月報 2003年度 8月号
平成15年(2003年)8月1日
編集発行・横須賀市教育研究所/代表・五ノ井文男
〒239-0831 横須賀市久里浜6-14-3
TEL(046)836-2443(代) FAX(046)836-2445
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巻頭
「開国の地」と「開かれた学校」
教育研究所から徒歩10分ほどのところに、ペリー公園があります。休日を利用して久しぶりに訪ねてみました。中央部に大きな記念碑の建つ公園とともに記念館を見学し、目の前に広がる海岸線の砂浜に降り、「泰平の眠りをさます蒸気船、たった四杯で夜も眠れず」と狂歌にも謳われた150年前に思いを馳せてみました。 |
さて、今や高度経済成長を経て、先進工業国として世界にゆるぎない地位を築いたわが国の社会は、国際化、情報化の進展、少子高齢化など、急速にかつ大きく変貌を遂げつつあります。その中にあって学校は、社会の変化に的確に対応することのできる教育の実践を、求められているのではないでしょうか。 (指導主事 椿本 幸光) |
特集
■■ 「総合的な学習の時間」を考える ■■ |
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「子どもたちが輝く時…」 大塚台小学校 教諭 岩田 嘉純
「総合的な学習」を展開していく上で、私が大切にしていることは、次の三つです。
今年度、77名の5年生と共に決めたスローガンは、「みんなで力を合わせて、『世の中やまちの様子が変わるような…』・『自分の生き方が変わるような…』すごいことをやろう!」というものです。そして、この時間枠の名称は「自分もみんなも幸せになる」という願いを込めて「Happy Time」としました。 |
「個の成長を見つめて」 大楠中学校 教諭 伊部 えりさ
昨年7月の初旬、「総合的な学習の時間」のまとめの発表会でのことでした。学級内でグループごとに一人ずつ2~3分程度自分の発表について述べていく中、一人の男子生徒が自分の番が近づくと、頭を抱えてしゃがみ込み、私が何を言っても貝のように口を閉ざしたままとなってしまいました。数分後、彼はようやく絞り出すような声で「難しい。」と一言だけ言いました。テーマを掴みきれず、追究活動がうまくいってなかったので何も伝えられないのでした。それならそれで、もうどうにもならないのだから、そのことだけでもみんなに伝えなさいと何度も声をかけました。私は彼に、苦悩する自分としっかり向き合ってほしかったのです。 |
教育史
【写真に見る横須賀の教育のあゆみ 8】 | ||
〔PTAのあゆみ〕
○横須賀市のPTA誕生
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○PTAの活動
イ、総会-各学期1回以上(会計報告、事業報告、委員会報告を行う。自由討議と重要事項を表決)
ロ、運営委員会-毎月1回以上開催(計画と遂行)
ハ、常置委員会-委員会毎に随時(運営委員会と綿密な連絡をとり、本会の推進力となり趣旨の徹底をはかり、運営に協力する)
ニ、学級父母懇談会-毎月1回開催(担任対父母、父母対父母等相互に懇談をし、新教育に対する考え方や指導法を知り、児童の学習、行動、保険、進学等あらゆる部面の方策を図る)
ホ、教育となり組長会-近隣10~15人の児童の父母代表の会(長期休暇中の学校の方針及び行事を語り、生活指導全般についてお互いに協力すべく懇談をする)
ヘ、成人教育-毎学期1回以上(後援会、講習会、映画会等開催地他校参観、文化施設、生産工場等視察見聞を広め会員の教養を高める)
ト、資金獲得のための事業(廃品回収、運動会売店、演芸会開催)
チ、児童活動の補助活動。教材教具購入充実。
リ、環境浄化に取り組む。学校周辺の風紀対策。
(昭和59(1984)年5月 横須賀市立田戸小学校
(教育史・図書資料担当 佐藤隆晃) |
研修セクション
研修よもやま話
■「十年一昔」と言いますから「一昔」より昔の話になります。とある研修に参加した折に担当指導主事から「『学び』を本当に身につけようと思うならば、『身銭をきる』ことが一番です。」と聞かされました。 その時は「厳しいけれど、その通りだな…」程度の感想を持った微かな記憶があります。
■「自らの興味関心に基づく内容の研修であるならば参加するが、そうでないものならば参加したくない」というのが人の情だと思います。しかし、自分の知らない分野について研修で学ぶことも大切で、後々、役立つでしょう。
■研修セクションでは、学校教育における課題について、様々な観点から情報を得て、次年度の研修の企画立案を行っています。 時には先生方が必要としている内容とタイムラグが生じてしまったこともありました。そうしたご指摘を謙虚に受け止め、横須賀の教育の数年先の動向を見据えて、今後も努力していきます。
■4・5月に開催した研修の感想をいくつかご紹介します。先生方からいただいた評価や感想を参考にして、今後の研修を運営していきたいと考えております。多くの先生方の積極的なご参加をお待ちしております。
〈6年次研修より〉
「今回の研修に臨むにあたり、今までの自分は何ができてきて、何が足りないかを振り返る機会だなと思っています。所長がおっしゃられた豊かな人間性を持ち続けることが大切だというのは、とても印象に残りました。自分の指導観を高めていきたいと思います。」
〈教育課題研修より〉
「(男女に対し)怒り方・誉め方・与える課題・向上心を変えるなど、家庭教育・学校教育・メディアが性別を作っているというお話を伺い、本当に納得できると思いました。何気なく使っている言葉や接し方を見直していかなければと実感しました。」
〈教育課程研修より〉
