月報 2004年度 10月号

 

平成15年(2003年)10月1日
編集発行・横須賀市教育研究所/代表・五ノ井文男
〒239-0831 横須賀市久里浜6-14-3
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巻頭 特集 横須賀教育史
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巻頭



「教えること」  「気づかせること」 

  先日受けた、コーチングの研修でとても印象的な言葉に出会いました。「自ら気づいたことだけが、行動の変容をもたらす」というものです。このことは、子どもの教育や、毎日の授業を考えるうえで、忘れてはならない大切なことを示唆していると思います。
 「いくら周りが口を酸っぱくして言ってきかせても、それだけでは、相手の行動を変容させることはできない。本人が、自分で気づいて初めて行動は変わるものだ」自分のこれまでをふり返ってもまさにその通り。人は、失敗して痛い目にあい、初めて自分の足りなかったことを考え、次からの行動を改めていくものです。つまり、「成長の原動力」は「失敗からの気づき」ということができるでしょう。どうしようもなく腹が立つのは自分自身に対してで、どこにも持って行き場のない気持ちに耐え、そこから自分を変えていくしかないことに気がついていく、そんなことの繰り返しで人は成長していくのでしょう。ですから私たち大人は、子どもたちが失敗ができる場を奪ってしまってはいけないのだと考えます。
 しかし、最近の子どもたちを見ていると、失敗は悪いことだ、失敗をしてはいけないという思いが必要以上に強いように感じることがあります。楽しむゲームでさえ、勝てないとことを許せなかったり、一度失敗したことを気にしすぎて臆病になってしまったり。私たち大人が子どもにそう思い込ませてしまっているのかもしれません。失敗は決して終わりではないのに、失敗しないように先回りして手を貸したり、失敗せずにできたことばかりをほめたり、うまくいかなかったことにが
っかりし過ぎたりしてはいないでしょうか。

 学習においても「自分で気づく」と言うことは、大変意味あることだと考えます。もう何十年も前のことになりますが、私は小学校3年生の理科の時間に、水と空気が入れ替わる現象に初めて気づいた時のことを、今も鮮明に覚えています。先生は大きなたらいに水を張り、透明な瓶を一人一人に配りました。瓶を逆さに水の中に押し込み少し斜めにするだけのことなのですが、何度も何度もやってみることから、今までなんとなく分かっているつもりだった現象の仕組みが初めて理解できたのです。感動でした。誰かに説明したい気持ちに溢れていたのを思い出します。あの時、先生が説明し、簡単に教えてくれていたら、このような喜びはもちろん、ものごとをよく見ることのおもしろさにも気づくことはなかったでしょう。意図して「気づく場」を与えてくださった先生に、今、心から感謝しています。
 学校は、できることを重視しすぎて失敗の許されない窮屈な場所になってはいないでしょうか。忙しさの中で、子どもたちの気づきを待つ余裕をなくしてはいないでしょうか。
学校は、子どもたちが悪戦苦闘し、様々な仲間の中で成功的失敗をくり返しながら、たくましく育っていけるような所であってほしいと思います。自然の摂理の不思議や先人の知恵に気づき、学ぶことのおもしろさを感じながら、成長していけるところであってほしいと願います。
 ゆっくり自分と向き合い、自分が自分であることの手応えを感じながら生活できる「本当に豊かな環境」を提供していくことこそ、私たち大人の役割なのではないでしょうか。

( 指導主事  北原 正子 )

 

