月報 2002年度 8月号
平成14年(2002年)8月1日
編集発行・横須賀市教育研究所/代表・小山 雄二
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巻頭
求められる客観性・ 信頼性のある評価の工夫
~問われる日常的な評価の積み重ねと 通知表・指導要録の改善~ (1)
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◆ 答申においては、観点別学習状況の評価を基本とする現行の評価方法を発展させ、目標に準拠した評価を一層重視するとの基本的な考え方に立っている。
◆ 平成14年2月には、国立教育政策研究所の教育課程政策センターから各学校の参考資料となる「評価規準の作成、評価方法の工夫改善」が報告された。この参考資料は、教課審答申の課題にすべて答えているわけではない。例示に基づきながら各学校でより具体的な作成が求められている。
◆ 保護者から信頼されるには、子どもたちにしっかりとした「学力」をつけなければならない。「学力」は学習指導要領が示す『基礎的・基本的な内容』に『自ら学び考える力』などの「生きる力」を含めたものである。「学力」は、一人一人の到達度や個人内のよさや可能性、総合的な学習などの評価結果のトータルから評価するようにしたい。
◆ 通知表の評価においても、これまでの相対評価による評価からの転換を図り、絶対評価と個人評価の両面を生かす評価を充実させることが大切であろう。そして、学習の過程における評価の充実に取り組み、1学期の到達度評価の結果を、2学期以降の指導に生かす工夫をすることが重要である。 ◆今後は、単元修了後、学期末、学年末ごとにそのことの共通理解を深めて、学校の評価観を確立し、客観性や信頼性のあるものに改善していくことが求められる。
(小山 雄二)
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◆ 平成14年4月より新しい学習指導要領が完全実施になって4か月が過ぎようとしている。各学校では、学年末の通知表を担任の先生から子どもたちは受け取った。子どもたちは勿論、保護者にとっても今までとは違った思いで通知表を受け取ったのではないかと思う。教師にとっては、指導の改善に、子どもたちにとっては、これまでがんばった学習の成果としての充実感・達成感やこれからもっとがんばりたいといったこと、また、保護者の立場で真剣に通知表での評価を受け止めたのではないかと思っている。
◆ 通知表に関して横須賀市教育委員会では、小・中学校の校長会代表、教頭会代表、教員代表の方々を通知表検討委員として委託し、平成11年の7月より保護者などからアンケートをとったり、各学校で使用されている通知表の実態調査をした。そして、新教育課程の理念に基づいた通知表づくりの検討に入り、平成12年7月より、各教科・領域専門部会を立ち上げ、観点別学習状況欄の評価項目の検討を進め、「新しい通知表」について平成13年5月に報告があり、各学校で活用されている。
◆ 振り返ると、平成10年度に告示された新しい学習指導要領は、完全学校週5日制の下、基礎的・基本的な内容の確実な習得を図り、自ら学び自ら考えるなどの「生きる力」を育成することを基本的なねらいとしている。
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特集
障害児教育を考える |
子どもの立場にたって
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友達との関わりから
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長浦小学校 教諭 鈴木 惠
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野比東小学校 教諭 角井 久子
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言葉がない、多動、コミュニケーションがとれない、パニックをおこす。私はこんな子どもたちとたくさん出会い、共に過ごしてきました。 この子らの無限の可能性を信じて興味をもっていることから自立にむけての課題をみつけます。本人がやりたいという気持ちになるよう楽しみながらできる教材、教具を工夫します。結果はすぐには求めず、取り組む過程をだいじにします。小さな小さなステップですが、変化が見られたその時は喜びをいっぱい表現し満足感を与えます 日々の生活の中で悩んだり落ち込んだりすることはたくさんあります。でも私の目をのぞきこんで訴えるあのまっすぐな美しい目と、私の心をひきこむあの笑顔にあいたくてがんばっている気がします。私はこの子らからたくさんのパワーとゆっくりとした心を受け取っています。これからも生命の大切さ、自然の美しさ、共に生きる喜びを語り続けていきたいと思います。
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初めての障害児学級の担任で、しかも、子どものことは、何一つ分からないままの対面なのでドキドキでした。入学式が始まり、一年担任の発表で子どもたちの前へ出た時、1年2組の子どもたちの席にお母さんと一緒に座って一生懸命話を聞いている子どもが目に入りました。Aさんとの最初の出会いでした。
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教育相談セクション
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教育研究所図書室に以下のような図書が新刊コーナーにございます。
この夏休みにいかがでしょうか?