「現在、学校に求められていることが、具体的に述べられていてわかりやすかった。教員が今、抱えている問題を理解して話して下さっているので、共感でき納得できる点も多かった。ただ、『変わる』ということは難しいとも思いました。」
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8月に開催する研修(夏季研修を除く)
-基本研修講座- ★初任者研修(新採用養護教諭を含む) 8月 5日(火) 「保健安全教育」 本庁 8月21日(木)~23日(土) 「宿泊研修」 三浦ふれあいの村 ★年次教職経験者研修 8月20日(水) 「学級経営に関する研修」 教育研究所 ★11年次教職経験者研修 8月11日(月) 「児童生徒指導に関する研修」 教育研究所 8月18日(月)~8月22日(金) 「社会体験研修」 市内各事業所 ★16年次教職経験者研修 8月18日(月) 「社会理解に関する研修」 教育研究所 ★26年次教職経験者研修 8月19日(火) 「各自のテーマに基づいた研修」 教育研究所 ★学校栄養職員新採用研修 8月 1日(金)、8月19日(火)、 8月20日(水) 「専門分野に関する研修」 神奈川県給食会館 ★学校栄養職員6年次経験者研修 8月1日(金) 「専門分野に関する研修」 学校給食会館 ★学校栄養職員11年次経験者研修 8月 1日(金)、8月 5日(火)、 8月27日(水)、8月28日(木) 「専門分野に関する研修」 学校給食会館 -中学校教育課程担当者研修講座- 8月20日(水) 教育研究所 講義「評価を生かす指導のあり方」他 -教育相談研修講座- 8月1日(金) 総合福祉会館 午前 「構成的グループエンカウンターの演習」 午後 「信頼関係をつくる聴き方、話し方の実際」
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指導主事:木屋・望月・椿本・北村
教育情報セクション
8月の教育情報セクション関係研修
・すべて事前申し込み制です。 ・いずれも詳細はイントラネットの参加申し込みをご覧下さい。 ◎理科研修講座
21日(水) 理科基礎技術講座 第4回 9:30 「自然観察会~前田川の自然~」
22日(火) 小・中学校理科教材研究講座 第4回 10:00 「実験観察の工夫I」
25日(月)理科基礎技術講座 第5回 13:00 「総合で取り組む地域学習のノウハウ」 *この第5回は追加講座です
================= ◎情報教育研修講座(9:00開始) 1日(金)プレゼンテーション2 4日(月)画像処理1 5日(火)画像処理2 6日(水)ホームページ作成
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■「学校ITアドバイザー」をご存じですか?
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学校で先生方が使うコンピュータのそばに、一太郎やワード、エクセルといったソフトのマニュアル本(解説書)が置かれていますか。できれば、全機能が解説されていて、調べたいことを辞書のようにひくことができるページ数の多いものを学校で備えておくことをお勧めします。 |
指導主事
高木 TEL:837-1338
一栁 TEL:836-2418
坂庭 TEL:836-6104
こくばん
研究員会だより | |
環境教育研究員会 『身近な環境を教育に生かす』 |
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環境教育はこれまで生活科、理科、選択理科、総合的な学習の時間、特活、あるいは委員会活動やクラブ活動、部活動の中でとりあげられてきました。それらは温暖化等グローバルな視点からのもの、ビオトープやトンボ池の作製あるいは地域のゴミ調べなど、その指導や学習の方法・内容は多岐に及んでいますが、単年度の取り組みのものが多く、系統立てて行われていることは少ないように思います。 教育研究所の研究員会において、これまでに何度も環境教育についての研究を行い、研究紀要としての報告がされています。それらはかつての文部省が出していた「環境教育の定義やねらい」に即してのカリキュラムづくりが主なものでした。 今年度立ち上げた環境教育研究員会では、子どもたちにいちばん身近な、“学校内の自然環境等をどのように整備し、それらに校地周辺を含めた環境をどのように教育に生かすことができるか”にテーマを絞った研究を行っていくこととしました。 |
2年の研究期間で以下の2点についての研究調査を行い、学校の環境整備・活用例を紀要として残したと考えています。 (1)校内外で教育に活用されている、あるいは活用できる自然環境の現状の把握 (2)校内外の自然環境の整備と教育活動への活用 今年度の研究は上記(1)に基づくもので、すでに各校へアンケートをお願いし、ご協力を得ることができました。ありがとうございました。これからはこのアンケートの分析や学校の環境見学等を行い、来年度は学校に何かお返しできるものを作っていきたいと考えています。
平野 邦好 (馬堀小学校) |
(訂正とお詫び)
7月号6ページの研究員の桐生すみ子先生の学校名は小原台小学校の誤りでした。申し訳ありませんでした。ここにお詫びと訂正をさせていただきます。
新年度が始まってから、日々慌しさと忙しさの中、目まぐるしく毎日が過ぎ去っていった4ヶ月ではなかったでしょうか。
夏季休業になり、自分の時間が取り易くなります。この貴重な時間をどのように利用するかは、一人一人に任された部分です。日頃時間がなく、自分がやりたくてもできなかった分野に取り組む絶好の機会でもありますし、また、様々な研修に参加し、自己啓発や視野を広げることもできるでしょう。夏季休業がスタートする今、自分なりの課題を設定し、有意義な日々を過ごされることを期待しています。
更新日:2023年10月31日 23:49:21