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特集        


『校内研修の充実』

計画的な研修の設定を


     衣笠小学校 教諭 大西 正康  

 もう何年も前になるが、民間研修で東京の化粧品会社に行ったことがある。目が覚める思いの連続だったが、何はさておき、この会社の研修に対する熱意にはただ驚くばかりだった。年齢や職種など各ステージに応じた研修メニューがふんだんに用意され、当然のように消化されていた。説明してくれた女子社員はこう語ったものだ。『この会社は、研修の成果をみんなのものにして必ずその後の結果に繋げています。そのことを社員みんなが理解しています。だからこそ、この会社には仕事を通して自分を語れる人が多いんです。』同僚に対して示すこの信頼感とそれを醸成する社内研修の体制に羨望の念を禁じ得なかった。
 さて、翻って学校ではどうだろうか。変貌激しい教育の現状。続出する課題に振り回されるような日常の中で、それに追いつき、十分な対処を施すための校内研修は民間会社に負けず劣らずその必要性を増している。校内各部門の担当者が各々研修課題を一つずつ出したとしても、相当数となる。また、例えば本校でかつて行った『座禅体験』『お面木彫り』『地域歴史散策』など、直接の教育課題対応型ではない研修も、それはそれでどこか皆がホッとするような意義のあるものだった。それら硬軟を取り混ぜて、どのようにこなしていくかという校内研修の年間計画の策定という面で、学校はいささか弱いのではないかと感じる。思いつきの連なりではなく、学校全体の必要度に応じた研修の設定を、それこそ<コーディネイト>していく機能の充実が望まれていると思う。
 計画的で地道な校内研修の積み重ねが、やがてはその学校独自の<特色>として大きく結実していくのではないだろうか。

今何を研修すべきか

         常葉中学校 教諭  松井 悟

 今現場には、十分な研鑽や検証をされないままに様々なことが怒濤のように流れ込んでいる。保護者や社会のニーズに迅速に対応しているとも言えるが、あまりにも性急すぎる気がする。そのひとつが「いわゆる絶対評価」である。これについては、入試に関わって導入当時から心配されていた通り、今、大きな問題点として論じられ、学校現場に混乱が生じている。このような状況の中、今何を研究・研修していくべきであろうか。
 本年度本校では、「やる気を育てる授業の創造(3年計画の一年目)」「評価システムの構築」の二本柱をもって研修を計画・実践している。
 本校でも今年度より、二学期制が導入された。本来ゆとりがあるはずの二学期制が、7月の仮評価(1・2年生も仮の観点別評価を出している)を入れると、3年生などは年間4回の成績業務を行うことになる。「いわゆる絶対評価」においては、全体の評価・評定を出すことに時間をかけるべきではない。どのような視点でひとつひとつの資料を見取り、重み付けをどうつけるかといったものに時間をかけ、研究すべきである。そこで、今まで各教科担任が独自に行っていた評価の算出方法を統一したシステムで行い、評価から通知表までの一連の成績業務の効率化を図るために、通知表の工夫と合わせ、PCの研修を進めている。しかし、この実践は単に成績業務の効率化に止まらない。今まではお互いに不透明だった評価方法が統一されたことによって、オープンにされた。このことにより、各観点における資料数・内容・資料間の比率といったことの研鑽を容易にした。生徒の評価をより正確に行うための研修として、大変有効になると考える。

 

 

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横須賀教育史


【写真・資料に見る横須賀の教育のあゆみ11】

 ○久里浜小学校 昭和23年初等、母の会の会長はじめ母親たちが、東京の百貨店に5000円を持って赴き、モナコ児童文庫50冊を購入して学校に納めたのが同小の図書館の始まりであった。当時はこのように教師も風呂敷を持って書籍あさりに出かけることがあった。また、図書整備費や施設設備費等はPTAに負うところが大きかった。同校の教師と父母が一体となった図書館づくりや学校図書館カリキュラム等の研究は、その後の市内各校の図書館設立に大きな影響を与えた。                 
○不入斗中学校 昭和25年頃、蔵書の多さに加え、図書室に生徒を集める方法として各種の会合を定期的に持つ、雑誌室の開放、書籍目録の活用、図書館ニュースの発行、館外貸出しの奨励、図書・読書に関する相談相手教師の配置、さらに各教科のカリキュラムの展開に必要な資料収集などが着実に積み上げられ、学校図書館法第4条が掲げる項目を実施していたといえる。昭和28年頃には医務室を改築し 独立図書館を開設した。

 その後、本市では図書資料が豊富になるにつれて、担当教師の図書事務量が増え、司書の問題と絡んで、その解決が根本的課題となった。

◆学校図書館法の成立
  昭和24年に神奈川県学校図書館協議会設立の動きが起こり、翌年に同協議会横須賀支部も発足した。(この時加盟した市内の学校は9校)
  その後、全国図書館協議会(昭和25年 発足)が推進母体となり多くの署名を集め、昭和28年には「学校図書館法」が制定された。この法律によって学校図書館基準が定められ、基準まで高めるための費用の半分は国が負担することとなり、以後学校図書館は急速な歩みで充実に向かった。