・「信頼される先生 敬遠される先生」 飯田 稔 学陽書房
・「子どもに嫌われる先生 新しい授業、これからの教師像」 荒木 肇 並木書房
・「エンカウンターとは何か 教師が学校で生かすために」 國分 康孝他 図書文化
・「子どもを見る目を鍛える」 無藤 隆、澤本 和子、寺崎 千秋 ぎょうせい
・「教師 生きるヒント 教師生活を充実させるための20章」 関根 正明 学事出版
・「小学生がつける 先生の通信簿」 中央大学政策科学研究室 アミューズブックス
・「教師のためのからだとことば考」 竹内 敏晴 筑摩書房
研修セクション
八月の研修案内 |
基本研修
☆ 初任者研修 6日(火)保健安全教育 9:00~17:00 横須賀アリーナ ・実習 心肺蘇生 市内消防署職員 ・「学校における安全教育」 学校保健課 黒岩 一隆 指導主事 鴨居中学校 松原 幸吉 教諭
8日(木)学級経営と授業づくりII(中) 9:30~17:00 教育研究所 ・「中学校教育における学習活動の進め方と教材の価値を考える」 追浜中学校 石綿 勇 校長 ・「中学校における道徳教育のあり方」 上の台中学校 佐藤 昌俊 教諭
9日(金)学級経営と授業づくりII(小) 9:30~17:00 教育研究所 ・「小学校教育における学習活動の進め方と教材の価値を考える」 鴨居小学校 青木 良紀 校長 ・「小学校における道徳教育のあり方」 馬堀小学校 西田 隆信 教頭
1日(木)~20日(火) ふれあい合同研修(II)、体験活動(1日間)
21日(水)~24日(土) ふれあい合同研修(III) 9:30 本厚木集合 愛川ふれあいの村(宿泊) ・自然体験,奉仕活動,協議 他
28日(水)児童・生徒指導 9:30~17:00 教育研究所 ・「児童・生徒指導の基本的なおさえ」 神明中学校 松永 和夫 校長 ・「教職員の服務に関して」
☆ 6年次研修 23日(金)情報教育に関する研修 9:30~17:00 教育研究所 ・「情報モラルについて」 横浜国立大学 大島 聡 助教授
☆ 養護教諭6年次研修 6日(火)専門分野研修 9:20~16:00 総合教育センター(宿泊) ・「学校保健の現状と課題」 ・「健康教育の進め方」
7日(水)専門分野研修 9:20~16:00 総合教育センター ・「心の健康事例研究」 ・「養護教諭が行う救急処置等の実際」
29日(木)専門分野研修 9:20~16:00 総合教育センター ・「学校保健における情報化について」
☆ 社会体験研修 ☆ 16年次研修 ・講義「社会から学校を見る」 元横須賀青年会議所理事長 高地 晃宏 氏 ☆ 養護教諭16年次研修 ・講義「社会から学校を見る」 7日(水)専門分野研修 9:20~16:00 総合教育センター(宿泊) 8日(木)専門分野研修 9:20~16:00 総合教育センター 29日(木)専門分野研修 9:20~16:00 総合教育センター
☆26年次研修
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その他の研修
☆ 教育相談研修講座 7日(水)9:30~11:30 教育研究所 7日(水)13:00~15:00 教育研究所 19日・20日 9:30~16:30 教育研究所 ☆ 理科研修講座 科学教養講座 (申込制) ☆ 情報教育研修講座 初めてコース
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(研修セクション TEL34-9308 : 中山・木屋・北村)
教育情報セクション
「はじめてコース」の各2日・8回ずつの研修と,情報教育担当者養成研修で,今月の情報教育研修室は連日の研修となります。また,新たな試みとして「経験者コース」の参加申込をネットワーク上で受け付けます。 |
■ 情報教育研修室の環境が新しくなりました
■ 情報教育担当者研修講座
■ 研修のオンライン申し込み
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※確認 申込者一覧で申込者の状況を確認することができますので,ご検討の上で申込みをして下さい。
■ 理科実験室から 個体の成長はさまざまでしたが,中には子ども達のせいではなく,成長を止めてしまうものもいることを知っておくと良いでしょう。
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(教育情報セクション
小谷 直通TEL37-1338・坂庭 直通TEL36-6104・一栁 直通TEL36-2418)
こくばん
研究委員会だより 障害児教育研究員会
『障害児教育の新しい方向性にむけての研究』
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■ 夏季休業を前に
学校5日制の完全実施で放課後がますます忙しくなり、研修や出張にも出にくい、教材研究の時間も十分とれない、という先生方の声も聞かれます。 夏季休業中にもたくさんの研修が組まれ、参加を予定されている方も多いと思います。
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更新日:2023年10月31日 21:22:35