No.132 センボンヤリ (H17.4.8)

撮影 H17.3.31 逸見
センボンヤリ (キク科センボンヤリ属)

 日本全土に広く分布し、乾いた草原や林縁に生える多年草です。県内でも分布は広いのですが、個体数が少なく、なかなかお目にかかれません。三浦半島では、塚山公園のものがよく知られています。
 葉はすべてが根生します。春の葉は小さくて、裂片は少ないですが、夏の葉は大きく、タンポポのように羽状に裂けます。葉の裏面は白色の綿毛が生えています。
 花期は春、秋の2回あります。春(4~6月)、根生葉の中心から数本の花茎を10センチほどに直立し、それぞれに径1.5センチほどの1頭花をつけます。舌状花は白色で、下面は紅紫色を帯びていますので、ムラサキタンポポの別名があります。しかし、タンポポと異なり、茎や葉には白い液はありません。
 秋(9~11月)、花茎は30~40センチにも長く伸びます。直立する茎には小さい鱗片葉が並んでいます。頂につく花は春と異なって、細い管状花ばかりで、総包の中にあって外には出ません。自花受粉で結実する閉鎖花です。和名は、閉鎖花の形を槍の穂先に見立てたのでしょう。
 春、秋の果実とも冠毛があり、風に乗って飛び散っていきます。

 

<「植物歳時記」に戻る

 

更新日:2023年10月11日 11:51:46