◆学校図書館づくりのスタート
  昨今、児童生徒の活字離れや読書をする時間的ゆとりがないなど、読書や学校図書館をめぐる課題が続いてきた。しかし、教育課程の改訂に伴い図書館の活用場面が増え、平成16年度からは各校に司書教諭も配置され、その役割が見直されてきている。今回は“新教育”(戦後に新学制がスタートした頃の学校づくりを当時の教師達はこう称した)の中の学校図書館づくりを取り上げる。

◆“新教育”と学校図書館
  新教育は旧来の教科書中心、教師中心の学習指導法を否定し、児童生徒の自発的学習活動を全面的に取り入れようとしていた。児童生徒にいろいろ調べさせ、それを発表させる形態をとらなければ新教育の授業ではないという風潮もあったため、学習の情報源や資料センターとして、学校に図書館は何としてでも必要であった。
  また、図書館では児童生徒が本を利用するだけでなく、図書館運営に子どもが参加する生活体験や、子どもの自治活動の有効な場であるという教育的意義もとらえていた。
  しかし、学校教育法施行規則(昭和22年公布)第1条に「図書館又は図書室」の設置が規定されているものの、荒廃の中での復興や建設に精一杯の6・3制発足時の小、中学校には、とてもそこまで手の届くような状態ではなかった。 
   

 

【昭和30年 図書室風景 校名不詳】


◆高まる学校図書館づくり
  本市では戦前から児童図書室を設置していた学校がかなりあったようであるが、新教育を推進する中で、職員室の片隅に児童生徒用図書を置いたり、学級文庫を設置したりすることが全市的な広がりとなっていった。こうした動きに大きな影響を与えたのが昭和23年11月にCIE(GHQ/連合国軍総司令部の中で、教育・宗教・文化・世論などを担当した民間情報教育局)の指導のもとで文部省が刊行した「学校図書館の手引き」であった。これによって図書館設置の動きは一段と活発になり、閲覧室の改善、図書館を基調とした学習指導・図書館運営の研究などが広がっていった。久里浜の刑務所へ注文すると、図書閲覧室用の書架・机・椅子などが格安にできるという話がどこからともなく伝わり、各学校からの注文が殺到して、久里浜刑務所が大繁盛したという話がもっともらしく伝わったのもこの頃である。

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研修セクション 


10月の研修講座案内

基本研修

◎初任者研修
   26日(火) 13:30~17:00
       校外授業研究  池上中学校・馬堀中学校・鴨居中学校
◎6年次教職経験者研修
   20日(水)15:30~17:00 ヴェルクホール
       講義「在日外国人の教育に
                   かかわる課題について」
                   川崎市ふれあい館  館長    裵 重度
◎21年次教職経験者研修
   15日(金)15:30~17:00         第1研修室
       講義「学校教育の諸問題とその対処」
                        常葉中学校   校長     北村 澤三郎

その他の研修
◎教育課題研修
   22日(金)15:30~17:00        第1研修室
      パネルディスカッション
       「本市で取り組む不登校対策」
                       教育委員会・本市各課
◎教育相談研修
   15日(金) 15:30~17:00  総合福祉会館4階会議室
       実習「子どもの心を育む
           グループワークトレーニングの実習」
                   カウンセラー・学校心理士   渡辺 悦子
◎情報教育研修
   HP管理コース 16:00~        情報研修室
        《小学校対象》
   19日(火)・22日(金)・26日(火) 
        《中・ろう・養護・高校対象》
   29日(金)   

専門研修
◎教育課程担当者研修  
      《中学校》
   27日(水)15:30~17:00       第1研修室
       演習「学校運営マネジメント
          初級コース~『SWOT分析』を学ぶ~」
                            教育研究所指導主事
◎拠点校指導教員研修
   19日(火) 9:30~17:00        会議室
       現代教育課題に関する研修2

