡め、授業のあり方が問われてきています。

夏季休業中にもたくさんの研修が組まれ、参加を予定されている方も多いと思います。
 こうした研修会に積極的に参加をしていただきたいのはもちろんですが、加えて自ら課題を設定した“学び”を計画し、「教師としての力量」や「人間としての幅」を増していただくようお願いします。

 

 

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更新日:2023年10月31日 21:22:35