 今年度新設の研修紹介

 文部科学省は、「英語が使える日本人」の育成のための行動計画の一つとして、平成15年度から平成19年度までの5年間 に、全ての英語教員が実践的コミュニケーション能力育成のための指導力向上を図る研修を実施しています。本市におきましては、今年度より夏季休業中に研修を8日間実施しした。研修を受講した桜台中学校の古屋教諭に感想を書いてもらいました。

 英語教員集中研修を受講して

私は今夏、英語教員集中研修講座の一期生として受講する機会を得ました。本研修は、英語教員の主に1英語運用能力 2指導法の改善の2項目の向上を目標に行われました。8日間、朝9時から夕方5時までの研修で、横須賀市においても4年間で全英語教員が受講することになっています。
 夏季学校休業に入るとすぐに、研修テキストが届きました。最終日のTOEIC受検については不安がありましたが、テキストの内容を見た時からワクワクして、開講するのを待っていました。実際、研修は素晴らしいものでした。
午前中は外国人講師より、現代の英語教授法についてあらゆる分野から講義があり、その後それに伴うことについてグループディスカッションをしたり、実際に授業ではどのように扱ったらよいかを検討しました。午後は日本の英語教育にポイントを絞って、日本人の著名な講師からの講義でした。午前中の内容が午後の講義で深められたり、午後の講義が午前中の内容を理解する助けにもなりました。
本研修を受講して、講座内容の素晴らしさ、熱心な講師や受講された先生方にお会いできたことで、新しい事に気付き、様々な教授法を学ぶことができました。
 今後は、自分の生徒たちにどのような形で研修で得たことを還元していくかが、私の大きな課題です。そして、授業での実践を通して、生徒たちが英語に親しみ、興味を感じ、生徒の英語力が向上していくことを英語教師としての楽しみにし、努力を続けていきたいと思います。

(指導主事 木屋・椿本・北村・北原) 

 

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教育情報セクション 


■最終学校ITアドバイザーは10月18日から
 学校ITアドバイザー事業は、10月から来年3月までの半年間の巡回派遣で、当初の予定通り事業を終了します。学校ITアドバイザー事業では、情報教育の推進を目的として、授業サポート、校務の情報化のサポートを中心に学校・先生方のお手伝いをさせて頂きました。
 最後の派遣となる今期(10月から翌年3月)も、基本的な目標は変わりありませんが、これまでのサポート実績から《授業を一人で行う》ための様々なアドバイスと、校内のネットワークの理解のサポートを具体的に進めて行きたいと計画しています。前期と同様に、予め訪問の予定を提示しますので、計画的に活用をお願いします。
 学校ITアドバイザーは、1日から15日まで学校環境の理解と教育ソフトの研修を行います。各学校には13日から15日の間に挨拶と巡回訪問の説明に伺い、実際の訪問は18日から開始します。なお、研修期間が終わるまでは学校ITアドバイザーの派遣はありません。

■スクールデジタルコンテストへ多数の応募 
スクールデジタルコンテストの作品応募が先月17日に締め切られました。応募総数は以下の通りです。
1 ホームページ部門  70点
  (小学校 11点 ・ 中学校 59点)
2 デジタル作品部門  157点
   (小学校 157点 ・ 中学校 0点)
3 教育ネットワーク部門  19点
   (小学校 9点 ・ 中学校 10点)
 第1回目のコンテストですが、たくさんの作品が応募され、事務局は嬉しい悲鳴をあげています。 学年に応じて、楽しくパソコンを使っている様子が作品から伺えます。ご指導にあたってくださった学校の先生方に感謝申し上げます。
 現在は審査の準備に入っていますが、応募作品は来月より、学校からのイントラネットで見ることができます。審査結果と入賞作品は、インターネットでも来月より見ることができます。

■来年度の理科研修講座へのご希望をお寄せください
9月で今年度の理科研修講座15回が終了し、約370名の参加がありました。
夏季研修講座全3回がほぼ定員いっぱいの参加者だったのに対し、同じ夏季休業中の理科研修講座6回への参加者は多くありませんでした。内容や実施日、通知方法など様々な課題が考えられます。
 このような課題を含め、来年度以降の理科研修のあり方について、先生方のご意見を伺うためのアンケートを作成いたしました。ご協力をお願いいたします。

8月20日 小学校中学校理科教材研究講座
 「学校ビオトープづくり」(不入斗中学校)

 



■「読書週間」は、10月27日から11月9日
 先月の17日と24日、読書感想文「横須賀地区」審査会が行われました。今年度も各部門に対してしっかりとした内容の感想文が応募され、審査員からも手応えのある作品が多かったとの感想が寄せられました。各学校での取り組みの成果であると感謝しております。今月後半の27日からは「読書週間」も始まります。学校では、様々な「読書指導」が行われると思いますが、この「読書週間」と合わせて読書感想画コンクールも読書への興味付けの手段として活用して下さい。

(指導主事:高木 TEL837-1338・一栁 TEL836-2418・坂庭 TEL836-6104)

 

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こくばん


 不登校を考える 

 

学校における不登校児童生徒へのかかわり方(2)
~学校体制として、どうかかわるか~

 -「いいとこ探し」から始まる
         学校体制づくりを-

 「不登校防止の学校体制づくり」は組織作りや役割分担というハード面も大事ですが、不登校生徒の「いいとこ探し」ができるようにするソフト面こそ生命線と考えます。
 在籍校で相談室の奥に一人でじっと一日過ごしていたあの子や、仲間関係が作れずにキレていたあの子が、この7月、はまゆう会館の中学校演劇発表会で「奇跡の人」の舞台に立ち、また裏方として熱演を支えました。終演後の舞台裏には歓喜の熱い交わりがあり、公郷中学校を始め、多くの先生方が楽屋に訪れ、差し入れまでしてたたえてくれました。
 不登校生徒に、よってたかって「いいとこ探し」をする眼差しを私たち教師が育み、マイナス面を嘆くより、いかに長所を活用するかを切り口にします。何をどう支援するか方法を見いだし、努力に対しては「いいねえ。」「よくやったねえ。」と「ねぎらい」をかけていく関係づくりこそが「学校体制づくり」だと思います。

-「支援(=指導と援助)」があれば
           「評価」ができる-

 例えば不登校生徒の学習成績評価は、従来ほとんど「オール1」や「評価せず」でした。
公郷中学校相談学級では、すでに5年前から学校体制で授業を行っています。今年度は5教科と音楽に教科担任が付き、各週1時間の授業です。教員の持ち時間を増やして本校以外の生徒に授業をする。その負担は大きいのですが、「それよりも生徒の意欲や真剣さに胸を打たれる。」と各教科で毎時間工夫に満ちた授業が展開されています。
 昨年度からは授業での「評価」を行い、資料として在籍校に送付しています。本来ならこうした支援は各在籍校で行われるべきことで、在籍校の先生方こそが、「あの子に評価をしてあげたいなあ。」と思ってほしいのです。そのための具体的な「支援」がやがて束になり、「学校体制づくり」になっていくのだと思います。
 「評価」はなにより「あなたのことを大切に思っているよ。」というメッセージです。
「まだ教室で過ごせなくても、『いま』ちからをつけておくべきことはたくさんあるよ。」そう学級担任の先生が将来を案じてかかわってくれてこそ、生徒は教室復帰を真剣に考えます。こうした成果か、現在14人中13人までが何らかの形で在籍校に自分からかかわりを持って通い始めるようになりました。このことから私たちは、「かかわるほど生徒が伸びる」と実感しています。不登校対策は一部の不登校生徒の問題だけでなく「学校が変わる」ことだと思います。すべての生徒に向けられる私たちの「眼差し」が変わるからです。

(公郷中学校相談学級担任 川端 久詩)

◆様々な体験等を積んだ夏休みが終わり、学校生活の再開に児童生徒は期待と意欲で胸を膨らませていることと思います。授業や諸活動等でも、この節目のスタートの指導を大切にしていきたいものです。
◆7月1日に開設した 『スペースゆうゆう坂本』 でも、通室生全員で清掃活動を行い新しい教室でのスタートをきりました。
午前中は教科学習、午後は体験学習と充実した活動を行っています。生徒たちの活動の様子を是非ご覧になってください。 (連絡先 821-0166)

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更新日:2023年10月31日 23:37:37